こんにちは、からまるです。
昨日のエントリの続きです。鳩山邦夫総務相が日本郵政批判を強め、かんぽの宿譲渡について「不当に価格が低い」と記者会見や国会で社長の西川善文さんを攻撃した後、第二弾の火種にしたのが、東京中央郵便局の再整備問題でした。
当時、この建物を壊して建て替えるに当たり、最低限、文化庁の重要文化財指定を受けるために、正面玄関など一部を残すべきだという議論がありました。一方で、文化庁の言い分通りの工事をすると、多額の費用がかかることも判明しました。効率的で収益性の高い事業をするのが郵政民営化の本旨だったのに、その費用を誰が負担するのか。
そのとき鳩山大臣が国会で放ったレトリックが、
「重要文化財であるものを重要文化財でなくするというのは、朱鷺を焼き鳥にして食っちゃうような話でしょう」
これは言われた西川さんから見ても感心するほど絶妙の言い回しだったそうです。たしかに記憶に残っていますよね。
この発言を引き出したのは、いま名古屋市長となっている民主党の河村たかし衆議院議員でした。そのときのやりとりを、10月13日刊行の『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』から引用します。
――「(文化庁が重要文化財となりうると言っている建物を壊すような)、こんなことをやっておいていいんですか、日本国は」と鳩山大臣を煽ると、鳩山大臣も呼吸を合わせるかのように「重要文化財であるものを重要文化財でなくするというのは、朱鷺を焼き鳥にして食っちゃうような話でしょう」「重要文化財級のものだと申し上げたから、それは貴重なものだ、それを害することがないようにしなくちゃならぬと御答弁申し上げているわけです」と再整備計画を見直す方向性を示した。それを受けてさらに河村議員は、「立派です、これは。だから、大臣、ぜひこれは悲しいことは止めてくださいよ、東京の玄関ですよ」と持ち上げる。茶番である。――(第七章「切りの郵政民営化」より)
ではどうすればいいというのでしょう。まさに茶番です。。