karamaru: 2012年12月アーカイブ

こんにちは、からまるです。

原子力大転換.JPG
長らく潜航していた企画が、本日ようやく校了となりました。仙谷由人さんの『エネルギー・原子力大転換 電力会社、官僚、反原発派との交渉秘録』を来年1月18日に刊行します! 写真はカバーとオビの校了紙です。

これまでのエントリで、奥歯にものが挟まったような状態でつぶやいてきた企画がこれです。ご想像のように、じつに山あり谷あり、ジェットコースターのような進行となりました。今だから言えますが、衆議院解散をからまるは身を切られるような思いで見ていましたし、開票速報を今回ほど辛い気持ちで受け止めたことはありません。仙谷さんは今は一人の市民です。

田原総一朗さんはツイッターで12月22日、次のようにつぶやいておられます。

「絶対落ちるはずのないと思ってた仙谷氏が落選した。民主党の中で、唯一と言ってよい政治家だった。仙谷抜きで民主党がどうやって再建するのか心配だ」

からまるもまったく同じ思いです。ただし、地元で「仙谷党」と呼ばれるほど党派を越えた支持のあった仙谷さんも、民主党に対してひじょうに強い逆風が吹く中では厳しいのではないかと予想されてはいました。誰も「絶対落ちるはずがない」と楽観してはいませんでした。だから、編集者であるからまるは本を出すことが仕事ですから、「近いうちに」が嘘つきになるかどうかなんて話はどうでもよくて、本書を世に問う前に解散されてしまうことに、一時大きな敗北感を抱いたのでした。

でも、この本の内容には絶対の自信がある。たとえ仙谷さんが非議員の立場になられても、この内容は絶対に世に問わなければいけない。12月16日深夜、冷厳な選挙結果を見て、からまるはそう気持ちを切り替えました。

タイトルから想像されるように、この本は東電福島第一原発事故以降、電力政策を民主党幹部として主導してきた著者のドキュメントと考え方をまとめたものです。原発事故収束については、菅直人さんや福山哲朗さん、海江田万里さんらが詳しい記録を本に残していますが、東電の経営問題、大飯原発の再稼働問題、原発ゼロを含む今後のエネルギー政策の具体案について、当事者が本書のように詳しく書いた例はありません。ほとんどの仕事を仙谷さんがしていたので、本書が出るまでそういう本が存在しないのは当然と言えば当然で、だから早く表に出す必要があるのではないか。出すことによって、「脱原発」対「原発推進」という二者択一の議論がいかに不毛なものであるかを、国民的関心が高いうちに多くの方に知ってほしい。この点が、からまるが刊行を急いだ大きな理由だったのです。

民主党政権が「2030年代に原発ゼロを目指す」という「革新的エネルギー・環境戦略」をとりまとめたのが9月14日のことでしたから、来年1月18日というのは、それから約4ヵ月で、第2次安倍内閣の政策が具体的に動き出すのがその頃でしょうから、そのタイミングに間に合う程度には、スピード刊行ができたと思っています。

この本の制作ドラマを年明けからご報告します。本年の日記は今日で終わり、来年は1月15日に再開します。それでは、よい新年をお迎え下さい!
こんにちは、からまるです。

今日、安倍晋三さんが第96代総理大臣に指名されました。今これを書いているあいだに新閣僚がぞくぞくと官邸に呼ばれているのだと思います。二度目の安倍内閣なので、これは第2次安倍内閣と呼称されるようですね。2006年9月にできた最初の安倍内閣のことを第1次安倍内閣と呼称する動きもあるようです。

ドキュメント安倍晋三.png
じつは、この第1次安倍内閣ができる直前の2006年8月、からまるは、安倍さんが総理大臣になるまでの軌跡を安倍さんをよく知る政治ジャーナリスト・野上忠興さんが追ったルポルタージュ『ドキュメント安倍晋三 隠れた素顔を追う』を出しているんです。

