こんにちは、からまるです。

今回のアッパレ本は、政治記者の田崎史郎さんが構成・執筆した『小泉進次郎と福田達夫』(文春新書、11月刊)です。肥料や農薬などの資材を農協に販売する「全国農業協同組合連合会(JA全農)」の改革が、2015年から今年にかけて自民党農林部会を主舞台にして行われました。小泉さんは部会長、福田さんは部会長代理でした。

本書は、その全農との攻防の経緯を軸に、田崎さんがファシリテーターとなって、二人の議員が対談を行う形式になっています。また、この二人が外からどう見られていたか、全農改革に関係する議員や官僚に田崎さんが話を聞いています。最後に二人それぞれに相手の長所・短所を聞き出しています。

まずこの構成がアッパレですね。田崎さんは小泉さんから「自分たちの全農改革のことを本にしてほしい」と依頼され、かなり悩んだ末に、この構成を思いついたそうですが、これは編集者でもけっこう考えつかないと思いますね。政治家の心をよく知っている人ならではの工夫だと思いました。

そして、あとがきに「二人に対する見方が格段に厚みを増した」と書いているように、何と言ってもアッパレなのは、本書にはもっと知りたい・見方を深めたい・勉強したいという田崎さんの気持ちが横溢していることです。だって、田崎さんほどの方なら、政界・政治家のことならすべてわかると思って当然ではないですか。それがぜんぜんない。二人に迫る、この探究心の衰えのなさが、本書をいっそう魅力的にしています。

内容的には、福田家の話が興味深かったですね。あの元総理・福田康夫さんにも感情を爆発させることがあったんだと唸らされたエピソード(p63)がとくに印象的でした。祖父と父を総理に持つサラリーマン出身の達夫さんは、からまるは正直、よく知りませんでしたが、俄然、注目してみたくなりました。

     *     *

さて、明日は一日中取材、さらにその後、入稿が立て続けに入りますので、明日明後日はお休みします。また来週月曜日に!

こんにちは、からまるです。

生原稿.JPG引っ越し作業は今日までかかっていまして、ようやく最終段階に。昨日のエントリで書いたように、整理すると、どうしても捨てられないものがどんどん出てきます。生原稿もその一つですね。

からまるが編集者になった頃は、まだ原稿用紙に書く方がいました。印刷所への入稿も生原稿です。写真のように編集者が赤字で指定を入れます。冒頭に「東西冷戦が終わり」と書いてあることからわかるように、1990年代は、本文の級数は普通、13級でした。いまは一般書の大半が14級ですから、10パーセント近く小さかったのですね。新聞もそんな感じでした。

書名は明かしませんが、この原稿はからまるが駆け出しの頃の苦労がようやく実って著者からいただいたもの。文字通りの「玉稿」です。大切な宝物ですね。

こんにちは、からまるです。

編集部内で席替えがありまして、からまるは今、引っ越し作業の真っ最中なのです。普段はまったく見ないデスク引き出しの奥を整理のために引っかき回してみると、いろいろ出てきますよ、思い出の品々。それらの中でもとくに「ときめいて」片付けられないのが、この5年くらいの間に諸事情があって出版が叶わなくなってしまった二つの原稿です。

二つとも出せば絶対ベストセラーになると、社内の関係部署で認知されていた企画です。からまるの力が遠く及ばないところにある事情なので、どうにもこうにもならず、だったら潔く処分してしまえばいいのに、これらばかりはいつまでも捨てられないものですね。

さて、引っ越し頑張ろう。

また来週に!

こんにちは、からまるです。

日本の正しい未来.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像村上尚己さんの『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』(+α新書)を発売して2週間。売れ行き上位の書店さんがハッキリして見えてきました。

ベスト8は、上から順に、紀伊國屋書店新宿本店、同梅田本店、丸善日本橋店、有隣堂横浜駅西口店、丸善丸の内本店、ジュンク堂書店大阪本店、三省堂書店池袋本店、三省堂書店神保町本店さんとなりました。ビジネスもの販売の王道とも言える書店さんたちですね。どうもありがとうございます<(_ _)>

とくに1位の紀伊國屋書店本店さんは、入口すぐの新書新刊棚のいちばん目立つ目線の位置にど~んと置いてくださいました。これは本当にありがたい。表紙の絵のテイストがお店に合ったのでしょうか。写真を撮れないのが残念ですが、感謝感謝です。

