karamaru: 2012年9月アーカイブ

こんにちは、からまるです。

石塚健司さんの
『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』が深層を描き出した詐欺事件で、コンサルタントの佐藤真言さんの控訴審判決が今日の午後、東京高裁第410号法廷でありました。石塚さんといっしょに傍聴してきました。

量刑不当を訴えて執行猶予を狙った裁判だったのですが、判決は事前の予想通り、控訴棄却でした。一審判決の内容をことごとく認めるだけの、なんとも無難な判決だったと思います。佐藤さんは最高裁に上告する方針のようです。

傍聴席には江川紹子さんの姿もありました。石塚さんの本を読んでいただいたことは先日のエントリでお伝えした通りで、廊下で名刺交換しての立ち話で、石塚さんとこれからもこの裁判を見守ろうと話しておられました。

まあしかし、控訴審ってこんなもの、と言われればそうかもしれませんが、一審判決の内容にぜんぜん踏み込まないで判断されたのでは、被告側にとっては控訴した甲斐というものがありませんね。

     *     *

明日明後日はちょっと出張がありまして、日記はお休みします。また来週に!
こんにちは、からまるです。

今日また、新たな企画ができました。これも面白くなりそうですよ!

なんといっても、夢がある。夢があるから、知りたくなる。知ったら、すぐにやりたくなる。実行したら、成功すると思わせる。

こういうの、いいですよね。なんて、情報が少なすぎて何が何だかさっぱりわからないと思います。本になるのはずっと先になりますが、ヒントは「スズキカップ」。サッカーの東南アジア選手権で、スズキが冠スポンサーになったため「スズキカップ」という名称がついています。

じつはからまるは、2008年の年末にベトナムのホーチミンを旅行したのです。そのとき、街のそこここでステッカーが張られるなど盛り上がっている様子を見て、まったく偶然、知ったのが、このスズキカップです。幸運なことに、たまたま滞在中に決勝戦(のホームの試合)が開催されるということで、ガイドの人に無理矢理チケットを買ってもらって、ホーチミンから車で20分くらいのスタジアムで観戦しました。カードは地元ベトナム対宿敵タイということで、5万人くらいいましたでしょうか、満員で異様な盛り上がりでしたね。この試合でベトナムの優勝が決まり、ホーチミンの街は一晩中、ものすごい台数のバイクのクラクションで騒然としていました。

最近は2年ごとの開催になっていて、今年の11月下旬から12月下旬にかけてトーナメントが行われるようです。グループリーグの会場はバンコクとクアラルンプール、また準決勝と決勝はホーム&アウェイで行われるようですね。お国柄を知る上でも、時間があったら行ってみたいものです。
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業低解像度.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像作家の高杉良さんが、石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』の書評を書いてくださいました! 昨日の産経新聞読書面です。もう本当にありがとうございます<(_ _)>


「本書は、本物の検察庁が我が国の経済を根こそぎ破壊している真実を知らしめる迫真のドキュメンタリーである」


と、この本のことを紹介していただきました。その通りなのです。警察や国税ならともかく、検察が大上段に振りかざした拳の前に中小企業などひとたまりもありません。出る幕ではなかった事件に出てきて、まったくの見込み違いなのに撤退しない。その犠牲者がコツコツがんばってきた中小企業の経営者やそれを支える生真面目なコンサルタントでは、たまったものではありません。


「必死にもがきながら築き上げてきたささやかな生活基盤を権力によって瞬く間に喪失させられてしまう」


とも高杉さんは書いてくださっています。日本経済を支える中小企業がこんな目に遭わされるようでは、いったい誰が経営努力をしようとするでしょうか。
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業八重洲.JPG
石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』について面白いイベントを企画中です。

ヒントは東京駅前の八重洲ブックセンターさん。どうですか、この減りっぷり。ここは1階レジ前の特等エリアで、まわりには芥川賞受賞作、先日シリアで亡くなられた山本美香さんの『世の中への扉 戦争を取材する』(講談社)、ノンフィクション作品としては異例の(?)売れ行きを誇る『さいごの色街 飛田』といった話題作がひしめいているにもかかわらず。いやーいい眺めだ。