当時、小泉総理が自らの後継者を安倍さんにしようと考えていることは自明でしたから、取材は実際に安倍さんが総理に指名されるよりもかなり早い段階から始めました。安倍さんを支持する政治家の方に何人も議員会館で野上さんといっしょにお会いしましたね。そのうち3人は今回の第2次安倍内閣で入閣しています。本当はお名前を出したいんですが、取材上知り得たことが多く(それはそれですごく面白かった!)、残念ながらここでは書けませんが、ある人は自分が安倍さんの側近として動いていることをシレッと完全否定していました。なるほど、その口の堅さのために安倍さんからの信頼を今なお維持しているのだなと、今回の閣僚名簿を眺めて、つくづく思いました。

緊急出版だったので、取材が終わった野上さんには異常な短期間のうちに書いていただきました。最後の追い込みでは、会社から程近い早稲田のリーガロイヤルホテル東京のジュニアスイートルームに3日間ほど缶詰になってもらいました。今となっては懐かしい思い出ですねー。

その『ドキュメント安倍晋三』は残念ですが今は絶版となっています。ただ安倍さん関連本としての注目は今でもあり、TBS系情報番組「ひるおび!」の方から昨日、本からの引用許諾願いの電話がありました(今日それが放送されたかどうかは未確認)。
こんにちは、からまるです。

気が付いたら、今年は今週が最後ではないですか(ー'`ー;)その間に、以前エントリで書いてからも編集部の同僚たちは次々と本を出し......まあ、その話はもういいか。

最後の週に校了を控えているので、その時間をあけるため、先週末、からまる史上最速の時期に年賀状の宛名書きをしました。調子に乗って書き、郵便ポストに投函した後になって、喪中の方に二人も年賀状を出していることに気付きました。本当にすみません、Mさん、Hさん。

それにしても、今年ほど芸能界を支えてきた巨星が鬼籍に入られた年はなかったのではないでしょうか。ちょうど10日前の12月15日には小沢昭一さんの告別式が行われました。からまるが以前からお世話になっている先輩社員が小沢昭一さんのご子息ということもあり、お手伝いに伺ったのです。冷たい涙雨が降る中でのお見送りとなりましたが、葬儀場にはずっと小沢昭一さんの軽やかな歌声が流れていました。そのコントラストが大変印象に残ったお式でした。
こんにちは、からまるです。

お知り合い本のご紹介です。今月出た『100の結果を引き寄せる1%アクション』(サイゾー刊)。著者のビジネスプロデューサー、鈴木領一さんは、ネットの世界では「すずりょう」さんというニックネームで広く知られていて、からまるも今までいろいろとお世話になっているのです。

このすずりょうさんが初めて単著を出しました。お付き合いこそ長いのですが、若い頃に事業の失敗で一時期、経済的に自殺寸前まで追いつめられたことがあるなど、初めて知るようなエピソードが満載でした。

本書がいちばん伝えたいのだろうと思うのは、個人が持っている「フレーム」を外せ、ということです。これは常識に囚われた思い込みのようなもの。自分では自由に生きていると思っているのに、そのフレームの働きで、知らず知らずに行動がコントロールされているというのです。だから、

「多くの人が自分を変えられないのは、自分が変わらないからではなく、自分が信じている世界が変わらないからなのです」(p120)

だったら、

「あなたが信じている世界をあなたにふさわしい世界に変化させ、あなたの望む自分へと変化させる」(p125)

ことを考えよう。その方法の一つである「全部嘘法」というのが面白くて、見たもの聞いたことすべてを「本当は嘘じゃないか」と検討してみるというものです。徹底するには根気が要りそうですが、訓練次第ですね。

面白くて読みやすくて元気が出る。自己啓発書はこうじゃないと!と思える好例のような本でした。

     *     *

明日はお休みです。また来週! 来週はいよいよ、潜航中だった某企画の顛末を!
こんにちは、からまるです。

飲み食い話はNGと決めているこの日記ですが、今回はその禁を犯して昨晩呑んだ居酒屋の話題を取り上げます。さるジャーナリストの方と打ち上げで行ったのは、千代田区内神田、神田橋交差点のすぐそばにある「UZU」です。あの安倍昭恵さんがオーナーを務めるとあって、この秋のオープン以来、週刊誌などでたびたび紹介されたお店です。話のタネにと思って二人で訪ねたのでした。

ここは山口料理のお店で、山口の日本酒が何種類も置いてあります。それをリストの片っ端から呑んでいき、山口名産の素材を余計な手を加えない料理法で仕上げたおつまみをいただきます。

