小泉流「政治的リアリズム」と古賀茂明さんの『原発の倫理学』。

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こんにちは、からまるです。

もし、この日記をずっとご覧の方がいらしたとしたら、からまるが今年1月に仙谷由人さんの『エネルギー・原子力大転換 電力会社、官僚、反原発派との交渉秘録』を出したことを覚えておいでかもしれません(お前はどっちの味方なんだ!と怒られそうですが)。あの本はもっと早く出したかったのですが、野田総理大臣の突然の解散によって出版準備どころではなくなり、今年になったのでした。

どうしてもっと早く出したかったのかというと、昨年の大飯原発再稼働の議論を聞いていて、さまざまなことを考え、そこに一石を投じたいと考えたからです(からまるは、おおい町に取材に行ったこともあります。そのことは稿を改めて)。脱原発か、原発推進かという二項対立で考えると、仙谷さんの主張と行動は原発推進であり、経産省の従来のエネルギー政策をおおむね堅持していくものでした。

そのことに対する価値判断を措くと、仙谷さんの主張と行動は政治的リアリズム(仙谷さんの言葉を使うと「プラグマティズム」)だとからまるは思いましたし、この本に盛り込んだ主張に対する考慮なしに脱原発を唱えても、それはたんに「マイナーな市民運動」にカテゴライズされ、どんなに脱原発デモの参加者が多くても、はたして本当の力になるだろうか、ともからまるは思っていました(昨年夏には、からまるも総理官邸前のデモに行ってきました)。

しかし、それから半年が過ぎ、これは本当に「政治的リアリズム」なのだろうか、という疑問を投げかけたのが、小泉さんの主張です。「即原発ゼロを総理大臣が決めれば、あとは知恵者たちが考える」という主張のほうに、むしろ政治的リアリズムがあるのではないか。「脱原発を唱えるなら、その代わりとなるエネルギープランを同時に提案せよ」という、よくありがちな議論が、再生可能エネルギーを中心にするという誰もが望む社会に現状を変革する道を妨げているのではないか。

古賀茂明さんは、福島第一原発事故以後のかなり早い段階で、世の中の議論が現在、小泉さんが唱えている方向に変わっていくことを見通していたように、からまるには思えます。明日発売の『原発の倫理学』の内容が、何よりもその証拠なのです。

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このページは、karamaruが2013年11月28日 17:27に書いたブログ記事です。

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