こんにちは。講談社BIZのからまるです。
ちょうど半日前、グーグルアラートに引っかかってきたロイターのウェブ版に「米アップルiPadの初日ダウンロードは25万冊強、価格面で出版社に優位性も」という記事がありました。25万冊が多いのか意外と少ないのか判断しようがありませんが、このことよりも見出し後段部分の、記事中の次のところが気になります。
「電子書籍市場をめぐっては、出版社と端末メーカーが双方に利益の出るビジネスモデルを模索していることもあり、競争の激化は消費者にとっては、むしろ値上げをもたらす可能性がある。
アマゾンは1月、キンドル向け電子書籍の値上げを求めた出版社マクミランの書籍の取り扱いを一時的に中止。ほかの出版社も同様の動きで追随し、アップルはそれをビジネスチャンスとして利用した。
アイブックストア経由での電子書籍販売は、ベストセラーなら1冊14.99ドル以上にも設定できるなど、1冊9.99ドルが標準価格のキンドルに比べると柔軟性を持たせている。
出版業界からはこれまで、電子書籍市場で圧倒的優位に立つアマゾンのキンドルが、ベストセラーを1冊9.99ドルで販売することに不満の声が上がっていた。
アマゾンもこうした出版業界からの声を受け、キンドルでの販売価格を柔軟にする対応を見せ始めている。また、大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルは今週に入り、電子書籍の販売価格を9.99─16.99ドルの価格帯に変更する方針を明らかにした。」
なんだ、出版社の価格決定権は完全に奪われたわけではないんだ。そう思いましたが、合ってますよね?
だとしたら、このことは、電子書籍ブームを見越して専業のベンチャーを起業するなどの動きにとっては、既成のヒエラルキーを破壊するまでにはいかないような気がします。
とはいえ、日本で4月末発売予定のiPadには電子書籍機能が付かないそうなので、まだ「黒船」来航がどんな現実を生むのかわからないわけですが、でも最近のこうした電子書籍のニュースを追っていくと、うっすらと「黒船」がどんな大砲を持っているかくらいは見えてきたように思います。