こんにちは、からまるです。

佐藤圭一さんの『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』(+α新書)のごく一部抜粋を「現代ビジネス」で読むことができます。「その名刺、そのデザインが、あなたの会社をダメにする!」という記事です。本書の中でからまるが気に入っている「ズレ」の話とはちがう部分なのですが、ブランディングの平易な入門書という本書の長所がよく出ていると思います。

たとえば、会社でロゴを開発するときのプロセス。佐藤さんによれば、これには3つの方法があるそうです。1、トップの独断で決める 2、著名なデザイナーを起用する 3、社員を巻き込む、の3つです。

本書では「社員を巻き込」みながらロゴを開発した東武グループの実例が紹介されます。社内のプロジェクトメンバーとディスカッションを重ねて、佐藤さんたちは何と1500案ものデザインスケッチを作ったのだそうです。すごい数ですよね。そこから32案に絞り、さらに精緻化していく。その間、最初から最後までずっと社員が開発に何らかの形でかかわっていくので、決定した案に社内で納得感が得られるのは当然なのでしょう。

もしこれが、「これって社長の趣味だからさ」とか「ほら、あの有名な××さんの案らしいよ」と社内で社員がささやき合うのだったらどうでしょう? それよりも健全かもしれないと、からまるは思った次第です。

こんにちは、からまるです。

選ばれ続ける必然.jpgのサムネイル画像土井英司さんのメルマガ「ビジネスブックマラソン」に佐藤圭一さんの『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』が取り上げられました! 冒頭部分を引用しますね。

最近、ブランディングはビジネスパーソンの必須教養になってきたと感じています。なぜなら、雇用が流動化し、転職活動をしようと思えば、自己PRのための「ブランディング」が必要になりますし、今後AirbnbやUber、アマゾンのようなプラットフォームで商売をしようと思えば、やっぱり個人の信用や購買を誘うブランディングが重要になるからです。

また、いつの時代も消費者は「良いモノ」を買うわけですが、昨今言われる「良いモノ」というのは、環境や社会、健康に配慮しているもの、さらには「ポリシーがあって応援したくなるもの」です。だからこそ、個人や会社は自分のビジョンや思想を語らなければなりません。

本日ご紹介する一冊は、このような視点も織り込んだ、ブランディングの入門書」。

まさに。土井さんどうもありがとうございます!

こんにちは、からまるです。

何度かご紹介してきた佐藤圭一さんの『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』(+α新書)は本日発売となりました。たまたま立ち寄った丸善丸の内本店さんでは、ちょうど取次さんから入荷があったばかりのようで、ワゴンに積まれた本書を店頭に置いていただく直前のところでした。どうかたくさん置いてくださいますように!

山口義正さんの『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』(+α文庫)も本日発売です。丸善丸の内本店さんでは、すでに店頭に置いてあり、しかもけっこうドカドカと積まれていました。3階は文庫コーナーだけでなくレジ前にも、そして1階の新刊コーナーにもありました。これはとてもありがたし<(_ _)>

こんにちは、からまるです。

周囲で絶賛の声が高い東宝映画「シン・ゴジラ」を昨晩見てきました。何と言っても驚いたのはお客さんの数です。某シネコンの劇場が満席で、パンフレットも売り切れでした。そんな経験はいつ以来か、思い出すことができないほどの熱気です。作品は本当に期待通りの面白さでした。

さよならヴァニティー.jpgエンドロールにクレジットされた俳優・スタッフ・協力先の数の膨大さも驚きでした。へえこんな人にも取材協力してもらったんだ、という中、ひとつ、よく知っているお名前がありました。「扮装統括」の柘植伊佐夫さんです。2012年4月にからまるは柘植さんの『さよならヴァニティー』という本を作りました。柘植さんの哲学が凝縮したエッセイです。

当時は、からまる的に史上最高傑作のNHK大河ドラマ作品「龍馬伝」の「人物デザイン監修」者であることが気になっての刊行だったのですが、その後も柘植さんは、え、あれも? 何、これも?というくらい話題作につぎつぎとかかわり、「進撃の巨人」映画版の扮装統括もなさっています。だからもっと注目されてもいい本だと思うのですけどねー。

こんにちは、からまるです。

昨晩は19日に発売する+α文庫『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』の著者である山口義正さんと打ち上げをしました。場所は神保町にある焼き鳥屋さんです。以前、ある人に紹介されまして、めちゃいい店なんですよね、ここ。昨晩もコース料理を堪能しました。