来週中には発表できますので、お楽しみに!
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業低解像度.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像
7日に刊行した石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』を、あの江川紹子さんが読んでいただいたようで、一昨日のツイッターで紹介してくださいました! 曰く、


「『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏みつぶした日』by石塚健司(講談社)を読了。丁寧な取材で、特捜検察の今を明らかにした作品。特捜検察のための"正義"が優先され、見立てと違っても引き返そうとせず、検察の都合による恣意的な証拠作りは、全く変わっていない...。

この本は、大阪地検特捜部の不祥事を契機とする"改革"によって特捜検察はどうなったのか気になっている方にはお勧め。取り調べの録音録画、上級庁の監督など、「検察改革」の穴についても、具体的に指摘している。やはり、任意の段階で、少なくとも被疑者・参考人による"自己可視化"が絶対必要。

それにしても、検察官の感覚は恐ろしい。多くの中小企業が粉飾決算をせざるをえない状況は、政治の問題。それを、まるで交通違反者を取り締まる感覚で、捜索や逮捕といった権限行使をし、企業が次々に潰れ大勢の人が路頭に迷っても「仕方がない」「我々には関係ない」と。これが検察の「正義」か...。


本当にどうもありがとうございます<(_ _)>

本書について、「粉飾は詐欺なのだから、検察はその立法趣旨に従うまでで、検察が恣意的に捜査しないほうが問題ではないか」といった意見が出ています。そういう考え方があるのは当然だと思いますし、著者の石塚さんも粉飾は犯罪ではないと書いているわけではありません。問題なのは、この詐欺事件に国税当局でもなく警察でもなく地検特捜部がかかわったこと、江川さんが指摘されているように、その「見立てと違っても引き返そうとしない」かれらの組織の論理にあるのだと思います。
こんにちは、からまるです。

石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』実名で登場していただいているコンサルタントの佐藤真言さんのご友人で、ロックバンド「the JUMPS」のボーカルでもあるという異色弁護士の島昭宏さんが、ブログでこの本を紹介してくれました。

「この本は、ドキュメンタリーではあるんだけど、そんじょそこらの小説にはとても太刀打ちできないドラマ性と怒り、感動がある」

と評価してくださいました。どうもありがとうございます<(_ _)>

そのブログにも書いてありますように、佐藤さんの控訴審判決が9月26日の15時から東京高裁で予定されています。この本が裁判官の心証にどんな変化を与えられているのか、しっかり見ないといけないだろうなと思っています。

     *     *

明日は終日、ドタバタですので日記はお休み。また明後日!
こんにちは、からまるです。

グローバル紀伊国屋大手町.JPG
6月に刊行して以来、着実に読者獲得をしている倉本由香利さんの『グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる』。都心の書店さんではだいぶ置かれる位置が決まってきたようです。

類書と並べて「グローバル時代」のコーナーをつくってもらっている書店さんもあるんですね。最近は、国内景気がこんな低調になっていることもあり、海外で働くことを具体的な選択肢に入れる方が多いのかもしれません。AKB48だって海外展開しているくらいですし。

写真は紀伊國屋書店大手町店さんの様子ですが、ここの平積みの位置付けは、うーん、ちょっと微妙かな。
こんにちは、からまるです。

共にありて.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像
気付くのが遅なったため、本日のご紹介となりましたが、千葉望さんの『共に在りて 陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日』の表紙に写真を使わせていただいた写真家の畠山直哉さんが、11月25日まで開催中の第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館の出展者の一人として最高賞・金獅子賞を受賞しました。陸前高田市に建設された「みんなの家」についての展示が評価されたそうです。8月29日のことでした。

素晴らしいニュースだと思います。受賞概要は下記の通り。

日本館テーマ:「ここに、建築は、可能か」。
コミッショナー:伊東豊雄
出展:乾久美子(建築家)、藤本壮介(建築家)、平田晃久(建築家)、畠山直哉(写真家)
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業紀伊国屋大手町.JPG
石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』が東京都内の書店さんにばっちり並んでいます。本当にありがたいことです。

