小川仁志さん『ヘーゲルを総理大臣に!』はこんなふうに始まった。

|

こんにちは。講談社BIZのからまるです。

先週金曜日にタイトルだけご紹介した本、『ヘーゲルを総理大臣に!』を書いたのは、哲学者で徳山高専准教授の小川仁志さんです。この方は本当に数奇な人生を歩んでおられるのです。

京都大学法学部を卒業して大手総合商社に就職するところまでは、絵に描いたようにエリート人生まっしぐらなのですが、仕事で訪れた中国で人生観が変わってしまいます。会社を辞め、フリーター生活を送る20代後半でヘーゲルに出会い、どん底生活から這い上がって大学院で哲学を学び直します。名古屋市役所に勤めながら名古屋市立大学大学院で哲学の博士号を取得したあと、徳山高専で現在の職につきます(こうした経緯は、2008年11月に刊行された小川さんの第一作『転身力――市役所の小川さん、哲学者になる』(海竜社)にくわしい)。今年の5月に出した第三作『人生が変わる哲学の教室』(中経出版)は順調に重版がかかっているそうです。

小川さんと『ヘーゲルを総理大臣に!』というタイトルで本を書く打ち合わせをしたのは今年のはじめで、その頃からまるはマイケル・サンデル教授のことも「ハーバード白熱教室」のことも知りませんでした。はじめて「ハーバード白熱教室」を見たときに、その感想を執筆中の小川さんに話したくらいですから、やはり意識はしているのですが、でもこういう企画にしたいちばん大きな動機は、先週金曜日の繰り返しになりますが、現実政治に対する、からまるなりの宣戦布告なのです。

小泉政権の頃は自由主義経済を進めるという、曲がりなりにも政治の軸がありました。今はどうなのでしょうか。大きな政府対小さな政府でもないし、規制緩和対保護主義でもない。短期的な世論調査の支持率ばかり気にして、不人気な政策でも国民を辛抱強く説得してやり通すという、男気と気骨のある総理大臣がいなくなってしまったように見えます。

 

政治に哲学がない!

 

だったら哲学者を総理大臣にしよう!

 

こんな単純な怒りが、『ヘーゲルを総理大臣に!』となったのです。

このブログ記事について

このページは、karamaruが2010年8月30日 19:54に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「現実の政治と「ハーバード白熱教室インジャパン」との間の耐えられない乖離。」です。

次のブログ記事は「『ヘーゲルを総理大臣に!』の書き出しと目次はこんな感じ!」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 6.2.4