話の内容はヤバい情報ばかりなので、とてもここにはご紹介できません。情報は集まるところには集まるものなのですね。オリンパス事件をたった一人で追及した勇気が、山口さんを情報の集積地たらしめたことになります。一方で、あの本の主役たちは、まったく別の人生を送っているようです。大企業の経営者が、その地位に伴って負うことになる責任の大きさを垣間見ることができました。からまるのような一編集者にはとても実感のわかない世界です。

こんにちは、からまるです。

先月下旬、注目の翻訳書が早川書房から刊行されました。エイミー・カディさんの『〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る』という本で、どうして注目なのかというと、この企画の情報が数年前にエージェント経由で入ってきたとき、その魅力あふれるコンテンツに驚いたからです。翻訳権は結局、早川さんが取得されたわけですが、いつ出るかいつ出るかと思っているうちに半ば忘れかけた先月、ついに刊行されました。

カディさんは、2012年のTEDでのプレゼンテーションが大反響を巻き起こしたことで知られます。累計3000万回の視聴数はたしか歴代2位なのではないでしょうか。大学の先生にしては美し過ぎる容姿が人を惹き付けたことは否定できず、「ハーバードビジネススクールの美人准教授」が魅惑のアイコンになったのも確か。19歳の時に交通事故によって脳に損傷を負った自らの過去を涙目で語ったことも、まあ男性だったらあれほど共感はされなかったかもしれません。しかし、その大変な苦境から脱出したストーリー、それをボディランゲージ研究と結びつけたプレゼン内容は、名言「Fake it till you become it」と共に人に大きな勇気を与えてくれました。

でも、本の最終章の見出しになっているあの名言が、早川さんの本の表紙にないのは、ちょっと意外。「パワーポーズ」ねえ、うーん、という気も、余計なお世話なんですが、しています。これもひとつのファン心理ということで。

こんにちは、からまるです。

リオデジャネイロ五輪が盛り上がっていますね。からまるも昨日深夜3時まで錦織圭選手とラファエル・ナダル選手の三位決定戦を見ていて、ちょっと寝不足気味です。第2セットの半ばまで見て寝てしまったのですが、今朝、錦織選手が銅メダルを獲得した朗報に接することができました。素晴らしい結果だと思います。じつは企画で考えていることもありまして...おっと。

日本人選手の活躍を見ているうちに、4年後の東京五輪に向けて、仕事で貢献したいと思うようになってきました。編集者なので、本を作ったり、その本に関連してイベントを企画するなど、いろいろと考えられます。若い選手たちの奮闘振りに背中を押されるように意欲が湧いてきました。

おっと、その前に、冬季五輪があります。これに向けてもいろいろ考えているのですが、その話はまた、もし公開可能になったら!

こんにちは、からまるです。

今月19日には、+α文庫でも担当作が出ます。経済ジャーナリスト、山口義正さんの『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』です(親本タイトルは『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』)。

ザ・粉飾.jpgこちらの表紙はご覧の通りの感じです。オビには大きく報道写真を入れました。本書の主役の二人、後に敵役同士となる、オリンパスの菊川剛元会長とマイケル・ウッドフォード元社長が握手をしています。ウッドフォードさんが異例の抜擢で社長に就任したときの記者会見のときのものです。この当初の笑顔がどれだけ皮肉なものに変貌していくか。それを表現してもらったところ、オレンジと青に染め上げた作り物めいた画像を装幀家の方が考案してくれました。なかなかいいと思いません?

メインコピーは「粉飾に群がる闇の人脈」としました。この写真の二人はいわばオモテの主役。オリンパスの粉飾を指南したウラの主役の存在を示唆するのが狙いです。実際に数百億円ものカネが粉飾スキームを媒介にしてオリンパス社外に流出したと見られています。その行き先はまだよくわかっていないまま。ウッドフォードさんは粉飾が発覚した2011年当時、身の危険を案じざるを得なかったと本書で述懐しています。この不気味さが本書のストーリーを引っ張っています。

19日以降に書店さんの文庫コーナーに出向かれたら、是非+α文庫もご覧下さい!

