karamaru: 2010年4月アーカイブ

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

総理官邸で起きた不可思議なミステリーから書き起こされる長谷川幸洋さんの『官邸敗北』が本日、校了になりました。どんな謎解きが展開されるのか。鳩山政権はいったいどうなってしまうのか。校了の最後の最後まで、おもしろいエピソードを入れ込みましたよ。いい本ができたと思います。

本の発売は首都圏で5月20日、それ以外では5月21日になります。すでにアマゾンさんでは予約販売を始めていますので、もしよろしかったらどうぞ!

 

さて、もういつの間にかゴールデンウィークなんですね。からまる日記は明後日お休みして、次回は5月6日に!

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

最近の、とくにビジネス書系のベストセラーリストを眺めていると、昨年までとはちょっと変わったなあという気がしますね。昨年までお馴染みだった方々の顔が減っている。どうしてなのでしょう。

シロウトの実感でいうと、昨年あった、経済お先真っ暗という気分が遠のいているのではないでしょうか。お先真っ暗だから、自分だけは振り落とされないように努力も能力アップも必要と、自分に高いハードルを課してきた人々も、努力はやめないけれど焦る必要はないかも、横の皆と同じでも大丈夫かも、くらいまでハードルを下げたようなイメージが浮かぶのです。むろん、何かデータを挙げよと言われても困るのですが。。

もしそうなら、自己啓発書やノウハウ書の企画は考え方を少し直さないとなあ、とは思っています。でも、こんなのいつまで続くやら(ー'`ー;)

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

昨日朝、「サンデープロジェクト」の後継番組「サンデーフロントライン」にソフトバンクの孫正義さんが出演されていました。孫さんがテレビにナマ出演するのは珍しいですね。しっかり見させてもらいました。

その中で孫さんがぶちあげた「電子教科書」構想(全国の児童に政府が無償でiPadのようなデバイスを貸与し、そこに教科書をダウンロードさせる。6000億円くらいでできるから「子ども手当」より安上がりの政策、という主張)を聞きながら、それとはまったく関係ないことを思っていました。

電子書籍は「ebook」とも呼びます。佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』には、「email」がいつの間にか「mail」になったように、「ebook」もいつのも間にか「book」になるだろうと書いてあったのが印象的でしたが、では「ebook」とは紙のものをたんに電子にしただけなのか、と思ったのです。

出版社が手がける雑誌連動ウェブサイトは、ウェブサイト運営の専門家から「紙の雑誌をウェブサイトにしただけ」という批判というか侮蔑をずいぶんと受けてきました。それと同様、紙の本をただ電子デバイスで読めるようにしただけでは、目新しかったり紙の本より安いというメリットがあったりするうちはいいのですが、それらが飽きられた後、長い目で見るとダメなような気がします(最近の電子書籍賞賛論の物足りなさもそこにあります)。

以前にこの日記で、iPadとKindleを同じ土俵で比較しても仕方ないと書きました。iPadはデバイスのサービスで、Kindleはクラウドのサービスだからです。それの水平思考なのですが、たとえば「電子教科書」もクラウドでないとあんまり意味がないように思うのです。自分がチェックした重要事項や感心した話などをノートに作成するのはデバイスで行うとして、そのノートはいつでもどこでも、どんなデバイスでも、学習の習熟具合、あるいは読みかけのノートの開いた位置、第三者の赤ペンチェックなどが更新されたまま見られるようになっているといいのではないでしょうか。

「重い教科を学校に持ってこなくても済む」とか「忘れ物がなくなる」というメリットだけではつまらない。勉強部屋や学校や先生までもクラウドに置いておけると、もっと楽しいですよね。「ebook」が「book」になるのもいいけれど、からまるは「ebook」が「cloudbook」になるのを見てみたいです。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

話題作『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)では粗製乱造自己啓発本ばかりつくっているおバカな編集者にカテゴライズされてしまったからまるですが、こういう「頭のいい人が読む本」と「おバカが読む本」を分ける言説は他にもけっこうあるんですね。このあいだ見つけたのは、ジャーナリストの岩上安身さんのツイッターです。からまるはそれを「本のセンセのブログ」というサイトの4月16日付けで読んだのですが、曰く、、

