不正を暴く勇気、秘密を託されたジャーナリストの責任感。山口義正さん『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』。

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こんにちは、からまるです。

いよいよ29日木曜日に緊急発売する山口義正さんの『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』。ご存じの方が多いように、オリンパスに不透明な買収案件があったことは、月刊誌の「FACTA」2011年8月号がスクープ報道しました。からまるは創刊号から「FACTA」の購読会員ですので、へえあの会社がねーと思った意外性に、からまるにとってはひじょうに印象深い木村剛さんの日本振興銀行事件も最初にこの雑誌が報じたという記憶が重なって、「FACTA」がまた何かつかんだのだなと思ったものです。

その後、講談社の「現代ビジネス」で、山口義正さんという経済ジャーナリストがオリンパスの買収のカラクリを、入手したとされる取締役会の内部文書をスキャンして掲載しながら追及した記事を読みました。たぶんこれは「FACTA」の記事を書いた人が実名公表して書いたのだなと思ったのですが、後日、その「現代ビジネス」から山口さんの紹介を受けたのです。

からまるが初めて編集部の会議室で山口さんにお目にかかったのは、仕事納めも間近な2011年12月27日のことでした。「FACTA」と「現代ビジネス」で書いた原稿をベースに本を書くという話は瞬く間に決まりました。さて問題は時間です。12月27日の6日前の21日には東京地検特捜部、警視庁捜査二課、証券取引等監視委員会の合同家宅捜査が行われました。まだこのときはマイケル・ウッドフォード前社長が次の株主総会で委任状闘争を行うと表明したままでした。つまり、27日段階ではオリンパス事件がどう進展するのか、まだ事態がよくわからなかったのです。どこまで事件を追いかけ、いつ書けて、いつ出せるのか。とりあえずその場で決まったのは、1ヵ月後の1月末までに原稿を書き上げようということでした。

からまるは、山口さんが打ち合わせで話した内部告発の様子にもたいへん興味を抱きました。オリンパスに限らず大企業はどこも社員による秘密漏洩に対して何重ものロックをかけています。たとえそれが社内の不正を暴くのが目的であったとしても、いやだからこそ厳重なはずです。不正を暴く資料を外部のジャーナリストに託す勇気、その反動としての緊張感。秘密の重大性が大きければ大きいほど緊張感は高まります。それでも正しいことをしようとする勇気と秘密資料を託されたジャーナリストの責任感が、この本の隠れテーマになるんだろう。まるで良質の社会派サスペンス映画さながらのエンターテイメント性(こう書くと、とくに逮捕された関係者には失礼かもしれませんが)を感じたのです。

けれどもそう簡単にものごとが進むはずはなく、さすがに原稿執筆は1月末締め切りでは無理で、完成したのは2月下旬になりました。少し調整した後、印刷所に入稿したのは3月1日。さあ他社との競争がスタートです――。

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このページは、karamaruが2012年3月26日 16:47に書いたブログ記事です。

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