こんにちは、からまるです。

昨日はこの日記を書くのを忘れてしまいました、ちょっとバタバタしていました。

さて先週、実に久しぶりに先輩を先輩とも思わぬ口悪後輩とビールを付き合う羽目になってしまいました。いまや産業界のトレンドである「働き方改革」で、「徹夜してはならぬ」と上司に厳命され、仕方なく飲みたいというのです。

「徹夜で仕事する代わりに酒を飲むのはヘンだろ。いままで本当は暇だったんじゃないの?」

「先輩、相変わらず進化から取り残された化石編集者という感じっすね。これからは朝型が当然なんっす。早く起きて、会社に来て、ばりばり働いて、夕方から飲む。それがこれからのイケてる編集者っすよ」

「なに言ってんだか。たんに徹夜しなくてもいいような無駄な仕事をしなくなっただけだろ。だいたい会社に来てるように見えないし」

「ホントに化石っすね、先輩は。テレワーク導入はまだだけど、いまはスマホがあればどこでも仕事できるんすよ。これぞ働き方改革っすよ」

たしかに今は社内をざっと見渡しても、以前と違って深夜はあまり人がいませんね。からまるはかつて月刊誌にいたとき、月に4日は入稿と校了で半徹夜(最終の校了日は完全徹夜)でした。それも昔話になるのでしょう。

「急な仕事があったら徹夜しないわけにいかんだろ。緊急事態に燃えるのが編集者ってもんだろ」

「はあ? 大丈夫っすか先輩。働き方改革なんで、急ぎの仕事は明日に回して早く帰るんすよ」

「......あのさ、働き方改革の前に、まず働けよ」

こんにちは、からまるです。

先週金曜日のエントリの続き。12月1日、サッカーのワールドカップ・ロシア大会の組み合わせ抽選会が行われました。その結果、からまるがすでにチケットを手当てしたモスクワでの2試合のカードは何になったのか? 衝撃の結果発表です!

一つはアルゼンチン対アイスランド!! やりましたね~、南米予選では最終節に崖っぷちに立たされながらもゴールを決めて母国を本大会に導いたリオネル・メッシ擁する前大会準優勝国と、昨年の欧州選手権に続く初出場ながら魂のプレーを見せる、そして何と言ってもサポーターたちの「バイキングチャント」が心にしみる欧州選手権ベスト8の対戦です。楽しみすぎますよ。

もう一つはドイツ対メキシコ!! 今年のコンフェデ杯で若手中心の構成ながらも優勝した層が厚すぎる前大会優勝国と、サッカー巧者のメキシコ、これも楽しみすぎますね。奇しくもブラジル大会優勝国と準優勝国、それぞれの初戦を見られるとは、からまるは今年の運をすっかり使い果たしたのでした。

こんにちは、からまるです。

今日は天皇陛下の退位日をはじめ、流行語大賞などいろいろなことが決まる日です。で、からまるに最も関係があるのは、サッカーのワールドカップ本大会の組み合わせが決まる日でもあるのです。日本時間の深夜、どういう抽選結果になるのでしょうか。

関係があるといっても仕事ではありません。まったくの遊びで、6月中旬、モスクワで開催される予選リーグの2試合を見ます。チケット(FIFA公式サイトでの早い者勝ち正規チケットは瞬間的に売り切れ)、航空機、ホテル(たぶん普段の3倍くらい高いけれど、もうほとんど部屋が残っていない)は手配済み。あとは実際に見ることになる試合が何になるのかを待つだけになっているのです。来週の報告をお待ちください!

こんにちは、からまるです。

『「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法』(中室牧子・津川友介著、ダイヤモンド社)は、今年2月に刊行されて以来名著の誉れが高いので、ようやく読んだからまるが、いまさらご紹介したところで遅きに失したとしか言いようがないのではありますが、でもこれは本当にアッパレ本ですね。

「因果推論」と書くとむずかしそうですが、「因果関係」と「相関関係」の違いを見抜くことの大切さを、ひじょうに丁寧に根気強く説いています。ビッグデータの時代だからこそ必須の知識なのでしょう。

そのふたつの違いがどうしてそんなに重要なのか。本当は相関関係しかなかった複数のデータを因果関係だと間違って推論したがゆえに起こる不幸が、とくに国家の政策ではひじょうに大規模になるからのようです。「因果関係を検証することなしに、一見すると効果があるように見える政策を実施することは、何より国民に大きなリスクを負わせているのだということを忘れてはなるまい」(p112)という指摘は刺さりました。実際に、消費税増税、後期高齢者の医療費自己負担率、ゆとり教育などはどうだったのでしょうか。いま議論されている高等教育の無償化は?