 

「ご存じか? キンドルのような電子出版が本格化したら、出版のコストは100分の1になるそうだ。高給を食んで、ゴミのような雑誌や、「頭のよくなる本」的な、きわめて頭の悪い本ばかり出している既存の出版社は、確実に倒産する。」

 

......のだそうです。ご自分の本については、

 

「条件を付けずに本を出す出版社があったら、もちろん喜んで出す」

 

......ということですから、紙の本や既存出版社の存在をまるごと否定しているわけではなく、著者の方と同等に議論できるレベルの編集者と出版社がいないことに対する批判のように受け取れます。

しかし、ここでも『電子書籍の衝撃』同様に、「編集者の役割」と「読者とは誰か」という分析がまだ抜け落ちているように思います。もっとここの議論をしてほしいと思うのですが。。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

連日、からまるの仕事ぶりも含めてご紹介している長谷川幸洋さんの『官邸敗北』、今日は再校ゲラが出てきました。来週明けには校了です。書籍の進行としてはけっこう無理目のスケジュールで、さきほど校閲担当者さんにゲラを手渡したら、ちょっぴりうつろな目と力の抜けた笑顔で迎えてくれました。

今日の新聞夕刊はどれも、前原国交大臣が、昨日の小沢一郎幹事長の「高速料金無料化と言っていたのにおかしいじゃないか」と高速料金の新体系に待ったをかけたのに対して、発表通り見直さないと記者に言ったのがトップ記事になっていました。

 

あれ? 鳩山総理はどっちなの?

 

もう政策論争ではなくて、民主党内の政治家同士の争いになってきたのではないでしょうか。こういう政治家の闘争を「政局」といいますが、政局ニュースが世間を賑わせるのとシンクロするように『官邸敗北』も着々と進行しています。

発売日は、首都圏で5月20日の予定。どうぞお楽しみに!

官邸敗北低解像度.jpgこんにちは。講談社BIZのからまるです。

長谷川幸洋さんの『官邸敗北』の表紙はこんな感じ。装幀してくださったのは文芸書デザインの第一人者、多田和博さんです。まるで小説のようですよね。

これは、わざとそうしているんです。だって、この本はまるでミステリー小説のようなのですから。第一章の見出しは「官邸連続ミステリー」。どんなミステリーかは読んでのお楽しみとさせていただきますが、オビにある「奴ら」こそ真犯人なのです。

それにしても、今日のニュースを見ると、普天間基地移転先候補と囁かれていた徳之島の3町長に官房副長官が「官房長官と会ってくれ」という趣旨の電話をかけたとか。そんなディープなことが表沙汰になることもミステリーですが、その電話した事実を鳩山首相がまったく知らなかったなんて、これはミステリーそのものです。

では、いったい誰が指示を出したのか?

現実の鳩山官邸もミステリー小説のようになってきたような気がしてなりません。としたら、この本はそれをすでに予言していたのかも。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

今朝の朝日新聞一面に天下りを繰り返して何度も退職金をもらう官僚OB、通称「わたり」の記事が出ていました。その中に、記者の取材に答えた当該の方々のコメントが載っていましたが、驚きましたね。記事によると「独立行政法人から財団法人の理事長に天下り、独法と財団法人で計約5490万円の退職金を受け取った」という70歳の官僚OBは、、

 

「官僚は一流大学を出て国家試験にも受かっている。大手メーカーやメガバンクと比べたら高い所得ではない」

 

 

( ̄□ ̄;)

 

 

70歳にもなっていまだに東大出て国家試験に受かったから高給取りで当然という発想の幼児性は論外ですが、税金から得た所得をメーカーやメガバンクで激しい競争を繰り広げて得ているお金と比べることに何ら違和感を抱いていなさそうなところが、かなりコワイではありませんか。