こんにちは、からまるです。

選ばれ続ける必然.jpgこの表紙にデザインされている「BRAND」という部分は、じつは著者の佐藤圭一さんに慌てて依頼して作ってもらったもの。新書だと、ついタイトルやコピーなど文字のことばかり考えて、写真やアイキャッチに注意がいかず、装幀家さんにお願いする直前になって、「いけね、なんか作らなきゃ」と佐藤さんに相談したのです。たしかそれは金曜日。普通なら、「え、いまさら、そんな急に、何言ってるの、からまるさん!」と怒られるところでしょうが、さすがにデキる人は違います、「それなら週明けまでに作りますよ~」とスマートに受け流し、なんと日曜日にもらったのです。助かりました。なかなかかっこいいでしょ?

発売は来週の19日金曜日です。ぜひ書店さんの新書コーナーに行かれたら、+α新書売り場もご覧になってください。4月に出た『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』という本が10万部超えの絶好調で、いまシリーズ全体が注目されているところなのです。

こんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続き。「お客様は御社のどこを見ている?」をメインタイトル案として考えていて、これに対して、サブタイトルは次のように考えていました。

「選ばれ続ける必然を作り出すブランディングの方法」。でもちょっともさもさしているかな、と思ってはいました。実際に社内の会議に出してみると、多くの人が同じような印象で。うーむ、と悩んでいたところ、「それならいっそ、『選ばれ続ける必然』だけをメインタイトルにしては?」という意見が出てきました。たしかに「選ばれ続ける必然」を作り出すことが重要だと一貫して著者の佐藤圭一さんが主張しているのがこの本です。潔くそれでいこう。ただ「ブランディング」という言葉を入れないと何のジャンルの本なのかわからないので、サブタイトルにそれを使います。選ばれ続ける必然.jpg

すると浮いてしまったのが「お客様は御社のどこを見ている?」です。でもこれは昨日書いたような意味で、絶対に使いたい。それでオビのコピーにすることにしたのです。

写真でご覧のものが、こうして出来上がった表紙です。「どこを見ている?」という問いかけ形式は、趣旨はそうだとしてもコピーとしては弱いかなと思い、「お客様は御社のここを見ている!」と言い切り型に変えました。

こんにちは、からまるです。

先週金曜日のエントリの続き、佐藤圭一さんの+α新書のメインタイトル『選ばれ続ける必然』に決まる前段階の第三の案は何だったのか。それは当初、オビのコピーで考えていた「お客様は御社のどこを見ている?」というものでした。

お客の期待とのズレを生まないためにはどうすればいいか。まずは「お客の目線」がどんなものかを認識することですよね。では、そのお客は会社のどこを見ているのでしょう? そういう問いかけをこの本はしていると、からまるは思ったのです。

会社での自分の仕事を考えると、よりリアルになります。読者の方々への期待にこたえるような本ができているだろうか。編集者は読者ターゲットを想定しなければいけないとは、よく言われます。たしかにその通り。でもそれだけだと、自分を振り返る視点になりません。

「読者ターゲット」に加えて、ではこの本の読者になる方々は自分の仕事のどこを見ている?と考えると、自分がまさに今やっている一つ一つの仕事は、真に読者の方々のためにやるべきことなのかと問う視点が得られます。ひょっとして「まあこんなものでいいや」と思ってはいないか、そこまでひどくはないにしても「本とはこういうものだ」と思い込んでいないか、もっとやるべきことはないかと内省できているか、という厳しい視点を自分の中に持つことができる。そういう問いかけが何より大事だと、自分の仕事に引き寄せて考えたのでした。

こんにちは、からまるです。

佐藤圭一さんの新刊『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』の第1章「あなたの会社はズレていませんか?」に続く第2章は「お客様との接触ポイントに気配りしていますか?」です。「コンタクト・ポイント」という言い方もされるようですが、佐藤さんは、お客とモノやサービスの接触ポイントで、その会社の一貫性が感じられることが大切だと書いています。

接触ポイントはいろいろあります。お店や公共交通機関などは容易に想像できますが、BtoB企業だって、カタログのデザインや封筒の色も接触ポイントを形成します。それらに一貫したその会社「らしさ」がブランドをつくると佐藤さんは本書で書きます。また、その接触は、おおむねほんの一瞬のもの。でもその一瞬でお客は会社を選ぶのだから、その一瞬一瞬の積み重ねがものすごく大事になるとも、佐藤さんはおっしゃいます。

じつは、原稿ができる前の企画段階のタイトル案として、「社員がバラバラの会社は潰れます」の次に候補になったのが、「会社の評判は一瞬の積み重ね」というものでした。でも、これは次の案に押されることになりました。では、三番目の案は何だったのでしょう?

また明日!

