karamaru: 2013年12月アーカイブ
こんにちは、からまるです。
猪瀬直樹都知事が徳洲会から受け取った5000万円の真相について、連日、多くの報道がなされています。都議会の追及も苛烈を極めているようです。
からまるは猪瀬さんの本を何冊か読んでいますが、実際にお会いしたことは一度もありません。したがって、猪瀬さんの人柄については何の言及もできないのですが、間接的にはいろいろと見聞きしてきました。その中で、もっとも印象的だったのが、からまるが2009年9月に出した朝日新聞記者・星野眞三雄さんの『道路独裁 官僚支配はどこまで続くか』に書かれた内容でした。
この本は、小泉政権の道路公団民営化委員会で行われた伝説的な激しいバトルの中身について、委員たちの肉声を星野さんが丹念に拾って書いたノンフィクション作品です。委員たちの本音には驚くことが多いのですが、圧倒的に、ある意味ではこの本を面白くしてくれたのが、猪瀬直樹さんの肉声だったのです。
たとえば、面白すぎてオビの裏にも引用したのが、次のフレーズ。
「今井さんは経済界の代表で重みがある。中村さんは学会の権威。俺は問題提起してきた。それだったら重みがあるけど、何も考えていない連中が4人いて、重みなんかないよ。表に出したくないだろう、バカな連中がいるってのはさ」
補足すると、委員会は7人で構成されていたのですが、今井委員長と中村委員と自分以外はみんな「表に出したくない」バカ、という断言が強烈ですよね。他にも本書の末尾部分には、空中分解してしまった民営化委員会に最後まで残って提言をまとめた猪瀬さんの考えに疑問を抱く星野さんに、猪瀬さんが長い長い反論をする場面がありまして、ここもじつに読み応えがあるのです。
今週発売の「文藝春秋」1月号に「猪瀬直樹都知事はハダカの王様だった」と題して、櫻井よしこさんと上杉隆さんの対談が掲載されていますが、そこで櫻井さんが猪瀬さんの当時の発言を知ることができる文献として、本書を紹介しています(p187)。関心のある方は是非!