ついさっき初校戻し作業がすべて終わった長谷川幸洋さんの新作『官邸敗北』で長谷川さんは、増税を国民に提案するなら公務員改革が先だと力説されています。「財政危機」と「天下り問題」を分けて議論するのは問題の本質を隠す便法です。

最近、菅直人さんや仙谷由人さんがさかんに唱えだした消費税率のアップを、朝日新聞の記事にあるような「わたり」をビルトインしたままの官僚機構に手を付けずして進めるのは、いくらなんでもムシがよ過ぎでは? どうしてこの経済状況が苦しいご時世に官僚OBの優雅な暮らしを血税で支え、なおかつ「その暮らしに回す国のお金が足りないのでもっとください」とおねだりされないといけないのか。からまるにはさっぱり理解できません。かれらはそれに値する有意義な仕事をしているのでしょうか?

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

先週ちょっとご紹介した長谷川幸洋さんの『官邸敗北』の初校戻し作業をしている最中です。午後に長谷川さんに会って、著者校をもらってきました。この著者校と社内の校閲さんが見た本ゲラ、そしてからまるが編集者の観点から、たとえばこの小見出しはツマラナイから変えようといった編集校を合体させて、通常は本ゲラに集約させて一つのゲラを作るのです。書籍の校正作業の中で、これがいちばん時間がかかりますね。本当は二日くらい時間をかけてやりたいところなのですが、内容が内容だけにそうもいかず、今夜遅くまでかかりそうです。

というのも、最新の世論調査で鳩山内閣の支持率は20%台半ばまで急落しているようで、週刊誌の中には鳩山退陣を織り込んで記事をつくっているものがあるくらい(たとえば今日発売の「週刊現代」)に鳩山内閣は追い込まれていて、うかうかしていると本が出る前に本当に退陣してしまうかもしれないからです。

先週来の政治ニュースを見ると、閣内から「衆参同日選挙」という話まで出ているそうです。衆議院議員の任期満了まで3年以上もあるのに、解散なんかして一党で過半数の議席を獲得している状態をどうしてわざわざ破壊する必要があるのかと思うのですが、考えてみれば民意を問わずに総理の首をすげ替えてきた自民党政権をずっと批判し続けてきたのですから、鳩山内閣総辞職で新政権をつくるのは、天に唾する行為になってしまうのかもしれませんね。

 

さあ、仕事仕事。。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

『官僚との死闘七〇〇日』や山本七平賞を獲った『日本国の正体』でお馴染みの政治ジャーナリスト(東京新聞論説委員)、長谷川幸洋さんの新刊を5月中旬に刊行します!

いまちょうど、初校ゲラを校閲中。政治の動きが速いので、来週明けの初校戻し、再来週の校了のぎりぎりまで最新情勢を入れ込むように長谷川さんも頑張っていますが、本のテーマは一貫しています。民主党がマニフェストで、わざわざ大きく掲げた「鳩山政権の政権構想5原則」中の次の二つの原則、

 

「原則1 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。」

「原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。」

 

をひっさげて官邸の主になった鳩山由紀夫政権だったのに、なぜ官僚ペースの政治になってしまったのか。その舞台裏を克明に描き込んでいます。

今週の火曜日、鳩山総理がワシントンに外遊している留守中に、仙石由人国家戦略相と菅直人財務相が消費税アップの議論を始めることをマスメディアに話しましたね。鳩山さん本人は任期中には消費税を上げないと公言していたにもかかわらず。それを、閣内で議論すればいいものを、あえてトップの留守中にニュースになる形で表に出てくるなんて!

このことについて、長谷川さんはウェブマガジン「現代ビジネス」の連載コラムで「菅・仙谷「増税発言」のウラに財務省の倒閣運動あり 首相の留守中を狙って揺さぶり」と題して、こう書いておられます。

 

「今回の一件で、鳩山と菅、仙谷のずれは深まった。亀裂拡大を促しているのは財務省である。政権内部で倒閣運動が始まったかのようだ。」


 

「官邸主導」はどこへ消えた?

