「中小企業など一〇〇万社潰れても、われわれ検察には関係ない!」

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こんにちは、からまるです。

今日も昨日のエントリの続きです。コンサルタントの佐藤さんと経営者の朝倉さんを取り調べて、特捜検事が調書に取ろうとしたことは、佐藤さんが朝倉さんを騙して報酬を得たことです。したがって、朝倉さんが自分で粉飾することを判断したといくら主張しても「どこまで逆らうつもりだ!」と担当検事が激怒するという奇妙なことになったのです。

「そこは私の判断だったって言ってるじゃないですか」
「違うだろ。そこは佐藤が考えたんだろ。かばってどうするんだよ」
「かばうも何も、私は真実しか喋りませんよ」

たしかに朝倉さんは佐藤さんをかばう必要などありません。むしろ、検察のストーリーの乗っかって佐藤さんに騙されたと供述してしまえば、あっさり無罪放免になったかもしれません。しかし朝倉さんは、佐藤さんを売るようなことはできませんでした。

一方、佐藤さんは担当検事に、いまの銀行は中小企業が融資を申請する場合、決算書が黒字であることを要求するために、この段階で銀行融資が入れば立ち直るケースであってもそれができずにやむなく倒産することが多いと説明し、朝倉さんの会社もそうだったと訴えます。しかし検察は、粉飾そのものが悪だと譲りません。佐藤さんが悪徳コンサルタントとして朝倉さん他、何人もの社長から金銭を騙し取ったという事件の構図にしないと、たんなる中小企業社長の粉飾決算事件では天下の地検特捜部が事件にする意味がない。検察のそういう意図も見えてきます。

二人を逮捕した後、検察はさまざまなテクニックを駆使して、結局は無能で愚かな経営者が利益のことしか頭にない悪徳コンサルタントに指図されて、銀行を騙す意図で粉飾決算を行ったという調書を取ることに成功します。

粉飾は本当に悪なのか? 『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』の著者・石塚健司さんは本書でそう問いかけます。別の被疑者を聴取した検察官は「中小企業など一〇〇万社潰れても、われわれ検察には関係ない!」と言い放ったそうです。この言葉に検察の中小企業を見る目が表れているのではないでしょうか。

このブログ記事について

このページは、karamaruが2012年8月23日 17:03に書いたブログ記事です。

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