こんにちは、からまるです。
昨日行われた都知事選の結果はご存じのとおり。石原慎太郎都知事が4期目を務めることになりました。投票終了直後にNHKは当選確実を出し、間もなく選対本部長の佐々淳行さんがテレビ出演して勝因について語っていました。
その佐々さんの話の中に不勉強なからまるは大変耳慣れない言葉を聞き取りました。「せいしんさっこうが必要だ」とおっしゃったのです。
せいしんさっこう? 「せいしん」は「精神」として、「さっこう」とは?
無知なからまるの問いに物知りさんがすぐに教えてくれました。
「それは精神作興のこと。今の世代でそんなこと言う人はいないよね」
ざっとネット検索しますと、「百科事典マイペディア」の解説によれば、「1923年11月10日に発布された〈国民精神作興ニ関スル詔書〉の略称。第1次大戦後の個人主義や民主主義の風潮、社会主義の台頭に対処し、関東大震災後の社会的混乱鎮静のため出された」。
「国民精神作興(さっこう)ニ関スル詔書は、関東大震災直後の一九二三年(大正十二年)十一月十日、国民精神の強化振興から出された詔書(しょうしょ=大日本帝国憲法下で、天皇の命令を伝える公文書)です。一九一八年の米騒動をきっかけとして大衆運動が組織化と高揚の時期を迎え、吉野作造の民本主義や社会主義などの思想と運動が国民の一定の層に拡大する中で、同年九月一日、関東大震災が突発しました。大震災後の混乱のなかでこうした事態に危機感を強めた天皇が出しました。この詔書は、「国家興隆ノ本ハ国民精神ノ剛健ニ在リ」とし、「浮華放縦(ふかほうしょう=うわべばかりはなやかで、内容のない、勝手気ままに振る舞うさま)ノ習」、「軽佻詭激(けいちょうきげき=よく考えず、軽はずみに度を失って激しい言行がをおこなうこと)ノ風」を排し、「質実剛健(しつじつごうけん=飾りけがなくまじめで、たくましく、しっかりしていること)」、「醇厚(じゅんこう=人情の厚いこと)中正」の精神の確立と「忠孝義勇(ちゅうこうぎゆう=主君への忠義と、親への孝行、そして正義を守ろうという気持ちから発する勇気)ノ美」を国民に要求しました」。
大震災後1、2ヵ月後というタイミングといい、昨晩のインタビューでも繰り返していた石原知事の持論「我欲を慎め」といい、妙に相似形です。
これは引き続き「国民精神作興運動」として制度化し、このブログによると政府は1938(昭和13)年4月に国家総動員法を公布、7月にオリンピック東京大会返上を閣議決定し、11月に「国民精神作興体育大会」なるものを関西では甲子園で開催したのだそうです。いやはや。