 

それが「官邸敗北」というタイトルの由来なのです。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

昨日までネタにさせてもらった佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』で、じつはいちばん違和感を覚えるのは、そこに垣間見える対立構造なのです。正確を期していうと、対立構造で語るのは著者の方の著述のしやすさ、読者の方の理解のしやすさからは当然だと思いますので、佐々木さんがそうするのはいいのですが、業界内の人がここに書かれたような構造で語ることがあるように思えるので違和感を抱くのです。

たとえば、昨日も書いた、自己啓発書は租税乱造された本という見方。ここにもニューアカ・ブームの頃に流行した本が「知的レベルの高い人が読む教養書」で、最近の自己啓発書が「おバカな人が読む消費財的な非教養書」という隠れた対立構造がイメージされているように思います。

その奥には、「教養書」が売れず、それを出版社が敬遠しているのが問題で、だから電子出版市場が拡大すれば「教養書」が復権してくるはずだ、そうすれば「教養書」を供給しなかった出版社なんていらなくなる、という見方が横たわっているような気がします。知的レベルが高い原稿は、自己啓発書ばかり作っているおバカな編集者にはさっぱり理解できないから世に出なかったのだ、電子書籍でそれが変わるのだ、というように世間では見られているのかもしれませんね。

でも、だからといって、自己啓発書ばかり出している旧来型の出版社なんて電子出版によって淘汰されて当然、といわんばかりの議論(たとえば先日ご紹介したコメント)はどうなんでしょうか。そんなところにまで対立構造を持ち込むとしたら、それは供給者の身勝手さを批判された既成の出版社と同根の、読者不在の供給者の論理だと思うのです。そこに何の未来があるのでしょうか?

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

昨日の続きで佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』(ダウンロード公開版、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)の「日本の出版文化はなぜダメになったのか」をネタにしますね。

佐々木さんは出版社が自転車操業状態(どうしてそうなるのかは本を読んでいただくとして)のため手軽で似たり寄ったりの自己啓発書を次々に乱造することになっていると指摘されています。たしかにそういう状態があることはあるのですが、そうでないところもあるのです。

まず、自己啓発書が手軽に作れるかという点について。

たとえば自己啓発書のベストセラーメーカーである苫米地英人さんの本をからまるはこれまで3冊作っています。それはもちろん、部数が確保できるから複数の本を作っているわけで、そこは供給側の論理と言われてしまうかもしれませんが、編集者たちは読者の方々の期待に応えられる内容を作り上げるのに相当な苦労をしているのです。

もし手軽に見えるなら、それは理解しやすさと読みやすさを編集者が徹底的に追求しているからです。著者の考え方を読みやすく伝えるには、テーマの設定、一貫性がある流れの構成、素材と主張とのバランスなど配慮するポイントはいくつもあります。作業的に手軽に作れるわけがありませんし、次々に企画が出てくるものでもありません。からまるも昨日挙げた本とは別次元の入念な編集作業を強いられています。この過程を経て編集者はかなり成長しますので、これで「ダメになった」と言われても頷く編集者は一人もいないでしょう。

でも、悩ましいのは、たしかに高い返品率をカバーするために新刊本を製造するという考え方の出版社と、返品率を押さえていこうとする出版社の両方があって、同一の著者の方で同じような販売データが上がってきても製造部数が違ってしまうことがあり(むろん後者のほうが少なくなる)、著者の方にお支払いする印税額で見ると、前者のほうが高くなるというところですね。つまり、うーーーんと想像力をたくましくすると、自転車操業状態の出版社のほうに売れっ子の著者の方が集まるということになってしまいかねません。

これは本当に悩ましい。印税率が業界の慣行で10%に決まっているケースが多いことが、電子書籍が広く普及する今後、いろいろな議論を生んでいくのだろうと思います。「電子書籍の衝撃」とは、本の製造コストの革命であり、収支配分の見直しでもあると思うからです。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

