他社ながらアッパレな本『正しい判断は、最初の3秒で決まる』

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こんにちは、からまるです。

4月刊行ですから、少し前の本ですが、慎泰俊(しん・てじゅん)さんの『正しい判断は、最初の3秒で決まる 投資プロフェッショナルが実践する直感力を磨く習慣』(朝日新聞出版)を読みました。

あとがきに書かれた「目に見えるものや論理的に通じるものしか許さない『知性』に対する異議申し立て」(p235)という執筆意図がいいですね。論理や形式知に対して、直感、信念、暗黙知が持つ課題解決力の大きさ、競争優位の源泉となる力について、仮説思考に基づく投資判断という自己の体験をベースに、経営書に限らずリベラルアーツ的な古典を参照しつつ書かれています。

直感と信念とは、「経験に基づき、無意識のうちに最善の選択肢を選びとるもの」といいます(p66)。それらは仮説ないし仮説的な性質を持っているがゆえに、情報処理が効率的になる(p99)。また、世界を本当に変える人は、行為と直感・信念が一致する、すなわち「知行合一」している(p117)。知行合一は、すべての物事が首尾一貫して関連性を持っているという物語の性質を持つ(p119)と主張する第2章「直感が課題解決するメカニズム」が面白いですね。

第4章「『競争優位の源泉』としての直感」では、組織の理念について書かれています。他社には絶対にまねできない、「私たちらしさ」=理念が、成功する企業にはある(p168)というのは常識の類いでしょうけれども、ひじょうに珍しいことに、組織理念の一つにマントラ(合い言葉)を挙げているのが、からまるには何と言ってもうれしいですね。物語や競争優位というキーワードを見ると、「成功する戦略には人に話したくなるストーリーがある」と主張する、この本でも参照されている『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建著、東洋経済新報社刊)をすぐに思い起こすわけですが、「マントラ」「信念」ときたら、やっぱり2012年3月にからまるが出した『マントラを掲げよ 信念を戦略に変える力』(正木静修著)でしょ!

まあそれはともかく、サブタイトルや帯にある「根拠なき自信を確実な成果に結びつけるテクニック」という潜在意識系の言葉遣いが、この本の場合、ちょっと損しているけれども、面白い本でした!

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このページは、karamaruが2013年8月14日 20:52に書いたブログ記事です。

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