メニューの中で何と言って目を引くのは「祝島産ひじきの煮付け」ですね。祝島といえば、中国電力が1982年、山口県上関町に建設する計画を発表した上関原子力発電所から4キロの位置にある島で、計画発表以来30年近く住民が反対運動を続けてきたことで著名です。この島の名産品の一つが干ひじきで、住民の活動を記録したドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」(2010年、鎌仲ひとみ監督)でも島に住む若い男性がひじきを取っている印象的な場面が出てきます。反原発活動とダブって見えるのが、このひじきなんです。

安倍晋三さんが超多忙な今(じつは、からまるはこの直前、ある自民党代議士の方のパーティーで安倍晋三さんの祝辞を聞いていたのです)、まさか昭恵さんはいらっしゃらないだろうと思っていたのですが、深夜になってお店に現れました。からまるは早速、挨拶をして、「祝島のひじきがあるんですね」と問いかけると、昭恵さんは、「これはメッセージなんです」と言っておられましたね。
こんにちは、からまるです。

今年の9月に出た榎本まみさんの『督促OL修行日記』(文藝春秋刊)が面白いです。

某信販会社に入社し、優雅な9時5時OL生活を送るかと思ったら、いきなり男ばかりのコールセンターに放り込まれ、カードのキャッシング未払い客に対する督促を担当することになる実体験記です。早朝と夜のほうが相手はつかまりやすいからと、勤務時間は朝7時から終電前まで。忙しくて忙しくて恋愛もオシャレもする時間がない。彼氏にフラれ、洗濯する時間がないため下着は紙パンツという日常生活が潔いほどリアルに描かれています。

未払い客の中には当然、回収困難な人がいて、そういう人たちには延々と罵倒されたり開き直られたり。そのつらさから同僚や後輩たちが1ヵ月ほどでどんどん辞めていきます。そして1年経った頃、同期入社の仲良し美人さんもとうとう壊れてしまいます。

「もう嫌なんだ、お客さまにありがとうって言ってもらえない仕事だしさ」

彼女が辞めたことをきっかけに、自分が督促の仕事を続けていくのに必要な心の強さを持つにはどうすればいいのか、榎本さんはあれこれ考えます。罵倒されても、怒鳴られても傷つかない心をつくる。それには自尊心をなくすことだ。榎本さんはこうして「自尊心を埋葬する」ことにしたのでした。この部分はとても考えさせられました。

他にも先輩たちはさまざまな方法でストレスフルな職場を乗り切る方法を編み出しています。お客の罵倒の言葉を集めた「悪口辞典」をノートにつけ、電話するたびにもっとえぐい悪口は来ないかと期待している先輩のエピソードなど、壮絶ながらなるほどと思いましたね。たんなる告発や観察に終わっていないのが、アッパレです。
こんにちは、からまるです。

昨日投開票の総選挙の結果は、からまるにとって悪夢のようなものになってしまいました。

北海道4区で新党大地から立候補した苫米地英人さんは、得票数2万5000票あまり、得票率14%と、初陣にしては大健闘だったと思います。本当にお疲れ様でした。しかし、本当の打撃は、まだ明かせない、あることなのです。

いや、もちろん予定通りに出すのが基本方針。
こんにちは、からまるです。

先日のエントリで書いたように、マッキンゼーの採用担当を長く務められた伊賀泰代さんの『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』(ダイヤモンド社刊)が面白いです。

サブタイトルにある「地頭より論理的思考力よりも大切なもの」が、この本で著者が説き続けるリーダーシップです。いま世界中で最も求められているのは、倉本由香利さんが『グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる』で書いているように、さまざまに異なる国籍・言語・文化に所属する人々から構成されるグローバルな組織でリーダーシップを取れる人間だという点は、本書も共通しています(というより現在のグローバル組織の常識なのでしょう)。倉本さんはそれを「グローバル・エリート」と定義しましたが、一般には伊賀さんが書いているように「グローバル・リーダー」と呼ばれます。

世界中のグローバル・リーダーが当然持っているのに、グローバル・リーダーになることを期待されている日本人に欠如しているのがリーダーシップだと、伊賀さんは言います。それは本人の問題だけでなく、リーダーシップというものをきちんと定義し、トレーニングしない日本的組織の体質の問題であるとも指摘しています。