昨日、触れました佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』(ダウンロード公開版、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)は、今起こりつつあることの全体像がとてもよく俯瞰できて、しかも冷静なロジックが展開されていい本なのですが、第4章の「日本の出版文化はなぜダメになったのか」の部分部分にちょっとずつ違和感を抱きます。

近年の書籍売り上げのピークは1996年でした。佐々木さんはその理由に80年代ニューアカ・ブームの記号的消費の名残があったと書いておられます。たしかにからまるの現場感でも、たとえば1994年の9月に出した岩井克人さんの『資本主義を語る』(現在はちくま文庫)は、当時はオシャレな女の子が持っていてもカッコよく決まる本だったと思います。難解な内容でしたが、数万部売れたのです。

でも、それよりももっと大きな理由は、冷戦の終焉だったのではないでしょうか。それによって新しい論客が一気に論壇に登場しました。1989年の昭和天皇崩御、1990年のバブル崩壊もあって、90年代前半は日本人が「新しい日本」について熱い議論を戦わせた時代でした。からまるも、『新しい世界秩序と日本』(長谷川慶太郎さん、1990年)、『世界の見方・考え方』(大前研一さん、1991年)、『日本存亡のとき』(高坂正堯さん、1992年)という本を出しました。こうして振り返って見るといかにも当時の時代感があるタイトルで、今ならあり得ないでしょうね。

しかしそれは、半ば以降から変わってきました。1995年の地下鉄サリン事件、1997年の神戸連続児童殺傷事件が起きた後、からまるの記憶ではこれらの事件を受けて作家の村上龍さんが「文藝春秋」に「もはや「日本」や「日本人」で時代を語ることはできない」という趣旨の文章を発表して衝撃を受けました(記憶ちがいでしたら申し訳ありません)。冷戦の終焉が世界を一周したあとに、国内へ、さらに人間の精神へと人の目は内向し、それと同時にテレビ東京の深夜アニメ「エヴァンゲリオン」の大ヒットが一種のサブカル・ビッグバンのような現象を引き起こしました。からまるはこの頃、『東大オタク学講座』(岡田斗司夫さん、1997年、現在は講談社文庫)という本を編集し、意外なベストセラーになりました。

からまるの現場感では、サブカル・ビッグバンによってさまざまなサブカルが一般のあいだに拡散していったことと書籍売り上げのピークアウトが一致して起きていたような気がしてなりません。「本を読む」という精神的な行為は、その対象を多様化させたのだと思いますし、そのことに出版社もかなり自覚があったと思うのです。

 

明日は、『電子書籍の衝撃』のもう一つの違和感について。何度もネタにしてスミマセン。。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

迷ったのですが、3月26日のブログ記事に投稿されたコメントをそのまま公開しました。興味のある方はご覧になってください。

この方が私たちに数多くの恩恵をもたらしているデジタル化社会の推進に偉大な功績を残されていることは疑いようがありませんが、それがゆえにこの物言いには違和感を覚えます。

たしかに、ツイッター利用人口の拡大や電子書籍用のすぐれたデバイスが登場するのに伴ってここ数ヵ月起きているマスメディア批判、なかんずく大手出版社批判には、省みて頷けるところがたくさんあります。佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)をからまるもディスカヴァーさんのデジタルショップから購入して拝読しまして、その中の「従来の出版社は余剰の富にあぐらをかいている」という指摘には賛同される方が多いだろうなと感じます。

でも、今より少しでも良いコンテンツを、今より少しでも良い形で読者の方々の手にとっていただこうと考えていない編集者は、からまるの知る限り、一人もいません。このことは、出版社の社員であろうと会社に属していないフリーの編集者であろうと同じですし、電子書籍の未来もそこにあるのだと思います。めざす方向は何も違っていないのではないでしょうか。

このテーマは明日以降も引き続き書いていきます。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

ドラッカー新オビ.jpg先日もご紹介しましたが、2006年1月に出したピーター・F・ドラッカーさんの『ドラッカーの遺言』の8刷が出来ました。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎七海著、ダイヤモンド社刊)がベストセラーになっているのに便乗して新しいオビをかけます!と予告していた本で、写真のようになりました(こうして並べてもらえるともっとうれしいのですが、書店さま、如何でしょう?)。