写真は紀伊国屋書店大手町店さんの様子です。けっこう目立ってなくなっているじゃないですか。隣にあるのは、この本を絶賛していただいている郷原信郎さんの新刊『検察崩壊 失われた正義』(毎日新聞社刊)です。なんとなく、『四〇〇万企業が哭いている』のほうが減っている感じがしますね<(_ _)>

写真はアップしきれませんが、紀伊国屋書店新宿本店さんは激戦区の1階新刊話題書コーナーに平積みしていただきましたし、丸善日本橋店さんはノンフィクションの話題書として壁に面陳してくれています。どうもありがとうございます<(_ _)>

これからも盛り上げていきますよ! まずは14日金曜日の日本経済新聞の宣伝にご注目を。右トップに87ミリという、部数からすると破格の扱いで、それはたんに他に大部数の新刊がなかったための僥倖のようですが、かなり目立つと思います。郷原信郎さんと電話でお話しした折りに、郷原さんのブログにあったフレーズをお借りすることになり、宣伝の校了間際に急遽、突っ込むことができました。
こんにちは、からまるです。

昨日のエントリでも書いたように、元検事の郷原信郎弁護士が石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』を絶賛していただき、今日アップされたブログ「郷原信郎が斬る」でも、『「正義を失った検察」の脅威にさらされる「400万中小企業」』と題して、わかりやすい内容紹介を含む大変丁寧な書評をしていただきました。「検察捜査が普通の市民に牙を剥くことの恐ろしさを描く迫真のノンフィクション」と大絶賛! 本当にどうもありがとうございます<(_ _)>

全文を引用したいくらいですが、それは上記のリンク先でご覧いただくとして、からまるが胸を衝かれた部分を抜き書きしますと、


「粉飾決算書の提出が詐欺罪の欺罔行為に当たるのか、証券市場への企業内容の公正開示を求められる上場企業と、非公開の中小企業とでは、粉飾決算の意味合いが違うのではないか、日本の中小企業の多くが粉飾決算を行っている実情はどう考えるのか、など法律上の論点はいろいろある。

しかし、そういう理屈の問題は別として、まず、この石塚氏の著書を読み、そこで淡々と客観的に描かれている事実を基に、常識で考えてもらいたい。日々の仕事に、自らの使命に忠実に、懸命に生きている普通の市民の二人がやっていたことが、犯罪として処罰され、刑務所に入れられなければならないようなことなのだろうか。彼らを「悪人」に仕立て上げ、踏み潰していく東京地検特捜部のやり方こそ、まさに「悪魔の所業」そのものではないか。

借金なしでやっていける中小企業など殆どない。その借入に関して、「粉飾決算で騙して銀行から金を借りたから詐欺だ」という理由で一度強制捜査が行われれば、中小企業はただちに破産する。残された借金が「詐欺の被害」になる。石塚氏の著書のタイトルにもなっているように、検察がその気になれば、「400万中小企業」のどれを踏み潰すことも不可能ではないということだ」


最後に「石塚氏の渾身のドキュメントは、そうした「検察崩壊」の現状が、社会全体にとっていかに危険なものなのかを、まざまざと見せつけてくれている」と結んでおられます。
こんにちは、からまるです。

あの郷原信郎さんが、石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』を読んでくださったそうで、昨日、ツイッターで呟いてくれました! ご自身の最新刊『検察崩壊 失われた正義』(毎日新聞社)と併せて必読とおっしゃっていただいています。以下、引用しますね。


「石塚健司「四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日」も必読。「検察崩壊 失われた正義」と併せて読むことで、検察の危険な現状が具体的に理解できる。

昨年、「検察改革」の最中、東京地検特捜部が手掛けた事件は悪徳コンサル主導の巨額の融資詐欺を想定して捜査に着手したが全くの見込み違いだった。しかし、引き返そうともせず強引に強制捜査に突入。会社は倒産、従業員、取引先も露頭に迷う。不況の最中、懸命に事業に取り組む中小企業経営者と親身に支えるコンサルタントを特捜が踏み潰していく。