こんにちは、からまるです。

昨日に引き続いて、佐藤圭一さんが『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』で強調する「ズレ」の話題です。「ズレ」はお客と会社の間だけでなく、会社の中にもあると佐藤さんは指摘します。自分たちはお客のどんな期待にこたえる会社なのか、トップと社員の間のズレ、社員と社員の間のズレがあると、その会社にお客は不安を抱くというのです。

社員の仕事ぶりや価値観がバラバラでは、その会社はお客に信用されなくなる。今日の日本経済新聞は、昨日公表された三菱自動車特別調査委員会の報告書は「社内の一体感の欠如」を指摘したと書いています。「十分参考にできる再発防止策を考えていたし、実行努力もしていたが、従業員一人一人の血となり肉となっていない」「最も大事な再発防止策は、そこで働く人たちの思いが一致することだ」「すべての根源は会社が一体となって自動車を造り、売るという意識が欠如している」と厳しい文言が報告書に盛り込まれているようです。また、同報告書で明らかにされた、法規とは異なる燃費測定方法を改めるべきだと、会社幹部が列席する発表会で新人社員が指摘したのに、それがまったく無視されたという事実は、会社幹部と社員の間にズレがあることを窺わせます。

じつは、本書の企画会議段階での仮タイトルは、「社員がバラバラの会社は潰れます」というものでした。特別調査委員会の報告書から浮かび上がる三菱自動車は、まさに「社員がバラバラ」のように見えます。もちろん「潰れます」はレトリックなので、実際に潰れてしまっては大勢の人が困ってしまうのですから、今度こそ社員一体となり、トップから新人社員までの血となり肉となる再発防止に努めてもらいたいと心から思います。

こんにちは、からまるです。

先週に続いて+α新書の新刊、佐藤圭一さん『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』の話題です。

企業不祥事はなぜ起きるのでしょうか。答えは一つではないし、会社や業種によってまちまちでしょうけれど、共通する理由の一つは、自分たちに対するお客の期待を認識していないからだと思います。福島第一原発事故を起こしたときの東京電力が典型的です。「事故」ではなく「事象」と言ってみたり、原子炉内でメルトダウンが起きていることを認識していても隠蔽して国民に伝えずにいたなど、真実を知って行動をしたい国民の期待とは真逆の対応を繰り返していました。視線が組織の中に向けられ、自分たちが国民からどう見られ、何を期待されているのかがわかっていない。自分たちの言動が、国民から期待される対応と完全にズレてしまっていました。

この「ズレ」が『選ばれ続ける必然』のキーワードの一つです。会社のやっていることが、お客の期待とズレていたら、その会社が「選ばれる」ことはありません。どんなに美味しいと評判のお菓子も、ファンが多いクルマも、賞味期限切れの偽装や燃費データの改竄などが社内で日常的に行われていたとしたら、それはお客から何を期待されているのかが、まったくわかっていない致命的な「ズレ」と言えます。

こうした会社の評価を台無しにする「ズレ」は、会社の中と外だけに存在するのではないと、佐藤さんは分析します。

こんにちは、からまるです。

来月は+α新書でも新刊を出すのです。タイトルは『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』。著者は凸版印刷さんでブランディング・ディレクターとして活躍する佐藤圭一さんです。

読んで字の如くブランディングの本なのですが、どうも「ブランディング」という言葉だけだと、「ああブランドのことね」とスルーされてしまう可能性がありますよね。そこで何度かディスカッションするうちにできたのが、メインタイトルになっている「選ばれ続ける必然」という言葉です。

からまるの念頭にあったのは、東芝と三菱自動車の不祥事でした。両社ともひじょうにすぐれた技術を持ち、素晴らしい品質の商品を開発してきました。でも、その会社が不祥事を起こすことによって、会社に対する信頼が揺らぐと、たとえ品質のよい商品であったとしても、お客は選択肢から外します。ということは、お客は商品そのものだけでなく、その商品を作っている会社の人格みたいなものをじっと見ている。めまぐるしく新しい商品を出しても、人格はそんなに変わらないから、「この人格が作ったものだから、きっといいものなのだろう」と信頼する。そうして「選ばれる」段階から「選ばれ続ける」段階に移っていく。その「必然」を創造していくのがブランディングではないのか、というプロセスで、このメインタイトルにたどり着いたのでした。

来週はこの魅力的な新刊の話題を。週明け月曜日は休暇を取りますので、また来週火曜日に!

