他社ながらアッパレな本『統計学が最強の学問である』

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こんにちは、からまるです。

昨日のエントリに書いた西内啓さんの『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)はじつにいい本です。

西内さんも引用しているように、ビッグデータ流行のせいか、グーグルのチーフ・エコノミスト、ハル・ヴァリアンの「私はこれからの10年で最もセクシーな職業は、統計家だろうと言い続けている」という言葉は、からまるさえ知っているほど有名になりました。データ・サイエンティストを今後最も食いっぱくれがない職業として紹介した記事を経済誌で読んだこともあります。本書は、著者が統計学の底力をこれでもかこれでもかと事例を挙げて見せつける、じつに熱い本なのです。

西内さんは、「経験と勘だけの不毛な議論」でものごとを決めることが、いかに大きな犠牲を社会や人々に強いているかを力説します。会社が苦境を脱するために、次にどんな打ち手を繰り出すべきか、延々と「経験と勘」に頼って議論したところで、どうせ誰も確実に結果を見通せる正解などありません。したがって、、

「社内のありとあらゆる『正解のない意思決定』について、正解がないのであればとりあえずランダムに決めてしまう、という選択肢の価値はもっと認められるべきだろう。ただ決定をランダムにすることと継続的にデータを採取することさえ心がければ、後で正確に『それがよかったのか』『どれぐらい利益に繋がったのか』が評価できるのだから、少なくともそちらのほうがより確実に『正しい判断』へと近づく道になることもある」(p122-123)

これはもう金言としか言いようがありません。

ここだけ取り出して読んでもよくわからないかもしれないので、ランダム化比較実験として、この記述の根拠になっている事例を本書から一つ紹介すると、「ミシンを2台買ったら1割引き」という、ジョーアンファブリックという会社が実際に行ったプロモーションキャンペーン。マーケッターなら大体ご存じのようですが、これ、知ってました?

ミシンなんて一家に2台も必要ありません。しかしこの会社は、さまざまなプロモーションキャンペーンのために複数の案を低コストでランダム化して試していたのだそうです。で、この一見バカらしい案も「会議でごちゃごちゃと考えるよりも、とりあえず試してダメそうならやめよう」(p120)と考えて実行に移しました。その結果は驚くべきものでした。

「このキャンペーン広告が表示された顧客は、そうでなかった顧客に比べ平均して1人あたり3倍以上の売上を示したのである」(p120)

どうしてだったのでしょう? その答えは、この本をお読みいただくか、来週のこの日記までお待ちを!

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このページは、karamaruが2013年3月 8日 18:24に書いたブログ記事です。

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