他社ながらアッパレな本『不格好経営 チームDeNAの挑戦』

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こんにちは、からまるです。

DeNA創立者である南場智子さんが自ら書き下ろしたビジネス半生記です。とてもよく売れています。それもそのはず、正直言って、

面白すぎる。

こんなに面白くていいんでしょうか。「まえがき」の末尾に「経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に」と記されているように、システム詐欺にあうなど信じられないほど下手を打ちながら、そのたびにメンバーとのチーム力で突破してきたプロセスが、まるで楽しい思い出話のように語られているからでしょうか。

いや、それだけではないな。過去にもさまざまな創業者の半生記を読んできましたが、ここまでご本人のセンスが反映された文章で書かれたものは、お目にかかったことがありません。「社長の年収査定」(p94)の話なんて爆笑でしたね。また、次のようなところも独特。

「そして皮肉にも、自分の成長だへちまだなどと言う余裕がなくなるくらい必死になって仕事と相撲をとっている社員ほど、結果が出せる人材へと、驚くようなスピードで成長するのである」(p216)

こういうところを読むと、南場さんは人間観察眼にとても秀でておられるのだなと思います。だからこれだけ有能な人材が集まり、急速に大きな組織になったのかもしれません。その観察眼の土台の一つは、お父上の教育が築いたようにも感じました。第三者から見ると理不尽としか思えないほど厳しく、入社先は自分が決めることを条件に東京の津田塾大学への進学を許したお父上が、マッキンゼー入社を快く認め、起業後まもなくして南場さんの預金口座がすっからからんになったときに手紙を出し、「生き甲斐は処した困難の大きさに比例する」と応援したそうです(p76)。南場さんはそれを手帳に挟んでいたとか。

じつはからまるはずいぶん前、南場さんにお会いしているのです。波頭亮さんが2008年に私的に主宰した勉強会(このリンク先に写真があります)の事務局を一時、務めたのですが、そのメンバーの一人に南場さんがいて、2009年には講演をしていただきました(あのとき本にすることを思いついていたらなあ)。懐かしいです。

からまるの独断では、今年のビジネス書大賞は、今年前半で見る限り、この『不格好経営』か西内啓さんの『統計学が最強の学問である』のどちらかで決まりかな。

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このページは、karamaruが2013年7月 9日 17:32に書いたブログ記事です。

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