だからといっておべんちゃらを言うわけではけっしてなく、『もしドラ』は面白かったですね。ドラッカー経営学の深さをうまく伝えているのではないでしょうか。とくに「野球部の定義」に主人公が気づく場面は、『マネジメント』を読んだことがあるからまるでもハッとさせられるものでした。

あとがきで著者の岩崎さんはこの本の成り立ちについて書いていて、「マネジャーといったらやっぱり女子マネだろ」と思ったところが本の構想のスタートになったそうで、これがよかったですね。

ずっと以前、大ヒットドラマ「踊る大捜査線」の脚本家である君塚良一さんの本を作ったことがあるのですが、君塚さんによるとドラマで織田裕二さんが演じる主人公の名前が青島なのは、フジテレビのプロデューサーが「東京だったらやっぱり(当時の知事の)青島だろ」の一言で決まったのだとか。こういういい意味での大雑把さを、からまるも学びたいです。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

ついさっき、同じ編集部の編集者のところにお客様が見えたのですが、なんとその方はこのあいだ出たばかりのiPadユーザーだったのです。からまるも見せてもらいました。

おお!カラーがキレイですね。持ってみると、重量は1キロないそうですが、わりとズシリと来ます。キーボードやメモのデザインはiPhoneとまったく同じで、これならMACがちんぷんかんぷんのからまるでも使えそうです。Wi-Fiでインターネットにすんなりつながり、ユーチューブで動画を見るのも、画面が大きいから快適で、まるで小型のテレビを見ているようです。

で、問題の電子書籍の閲覧ですが、デフォルトで入っている童話の本、絵が美しく、ページをめくるのが楽しい感じになっています。なるほどねー。

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

ちょうど半日前、グーグルアラートに引っかかってきたロイターのウェブ版に「米アップルiPadの初日ダウンロードは25万冊強、価格面で出版社に優位性も」という記事がありました。25万冊が多いのか意外と少ないのか判断しようがありませんが、このことよりも見出し後段部分の、記事中の次のところが気になります。

 

「電子書籍市場をめぐっては、出版社と端末メーカーが双方に利益の出るビジネスモデルを模索していることもあり、競争の激化は消費者にとっては、むしろ値上げをもたらす可能性がある。

アマゾンは1月、キンドル向け電子書籍の値上げを求めた出版社マクミランの書籍の取り扱いを一時的に中止。ほかの出版社も同様の動きで追随し、アップルはそれをビジネスチャンスとして利用した。

アイブックストア経由での電子書籍販売は、ベストセラーなら1冊14.99ドル以上にも設定できるなど、1冊9.99ドルが標準価格のキンドルに比べると柔軟性を持たせている。

出版業界からはこれまで、電子書籍市場で圧倒的優位に立つアマゾンのキンドルが、ベストセラーを1冊9.99ドルで販売することに不満の声が上がっていた。

アマゾンもこうした出版業界からの声を受け、キンドルでの販売価格を柔軟にする対応を見せ始めている。また、大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルは今週に入り、電子書籍の販売価格を9.99─16.99ドルの価格帯に変更する方針を明らかにした。」

 

なんだ、出版社の価格決定権は完全に奪われたわけではないんだ。そう思いましたが、合ってますよね?

