人が移動する、すなわちそれは、何かをするため。西田宗千佳さん『顧客を売り場に直送する』でわかる、地図を制する者は世界を制す。

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こんにちは、からまるです。

からまるは3Sの頃からiPhoneユーザーなので、2012年9月のiOS6へのバージョンアップにともなって新登場したアップルオリジナルの地図のヘタレ具合には、多くの人と同様、驚きを通り越してあきれる思いでした。何せ、ほとんど何の情報もない。「パチンコガンダム駅」の存在はニュースで知りましたが、アップルという会社に対する信頼度がぐらつくほどの衝撃度だったと思います。

今度出す西田宗千佳さんの『顧客を売り場に直送する ビッグデータがお金に変わる仕組み』によると、この地図は開発開始から1年半ほどでサービスを開始することになっていて、当初から「完成度が低いのでは」という外部からの懸念があったそうです。そのスピード重視に「躓きの原因が存在した」西田さんは書いています。

では、どうしてアップルは、自らの企業価値を毀損するリスクを冒してまでも、「自らの地図サービス」を作る必要性があったのか? その答えが、音声サービス「Siri」が位置情報と地図を対象にしていることにある、と西田さんは書いています。近くのインド料理店に行きたい、とSiriに聞けば、店の情報と、現在地からそこへの経路を教える、いわばコンシェルジュのような機能を確立することをアップルは目指しているようなのです。

こうして利便性を高める結果、多くの人に使ってもらうことによって、アップルには大量の「行動履歴」が集まります。人が移動する、すなわちそれは、何かをするため。大量の行動履歴を分析すれば、ある属性の人々が「これから何をしたいか」を正確に分析できる。そういう人たちに、その属性にマッチした情報を提供していく。


「どの場所に行くとどういう行為がおすすめなのか、その場所に行くならどのような情報を出すべきか、ということに絡む行為を「ジオフェンシング」と呼ぶ。GPSを使った地域(ジオ)データを使い、現実世界の中に仮想的な「フェンス」を作り出して、そのフェンスに触れた人々に情報を与えることをビジネスにしようという考え方である」(第二章「地図は「一次元化」する」p64)


ここに登場する「ジオフェンシング」あるいは「ジオフェンス」という言葉が、本書のキーワードです。耳慣れない用語ですが、iPhoneをお持ちの方は、設定<プライバシー<位置情報サービスで、オンにすると下のほうに出てくる説明書きで「ジオフェンス」という言葉を見ることができます。

地図を制する者は世界を制す。地図によって行動履歴を集め、属性別にフェンスをかけて人々を囲い込むのです。

このブログ記事について

このページは、karamaruが2013年11月22日 14:43に書いたブログ記事です。

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