陸山会事件で自らが犯した大犯罪を「詭弁」「ごまかし」で不問にし、検察への信頼は崩壊。しかし、そのことが自分達に一体どういう関係があるのか、刑事事件、捜査というのは所詮遠い世界のことで自分には関係ない、と思われている方も多いと思う。

検察崩壊がなぜ社会にとって危ないのか。今回の石塚氏の本は、信頼が崩壊した検察、特捜が、捜査、起訴権限という武器を与えられていることの底知れない恐ろしさが、そして、それが決して他人事ではないことが、リアルに実感できるはず」


まさに。特捜部といえば政治家や大企業の社長を相手にしているので、無関係に思っている方が大半だと思うのです。しかし、『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』がまざまざと描き出したのは、誰でも普通に行っている経済活動に突然、捜査・起訴権限という絶大な権力を握る検察が、踏み潰しにやってくることなのです。しかも彼らは、見込み違いの捜査だったら引き返すという選択肢を持たない。その検察のメンツのために、営々と築き上げてきた財産や信頼、人間関係という二度と取り戻せない大切なものを、一瞬にして、すべて失ってしまうとしたら、そんな理不尽なことはありません。

郷原さん、ご指摘どうもありがとうございました<(_ _)>
四〇〇万企業低解像度.jpgのサムネール画像のサムネール画像こんにちは、からまるです。

先週からご紹介してきました産経新聞記者、石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』は本日発売です!

すでに書店で動いている模様。9月14日の日本経済新聞には右トップに87ミリ幅の宣伝を出します。新刊点数が少なかったのか、部数の割には大きな扱いでラッキーヽ(^。^)丿

石塚さんが、からまるの無理な注文を聞いて原稿の減量に努めていただいたおかげて、ハードカバーで本文用紙はちょっとお高目の目にやさしい紙を使用、しかも280ページあるにもかかわらず税別1500円に抑えることができました。1ページあたりの本文量はけっこう多いほうですが、読みやすくなるように、柔らかい感じの文字選びや空白の空け方をしたつもりです。

こうして商品設計も工夫しましたので、この日記をご覧の書店の皆々様、いらっしゃいましたら、ひとつよろしくお願いいたします<(_ _)>
こんにちは、からまるです。

先輩を先輩とも思わぬ言動がますます暴走している口悪後輩が、からまるが政治オタクと知って論争をしかけてくるのですから、びっくりです。

「民主党代表選とか、自民党総裁選とか、先輩やテレビはうれしそうにしゃべるけど、世の中的にはぜんぜん盛り上がってないすよ」

串揚げはうずらの卵がいちばんという子ども趣味で、今晩もうずらの卵串揚げをむしゃむしゃ食べてビールで流し込みつつ言います。

「......まあたしかに、今日販売部の人が来て、政治家の本を売るのはむずかしいと嘆いてたな。昔は安倍晋三総理の本ですら二〇万部くらい売れたのに」

「だって政治家の本を読むメリットって今、あるんすか。読んで何かいいことあるんすか? 政治家というものを信頼してないんだから、書いてあることも信頼できないじゃないすか。だいたい衆議院で480人もいるんすか。ハシシタさんは半分でいいと言ってて、そのとおりだと思いますよ」

「まあハシモトさんだけどね。でももし240人にしたら、衆議院議員が一人もいない県とか出るんじゃない? 一票の格差があっちゃいけないわけだから」

「そんな常識的な眠たいこと言ってるから先輩の企画は売れないんすよ。政治家なんて一人もいなくても何とかなるっす。いまの若い子たちは、若い政治家より、はるかに能力あるっすよ」

むか。

しかしこういう暴論が生まれる土壌もあるような気がしますね。議員定数や公務員制度改革など、政治や行政の制度を変えることを政治家の皆さんは自らの延命のために避けるようですが、その代わり、信頼を失うことでかえって延命をむずかしくしているというパラドックスに気付いたほうがいいと思います。