チームとして大きな結果を出すために、チーム全員がリーダーシップを発揮して、自分のできる分野で貢献する。そのためには上司の発案であっても、他部署の担当分野であっても、遠慮なく意見を言う。それが本来のリーダーシップなのに、日本的組織では皆、そういう場面で黙って下を向いてしまう。このような体質が土壌となって、会社や政治に限らず、リーダーシップとはトップ一人が取るもので、その他の人々は「お手並み拝見」という態度でよしとするようになった日本的組織の弊害を、伊賀さんは激しく非難し、「日本全体にリーダーシップの総量が足りない」と書いています(p180-181)。この部分はからまるも目を見開かれる思いがしましたね。

以前、アッパレ本として取り上げた岩田松雄さんの『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』が、「リーダーになろうとするのではなく、まわりに推されてリーダーになる。私はこれが、理想のリーダーの姿だと思っています」(p4)とするのとはまったく対照的に、リーダーには自分からなるものだとするところに、同じリーダーシップを語っても見解がずいぶん違うものだなと思います。

こまで日本の組織はバカではないよ、という個別の反対ケースはあるでしょうが、ひじょうにリアリティのあるリーダーシップ論だと思いました。

本日お休み!

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昨日書くのを忘れてしまいました。今日はお休みです。
こんにちは、からまるです。

今年6月に刊行した倉本由香利さんの『グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる』がまた少し売れてきているようです。ひょっとすると今話題のあの本の連想でご購入いただいているのかもしれません。

あの本とは、マッキンゼーの新人採用を長く担当された伊賀泰代さんの『採用基準』です。まだ半分ちょっとしか読んでいないので、感想は後日書きますが、マッキンゼーが採用したい人の条件を挙げるというトピックを入り口にし、いま必要とされるリーダーシップについて、かなり踏み込んで書かれています。使命感あふれる書きっぷりがすごいですよ。
こんにちは、からまるです。

本当なら某企画は、今日には書店さんに並んでいたはず。それなのに世間の風は無情です。総選挙の日程によって進行はがたがたに崩壊し、いまだに見通しが立っていないのです。

そして、その間、編集部の同僚たちは、からまるが9月に石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている』を出してから今日まで、合計でなんと35冊もの本を出しているのです。どう見てもからまるはサボり過ぎですよねー( ̄□ ̄;)

今年はもう本が出る予定がなく、あとは来年ですね。来年はどかっと。
こんにちは、からまるです。

6日後にせまった衆議院選挙の行方が気になるところですね。今日たまたま旧知の政治ジャーナリストの方から電話があったのを幸い、いろいろ訊いてしまいましたが、新聞各社の情勢分析通り、自民党が単独で過半数を取るのではないかという見通しを語っておられました。新党は小選挙区で候補者が複数重なることが多く、ブームは限定的というのが一つの要因になるそうです。

民主党が政権与党の座から陥落することで、舞台が一回りして、自民党が政権に就く。政権交代可能な政党の確立という、この国の政治が20年近く追求してきたものは二大政党制でもあったのですから、何も驚くような結果ではありません。安倍晋三さんが総理に2度目の就任をするということ以外には。

その安倍さんが自民党総裁になって以来、株高が進んでいます。今日の東京証券取引所の日経平均は9533円で、あとちょっとで1万円台という好調ぶりです。今はダメダメの景気がもうすぐ底入れするからじゃないかという真っ当な解説がある一方で、安倍さん自身は、より一層の金融緩和を日銀に求める自民党の姿勢が市場から好感を呼んでいるとアピールします。

たしかに消費税増税法案には景気条項が付いているので、政治はどうしても好景気にもっていきたい。ならば株がこうして上がる(上げる)のは想定内のこと。先回りして株を仕込んでおいた投資家は、こんな簡単な相場はないよ、と思ったかもしれません。

こうした政治や特定団体の思惑によって株が動く法則があるなら、それに合わせた投資法も存在しそう。で、からまるが考えたのは、

「悪の投資学」。

悪というのは人の思惑の裏を読むという意味で、インサイダーのような犯罪を指すものではありません。こういうの、できないかな。
こんにちは、からまるです。

昨日は新聞各社がいっせいに衆議院選挙の情勢分析を掲載しました。今回は本当にいろんなことが気がかりです。選挙によって残念なことに一時ストップしてしまった(ー'`ー;)某企画のことでもそうですし、北海道4区に立候補した、『利権の亡者を黙らせろ 日本連邦誕生論』の著者、苫米地英人さんの戦いぶりも気になっています。

