検察の取り調べが進み、一時はボツ寸前だった『防衛疑獄』。

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こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

逮捕直前に『防衛疑獄』の原稿ができあがったことは、逮捕の瞬間も思ったのですが、今も秋山直紀さんにひじょうに厳しい接見制限(弁護人の他は親族のみ1回だけ!)が続いていることを考えると、奇跡としか言いようがないタイミングだったと思います。こんな状態では、とても手記の執筆などできないでしょうし、からまるがその内容を確認し、秋山さんにレスをする作業も難航を極めたことでしょう。

じつは、からまるは逮捕後の展開を、今から思えばまことにうかつなことに、けっこう楽観的に考えていたんです。20日の勾留期間が終われば保釈されるだろう。そのときゲラを読んでもらって校了しよう。そうしたら8月下旬には出せるな、と。

しかし、この後、新聞各紙に検察による取り調べの内情が伝わり、からまるたちには予想外のことに、秋山さんが脱税容疑を認めたという記事が何度も載るようになりました。原稿の根幹部分はそのこととは関係ないので、そのまま出してもいいという考えもあったのですが、でも今後、取り調べの矛先がどこに向かうのか、さっぱりわかりません。なにしろ、接見制限が弁護人のみで時間もひじょうに短く、秋山さんがいったいどんな調書にサインしたかもよくわからない状態だったのです。そんな状況で本を出しても、その後に不測の事態が起これば、とんでもなく恥ずかしい出版になってしまう。だいたい、秋山さんという人物をこれほどまでに信頼していいのだろうか。

とくに20日後の8月13日に再逮捕されたときは、政界ルートの取り調べに入っているのでは?とまで噂され、目の前が真っ暗になるような思いでした。

本は出せないかもしれない。

今度は何が出るのかと、新聞の社会面を見るのが怖いくらいでした。その恐怖感は、本が書店さんに並んだ昨日まで消えることはありませんでした。このブログに「ナイショ3兄弟の長男、大破中」と書いたのは、その頃です。

からまるから本人への連絡手段は、週に数回接見に行く弁護士の方に数項目にまとめた短い質問ペーパーを送って接見時に読み上げていただき、その返事を連絡してもらうことだけです。

もっとも心配のタネだったのは、起訴後の公判のことを考えると、この本そのものが公判の行方を左右しかねないことでした。だから、秋山さんがこの本を出版する意思を変えることが最大の懸念だったのです。逮捕直後と脱税容疑を認めた直後の2回、からまるは弁護士さんに「出版の意思は変わらないのか」をまず確認してもらいました。答えは、2回とも「変わらない」。

そうこうしているうちに、捜査はそれ以上の進展がないことがだんだんわかってきました。検察が脱税容疑で起訴する方針を固めたことがわかり、原稿を修正する必要がほとんどまったくないことが確認できて、ようやくこの本がボツになることは免れたのでした。秋山さんがどうか早く本を出してほしいと言っていることが弁護士さんから伝わってきたことと、井伏鱒二全集を愛読するという程の文人肌のその弁護士さんが原稿を読んで下さり、「よく書けているから」と出版を急ぐように勧めてくれたことも、からまるの背中を押したのでした。

こうして起訴から校了まで、日程的には最短距離で走ることができました。通常、本は取次会社等に提出する見本を作ってから取次搬入するのですが、この本は見本を作らず、校了、印刷、製本したのち、いきなり取次搬入しました。

この期間、こうしていろいろなことがあったのですが、検察による秋山さんの取り調べは、からまるのような凡人にはとても想像がつかないほど苛烈なものだったそうです。そのことは次回、書きたいと思います。

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このページは、karamaruが2008年9月19日 13:26に書いたブログ記事です。

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