こんにちは、からまるです。

「オリンパス事件自体が一般にはもう過去のもの」と昨日のエントリで書きましたが、それはあくまで世間一般にとってという意味で、山口義正さんにとっては、まだこの事件は何も終わっていません。オリンパスの資金が流れた先がどうなったのか、国内に留まらない話でもあり、実はまだそれほど解明されてはいないのです。

今回、書き下ろされた文庫版あとがきによると、『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』に登場するある人物は、例のパナマ文書にも名前が載っているのだそうです。そして、この文庫版あとがきで山口さんが宣言しているように、親本が刊行された2012年の春以降、ずっと継続している追及は、遠くない将来に、その内容が明らかになる予定。山口さんの次作をお楽しみに!

こんにちは、からまるです。

山口義正さんの『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』も8月に+α文庫になるにあたり、タイトルが変わります。文庫版のタイトルは、『ザ・粉飾 暗闘オリンパス事件』となり、メインタイトルになる部分(じつは親本は全部メインタイトルだったのですが)が思い切り短くなりました。

やはり文庫のタイトルは短いほうがいいというルールがあるらしいことと、オリンパス事件自体が一般にはもう過去のものという認識があり、事件が生々しい最中に考えたタイトルよりも、一歩引いて、あの事件の問題の核心を衝いたタイトルをつけたほうがいいという議論の結果です。

最初は「粉飾」だけにしようと考えていました。でも、「粉飾」そのものが事件の核心ではない。オリンパスの場合は通常とは異なる粉飾事例であって、たとえば東芝のように会社やグループの中では終わらず、その粉飾は外部の金融プロを指南役にして行われ、じっさいに自己資本がかれらに向けて流出したのでした。それで、別の案をあれこれ私と山口さんとで出し合い、いろんな議論の末、今後とも語られるであろう現代的で典型的な粉飾であるという意味を込めて、『ザ・粉飾』としたのです。

こんにちは、からまるです。

今月刊行の石塚健司さん『ひどい捜査 検察が会社を踏み潰した』に続き、8月にも+α文庫の担当作があります。山口義正さんの『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』です。親本は2012年の3月に出しました。

オリンパスが売り上げがわずかしかない3つの会社を、後に金額が判明したところでは700億円もの巨額で買収したことを山口さんはオリンパスに勤務する友人から聞きます。これはどう考えてもおかしい。何かあるにちがいない。日経平均株価採用銘柄でもある名門企業が、まさか、と思いながらも、友人から得た取締役会資料などをもとに、たった一人の調査を続けた山口さんは、ついにその怪しい企業買収の全貌と、買収スキームを使った粉飾決算、それを指南した怪しすぎる金融プロたちの存在を、一つ一つ突き止めていきます。世に言うオリンパス事件を発覚させたのが、山口さんの一連の調査報道でした(雑誌ジャーナリズム賞「大賞」受賞)。

まさに手に汗握る追求劇。粉飾の秘密を知らずに社長になっていたマイケル・ウッドフォードさんと、山口さんが最初の記事を発表した月刊誌「FACTA」の編集長だった阿部重夫さんの濃いキャラもてつだって、告発ものとして経済ノンフィクションの真価を発揮しただけでなく、個人対大組織、隠蔽側と暴く側のバトルものとしても面白いノンフィクションなのです。

こんにちは、からまるです。

すでに先週、発表されたように、今年の講談社ノンフィクション賞は、長谷川康夫さんの『つかこうへい正伝 1968-1982』(新潮社刊)の単独受賞となりました。7月20日の選考会をからまるも傍聴しました。じつは今回の最終候補作5作品の中に、からまるのお知り合い本があったので、結果にはやや複雑な心境もあるのですが(それでも銀座で盛大に?残念会を行いました。太っ腹な人たち!)、本書は文句なしの受賞だと思います。

とにかくこの本は面白い。「1968-1982」に出来事を絞り、とくに1970年代のつかこうへいの演劇創造に、いろいろな役回りでずっと振り回されてきた著者にしか書けない、つかさんという人の破天荒さ。からまるは80年代にパルコ劇場でかかるようになった後半期の芝居しか見ていないのがとても残念なくらいです。そして、どうしてつかさんの芝居があれだけの人を動員したのかが、はっきりとわかるような思いがしました。

選考会での議論は選評として後日、発表されます。570ページの大著だし、演劇論の部分も多いしで、けっしてとっつきやすい本でないことは確か。でも、からまるは映画でしか見られなかった銀ちゃんとヤスのねちっこい応酬の肉声が、まるで紙面から立ち上ってくるような読後感でした。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

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