苫米地さんの遊説風景がユーチューブにアップされていました。小樽市などが中心になっていますが、すごい降雪ですね。その中でひたすらマイクに向かっているのですから、運動の大変さが忍ばれます。
こんにちは、からまるです。

昨晩は飲み過ぎました。石塚健司さんの『四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日』に登場するコンサルタントの佐藤真言さんが一日店長になって忘年会を主催してくれたのです。夕方からある会合があり、その後、夜10時に店に着き、佐藤さんの関係者の皆さんと楽しく飲んで騒いで、あっという間に時間が経ち、結局2時半まで居座ってしまいました。

肝心の石塚さんは本業の新聞記者の仕事が選挙のために多忙で、都合がつかず欠席という残念な事態に。からまるが酔っぱらって深夜にもかかわらず携帯に電話して追いかけてしまったので、さぞかし石塚さんは迷惑だったでしょう。

場所は新宿歌舞伎町のゴールデン街にある店で、ここのオーナーさんは一日単位で店を貸してくれるのだそうです。ゴールデン街らしく小さい店ですが、知らない人間同士が誰とでもすぐに会話する習慣は、この街ならではの面白さです。からまるも何かの出版記念で一日店長をやってみようかな。
年末を意識し出すと、いろいろと立て込んで......また明日!
こんにちは、からまるです。

追い風三省堂.JPG
昨日のエントリでは他社ながらアッパレ本を取り上げましたが、今日はお知り合い本を。米津一成さんの『追い風ライダー』という本をこのあいだ読みました。タイトルからわかるように、ロードバイクが結ぶ人々の連作小説です。写真は三省堂書店神保町本店さん1階新刊話題書コーナーで、かなりいい所に置いてあります。ひょっとすると、このお店にもロードバイク好きがいるのかもしれません。

からまるも、最近こそあんまり乗っていないものの、4年ほど前にクロスバイクを買って以来、自転車という乗り物に対して革命的に意識が変わりました。人力で100キロ走れる、それによって普段見慣れた光景ががらりと変化する。距離に対する感覚が変化するとともに、この世界のつかみ方が変わる、世界と対話する方法が見つかる思いがしたのでした。たかだか数万円の投資と思い切りだけで、こんなに大きな収穫があるとは予想しませんでした。

米津さんはすでにロングライドに関するノンフィクション本を数冊、上梓していますが、それだけでは言い切れなかったことがたくさんあったのでしょう。自転車に乗るということによって人生を支えることができた人々の、とてもピュアな小説になっています。爽やかな風のような読後感を体験することができました。

ちなみに、からまるの今までの最長走行距離は、自宅がある練馬から高尾山口往復の95キロで、まだ100キロに到達したことがないのです。来春こそは絶対やろう、そして風になろうと、本を読み終えてまず思ったのでした。
こんにちは、からまるです。

ボディショップやスターバックスのCEOを歴任された岩田松雄さんの新刊『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版、2012年10月刊)が10万部を超える好調な売れ行きです。

「思われる●●になる」は日本語的にどうよ、とか、また数字タイトルか、といった突っ込みどころはともかくとして、はじめてリーダーになる若い年代に読者を限定した上で「ついていきたい」という言葉を起用したタイトルはアッパレですよね。自分なんかがリーダーになって、本当にみんなついてきてくれるんだろうか、という不安にうまく応えています。

内容的には、そんなに目新しいことを主張しているわけではありません。すごく省略して言うと、カリスマ性よりも謙虚さ、能力の高さよりも徳の高さがリーダーの条件だと説いています。このへんは反論の余地がないでしょう。

でもトップリーダーの条件だろうか?というと、それはまた違うかも。組織の規模や扱う製品・サービスによってもリーダーの条件は変わるでしょう。と考えると、この本は、リーダーになる人間の土台はこうだよ、という最大公約数を強調した本だと思います。著者がやってきたことに説得力があるし。スタバというのは、いろんなベストセラーを生み出しますね。

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