だとしたら、このことは、電子書籍ブームを見越して専業のベンチャーを起業するなどの動きにとっては、既成のヒエラルキーを破壊するまでにはいかないような気がします。

とはいえ、日本で4月末発売予定のiPadには電子書籍機能が付かないそうなので、まだ「黒船」来航がどんな現実を生むのかわからないわけですが、でも最近のこうした電子書籍のニュースを追っていくと、うっすらと「黒船」がどんな大砲を持っているかくらいは見えてきたように思います

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

先日ちょっと予告しました苫米地英人さんの『夢が勝手にかなう手帳』のiPhoneアプリ版の開発に着手することになりました! 名付けて「夢が勝手になかうカレンダー」。いやー楽しそうです。

本日夕方に苫米地さんと打ち合わせをして、いろいろなアイデアをもらいました。苫米地さんのアイデア出しのスピードの速さは、みなさんに体験していただきたいくらい見事なものです。たとえば、苫米地さんは自分でスケジューラーをプログラミングして、世界唯一のスケジュール管理ソフトで秘書さんたちとスケジュールを共有・統合しているのですが(今日はじめて知りました)、「夢が勝手にかなうカレンダー」も同様のスケジューラー機能を加えようということになったり。からまるが作ったシロウト丸出しの遷移図がどんどんアイデアでふくらんでいきました。

それにしても、最近はみなさん寄るとさわるとiPhoneアプリの話になりますね。まるでゴールドラッシュに湧いているようです。たまたま苫米地さんと待ち合わせていたカフェの隣の席には業界人とおぼしき二人がいて、こんな会話をしていました。

 

「これからはアップルのストアで直接、書籍が売れるわけだよ。iPadはフルカラーで大きいじゃない。だから写真集なんかどうか思って」

「ははあ、そうですね」

「今まで写真集なんてコストがかかっても売れなくて出版社ができなかったけど、直接売れるんなら、もう一回脚光を浴びるんじゃない?」

 

......といった具合に新しいチャンスをとらえて皆が浮き足立っているのが面白いです。「夢が勝手にかなうカレンダー」も負けずに浮き足立って頑張りますよ!

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

先週金曜日、与謝野馨さんが自民党を出て新党結成に動くとのニュースが流れましたね。その後実際に離党届を出しました。月刊誌「文藝春秋」であれだけ激しい自民党執行部批判をしたので、まさに有言実行ですから、「オトコ与謝野」という感じは好印象なのですが、でも「お仲間」の集まり方に違和感を抱きます。

与謝野さんは今の政界で際だって持っている政策観が明確な政治家で、政策の旗を立てて(それに賛成か反対かは別として)新党結成できる象徴的な存在だったと思うのです。その政策を中心に若い政治家が続々と集まってくるなら、それはひじょうに大きなインパクトがあったでしょうが、どうして平沼さんなのでしょう(ー'`ー;)

がっかりです。せっかくのキャラなのにもったいない。渡辺喜美みんなの党代表に「新党たそがれ」と巧みにネーミングされてしまいました。

そんなことが気になっているのは、今の政治の不気味さをすっきり見通せる本の編集を進めているからなのです。その原稿でからまるが思わず膝を打ったのは、マニフェストという政策公約で選挙を戦って政権交代したはずの鳩山民主党が、いざ政権についてみると、すっかり政局で動くようになっている、という指摘なのです。マスメディアも小沢幹事長vs反小沢の政局記事を大量にばらまき、その当事者である政治家たちが政局に目を奪われているスキに、実権をにぎる勢力はしっかりと政権中枢に陣地を取っているようなのです。

どんな勢力なのか? 狙いは何? 思わず、マスメディアはそっちのことをもっと教えてよ!と叫びたくなります。どんな本になるか、追々お知らせしますね!

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

びっくりするくらい原稿集中でうれしい悲鳴上げています......んで、今日は一回お休み!<(_ _)>

また来週!

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

今日から新年度ですね。天気もまずまずだし、株価は第一生命保険の大型上場をこなして上がったし、なかなか明るい新年度スタートではないでしょうか。

明るいといえば先日、苫米地英人さん考案の『夢が勝手にかなう手帳』をご購入くださった読者の方から、すごく明るくて勢いがいい声の電話がかかってきました。

「苫米地さんの手帳を新年から毎日つけていて、ついに本当の夢が見つかったんですよ! やりました!」

念のために言っておきますと、これ、作り話ではないですよ。本当にかかってきた電話の中身です。

ほかにも、毎日これをつけて遊んでいるという人が周囲にいるんです。この手帳を出してよかったな、と思います。

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