他社ながらアッパレな本『督促OL修行日記』

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こんにちは、からまるです。

今年の9月に出た榎本まみさんの『督促OL修行日記』(文藝春秋刊)が面白いです。

某信販会社に入社し、優雅な9時5時OL生活を送るかと思ったら、いきなり男ばかりのコールセンターに放り込まれ、カードのキャッシング未払い客に対する督促を担当することになる実体験記です。早朝と夜のほうが相手はつかまりやすいからと、勤務時間は朝7時から終電前まで。忙しくて忙しくて恋愛もオシャレもする時間がない。彼氏にフラれ、洗濯する時間がないため下着は紙パンツという日常生活が潔いほどリアルに描かれています。

未払い客の中には当然、回収困難な人がいて、そういう人たちには延々と罵倒されたり開き直られたり。そのつらさから同僚や後輩たちが1ヵ月ほどでどんどん辞めていきます。そして1年経った頃、同期入社の仲良し美人さんもとうとう壊れてしまいます。

「もう嫌なんだ、お客さまにありがとうって言ってもらえない仕事だしさ」

彼女が辞めたことをきっかけに、自分が督促の仕事を続けていくのに必要な心の強さを持つにはどうすればいいのか、榎本さんはあれこれ考えます。罵倒されても、怒鳴られても傷つかない心をつくる。それには自尊心をなくすことだ。榎本さんはこうして「自尊心を埋葬する」ことにしたのでした。この部分はとても考えさせられました。

他にも先輩たちはさまざまな方法でストレスフルな職場を乗り切る方法を編み出しています。お客の罵倒の言葉を集めた「悪口辞典」をノートにつけ、電話するたびにもっとえぐい悪口は来ないかと期待している先輩のエピソードなど、壮絶ながらなるほどと思いましたね。たんなる告発や観察に終わっていないのが、アッパレです。

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このページは、karamaruが2012年12月18日 16:19に書いたブログ記事です。

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