まあしかし口先と先輩にビールをおごらせることだけ達者で新聞も読まない口悪後輩には政治家の方々も言われたくないでしょう。また、政治家の本だって、もっともっと読まれる内容のものを作ることはじゅうぶん可能だと思っていますけどね。
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業低解像度.jpgのサムネール画像
石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』がいよいよ明後日発売なのですが、ここでとっておきの秘話を公開します。

このタイトルには名付け親がいまして、それが作家の高杉良さんなのです。

高杉さんは以前から石塚さんと親しくしていただいていて、講談社文庫版『特捜崩壊』に解説を書いてくださってもいるのですが、今度の本はいち早く原稿を読んでいただき、これは面白いと太鼓判を押してもらっただけでなく、こういうタイトルはどうかと勧められたのです。

石塚さんからこの話を聞いて、私は一も二もなく賛同しました。なるほどなあ。

最初の案は『検察が会社を踏み潰した日』だったのです。しかし、これだと「会社」という文字が入っているとはいえ、主人公は検察になっていて、本当は誰の立場に寄り添って書かれたかが明確ではありませんでした。それに、これは普通は考えつかないようなタイトルだと思います。「哭いている」は「泣いている」ではダメだと指摘していただいたのも高杉さんです。

本当にどうもありがとうございます<(_ _)>
こんにちは、からまるです。

四〇〇万企業低解像度.jpgのサムネール画像
講談社ホームページに石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』の内容紹介ページがアップされました。ここに特別版として、経済部記者と社会部記者つまり著者の架空対談を掲載しています。こういうプロモーションはからまる的には初の試みなんです。

もちろん筆者は石塚さん。名付けて「架空対談・粉飾決算はなぜはびこる?――経済部記者vs.社会部記者」。じつはこれの元の原稿は、本書の巻末付録として考えられていたものなのですが、なるべく本の価格を抑えようと本文ページを削る作業をする中で落としたものなのです。本当はもっと長かったのですが、ホームページには字数制限があるので、短くなってしまいました。

リンク先から是非ご覧いただきたいのですが、さわりの部分をご紹介しますね。


社「検事の多くは君が驚くほど世間知らずな人たちなんだ。粉飾決算はすべて悪だと大真面目に信じて捜査に乗り出したきらいがある」

経「もっと勉強しろと言いたいね」

社「不勉強というより、無思慮すぎる。会社を一つ倒産させるということは、連鎖倒産、失業、自殺......、さまざまな悲劇を引き起こしかねないのに」

経「粉飾決算をしている中小企業を切除することに社会的な要請があるとは思えないね。お金を貸していた銀行にとってもいい迷惑だろう、捜査によって融資先が破綻して、回収の可能性を潰されるんだからね。粉飾する中小企業をどうやって減らすかを考えるのは金融行政の仕事だよ。特捜検事はお呼びじゃない」


まったくですね。

さて、昨晩は中野の日本料理屋さんで、石塚さんと、本の登場人物である佐藤真言さんの三人で見本出来をお祝いしました。読者に中小企業の経営者の方々を想定したために、最初に書いたように本の価格を抑えるべく、石塚さんには原稿の大幅減量をお願いすることになってしまいました。初校ゲラでは320ページを超えていたのを何とか280ページに仕上がるように減量してもらい、からまるも1ページ当たりの文字量を増やすなどして対応したのでした。そういった苦労話で盛り上がりました。

それにしても、こうして改めて本を見ると、1年前にはじめて佐藤さんからの手紙で事件のことを知り、短期間に事件の構造的背景まで含めた全体像をがっちり再構成した石塚さんの才能はすごいなと思いましたね。

本書にあるように、一審の東京地裁は佐藤さんに実刑判決を下しました。その控訴審が今月下旬に開かれます。まだまだこの戦いは進行中で、そういう緊張感がありつつも、爆笑また爆笑のうちに宴会はお開きとなりました。
四〇〇万企業見本届く.jpgこんにちは、からまるです。

石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』の見本が編集部に届きました。刷りたての本が、写真でご覧のように10冊ずつ結束されて製本所さんから会社に届きくのです。毎度のことながら、うれしい瞬間ですね。

今夜は石塚さんと、からまるお気に入りの中野の料理屋さんで打ち上げです。

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