因果関係と相関関係を正確に区別するのは、エビデンスとエビデンスとはなり得ないものを正確に区別することでもあります。エビデンス(科学的根拠)とは「因果関係を示唆する根拠」(p48)のことだからです。

あったりまえじゃん!と思われるかもしれません。でも、からまるたちの仕事でも、エビデンスがしっかりしていない企画や原稿を通してはいけないとわかっていながら、えてして相関関係しか示唆していないものをエビデンスと捉えてしまっているのかもしれません。その気付きだけでも得るところの大きい本だと思うのでした。

50歳からの出直し大作戦.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像こんにちは、からまるです。

新聞各紙で既報の通りですが、2016年9月に刊行した『50歳からの出直し大作戦』(+α新書)の出口治明さんが来年、立命館アジア太平洋大学(APU)の第4代学長に就任することになりましたね。実業界きっての教養人として知られる出口さんが、留学生と日本人が半数ずつ在籍するユニークな大学のトップになる。なるほどな思いました。

来月下旬に壮行会が行われるそうなので、ご様子を伺いたいと思っています。これからも注視したいですね。

また明日に!

こんにちは、からまるです。

一昨日土曜日、たまたまクルマを運転する機会があり、何気なくNHKラジオを聞いていたところ、ちょっと面白い特集番組がありまして。NHKのEテレのプロデューサーたちが何人か出演し、最近のEテレはなぜ先進的な番組が多いのかを、当事者たちが語り合っていたのです。

とくに面白かったのは、総合テレビではできなくてEテレではできることは何かという話題でした。あるプロデューサーは先輩に、「おまえの作った番組はわかりやすすぎる」と言われたのだそうです。総合テレビと違って、Eテレはわざわざ見に行く視聴者が多い。その番組内容に高い関心をもって見に来る人に、総合テレビのように、わかりやすくわかりやすく作ると、かえって興味をもってもらえない。すこし疑問が残ってじっと考えたくなるくらいがちょうどいい、とアドバイスを受けたのだそうです。

たしかに、本作りでもまず「わかりやすく」を考えます。でも「その本をわざわざ買ってくださる」読者の方々にとっては、それが最善でない場合があるのかもしれません。自分の仕事を振り返ってみるポイントになりそうです。

こんにちは、からまるです。

『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(鈴木貴博さん著)を出したから気付くのでしょうか、からまるはやたらと「消滅」という言葉に反応します。

今週の日経ビジネス11月20日号の特集は「現金消滅」でした。仮想通貨が実現する「現金のない社会」とはどういうものか、多角的に分析した記事が並びます。まあでも、オンラインバンキング取引や、クレジットカードとプリペイドカードでの支払いがメインなら、現金の消滅はすでに日常になっているとも言えます。思考実験としては「仕事消滅」ほどではないかも(と、さりげなく自慢)。

では、何が消滅すると考えれば、思考実験として面白く、未来を先取るするヴィジョンを描けるでしょうか。そういうことを今、考えています。

また来週に!

こんにちは、からまるです。

村上尚己氏東洋経済オンラインランキング.jpg『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』を発売した村上尚己さんの記事が、今日、東洋経済オンラインに公開されました。「「日本は借金まみれ」という人の根本的な誤解 「政府の借金」と「家計の借金」は同じではない」というタイトルです。この日記を書いている時点で、スクリーンショットにあるようにアクセスランキング1位です。

この内容については、本書第六章「本当は国の借金はゼロ」で詳述しています。記事にはありませんが、本書117ページに掲載した「政府、金融機関、家計・企業のバランスシート」という図表を見ていただくと、「政府の借金=国民の資産」であることを視覚的に理解することができます。

ただ、このテーマはつねに論争的です。村上さんの記事にも大量のコメントが付いていて、なかには悪口雑言に近い言葉もあって両陣営が意見を戦わせています。財務省は増税頑張れという声もあります。緊縮財政は経済を縮小させるという声もあります。みなさんはどうお考えでしょうか?

こんにちは、からまるです。

村上尚己さんの『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』(+α新書)は明日発売です。税込み価格は864円です。書店さん店頭で見ていただけましたら幸いです。ここで目次をご紹介しておきますね。

イントロダクション 低成長とデフレは必然なのか?
第一章 近未来小説「ゼロ成長の日本」
第二章 消費者が喜ぶはずの物価下落がなぜ大問題?
第三章 デフレは「人の価値」も下落させる
第四章 若者の貧困化を放置する社会
第五章 「人手不足は悪」報道の正体
第六章 本当は国の借金はゼロ
第七章 経済格差を許容する中高年世代の自己満足感
第八章 バブルから学ばないのは反省し過ぎる人たちだ
結び 緊縮という病

こんにちは、からまるです。

村上尚己さんの+α新書の新刊『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』が来週21日に出るのにタイミングを合わせて、今日、村上さんの寄稿を現代ビジネスに公開しました。タイトルは「日本ゼロ成長、中国6%成長が続いたら、2025年に何が起きるか」

タイトル通りの前提でいくと、2025年の中国の名目GDPは日本の3.5倍になります。IMFの推計値によると、2017年のアメリカの名目GDPは19.38兆ドル、日本は5.11兆ドルですから、アメリカは日本の約3.8倍です。だから、2025年には日本のすぐ隣に今のアメリカくらい日本と格差がある経済大国が誕生することになります。

ちなみに同じ2017年推計値では、中国は12.36兆ドルですから、今の中国は日本の2.4倍くらい。この倍率が3.5倍まで拡大するとしたらどうなるでしょう。中国の現体制が目指している強国路線から考えると、経済力を生かしたものすごい軍事大国が誕生することもありそうです。

村上さんも現代ビジネスの記事で、「今の米国と同規模の経済、軍事力を持つ国が隣に登場するわけだ。米国一辺倒ではなくなり、日本の外交、軍事政策は大きく変わらざるを得なくなるだろう」と指摘しています。まさにその通りだと思います。

こんにちは、からまるです。

鈴木貴博さんの『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』を出したのは8月18日なのですが、その直後から本書にインスパイアされた?かのようにも思えたりするタイトルのキンドル本がけっこう出ています。

最初のタイトルが『AI時代を生き抜く19の人生戦略』。まあこれはサブタイトルが偶然似ているだけなのかもしれません。でも次に出た『仕事消滅のAI時代〜僕たちはどう生きる〜』はインスパイアされたふう(いささか日本語が不自由なふうでもあり)。また、このサブタイトルは昨今強烈なリバイバルブームになっている『君たちはどう生きるか』にもインスパイアされた感が。

で、「新着」タイトルが、『仕事消滅のAI時代の22の成功法則』。ここまで「の」が続くと面妖ですね。

これらのキンドル本は本家『仕事消滅』が出た後にリリースされているので、少しは読んでくれているとうれしいなと思うのですが、じつは本家が出る10日前に『仕事消滅のAI時代を生き残る25のコツ』というタイトルがリリースされています。予約段階で見つけてくれたのでしょうか。瞬発力が素晴らしいですね。

日本の正しい未来見本.JPGこんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続きです。村上尚己さん『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』第一章の近未来小説「ゼロ成長の日本」はある試算を前提にしています。それは2025年時点で、日本と中国の経済格差がどの程度開いているかというシミュレーションです。

ですが、このネタはちょっと今日はまだ書くタイミングではないので、明日以降に。

今日は見本が届きました。発売は今月21日、税込み価格は864円です!

こんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続きです。村上尚己さん『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』第一章の近未来小説「ゼロ成長の日本」はどういうストーリーなのでしょうか。

時は2025年、主人公は学生時代に友人だった中国人と再会します。それをきっかけに主人公は、当たり前だと思っていた日常に、じつは大変恐ろしい変化があったことに気付かされます。これ以上の内容は、是非実際に本を読んでいただけましたら!

日本の正しい未来.jpgのサムネイル画像小説を書いてくれたライターさんが目指したのは、最初の映画「猿の惑星」のラストシーン。ニューヨークの自由の女神像が傾いて埋まっている場面ですね。今でも忘れられないほど衝撃的でした。

イラストの人物の表情に、かるまるはあのラストシーンでチャールトン・ヘストンが茫然と女神像を見上げている表情をイメージしています。描いていただいたのは「にほへ」さんです。

きっとこのラストシーンは賛否両論だと思います。べつにいいじゃないか、猿が支配してりゃそれはイヤだけど、と思う人も多いでしょう。でもどうなんでしょう。デフレと同じかもしれません。べつにデフレでいいじゃないか、ものの値段が値上がりするよりは、と。

しかし、その時はよくても、見えない変化の先に何があるのか、「失われた20年」でからまるたちは思い知らされたのではないでしょうか。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

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