『原発の倫理学』を刊行した古賀茂明さんほかで行われた脱原発シンポジウムを聞きに行く。

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こんにちは、からまるです。

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先月末に『原発の倫理学』を刊行した古賀茂明さんが、12月8日開催の「ドリームチームが提言する 日本の脱原発 エネルギー戦略」シンポジウムに参加するということで、からまるも聴講してきました(明治大学グローバルフロント)。

「ドリームチーム」というのは、すでに解散になった大阪府市エネルギー戦略会議のメンバーから構成されています。会長は植田和弘京大大学院経済学研究科長で、副会長が古賀さんなのです。飯田哲也さんや弁護士の河合弘之さんらがメンバーで、このメンバーが執筆した新刊『大阪府市エネルギー戦略の提言』(冨山房インターナショナル刊)の記念シンポジウムでもありました。

シンポジウムでは実に多彩な論点が出て、とてもここでまとめきれる内容ではありません。ただ、緒論と結論として、「原発の特別扱いをやめる」という議論が行われました。特別扱いとは、1莫大な財政投入がある、2廃棄物処理を電力会社が自前で行わない、3製造物責任がない、の3点を指します。そして、それら特別扱いをやめれば、原発がコスト安という前提が崩れ、「経済的脱原発」への道筋を描くことができる、といいます。これに古賀さんが『原発の倫理学』で全面展開している「倫理的脱原発」を加えて、二つの切り口から国民的議論を重ねるべきだという主張でした。

原発は実はコスト高である一つの証左として、富士通総研経済研究所の高橋洋さんのお話が興味深かったですね。イギリスで原発を新設するのですが、その際、15.7円/kWhで新規原発の電力買取制度を始めるというのです(しかも35年間、物価スライドあり)。日本では、原発の発電コストを、2004年試算では5.9円/kWhだったものを、民主党政権時代の政府のエネルギー・環境会議で最低8.9円/kWhに見直したわけですが、このイギリスの例からいえば、それよりもさらに高いコストで計算しないと原発はできないという意味になります。

当日は何人かゲストが招待されていました。その一人が菅直人さんで、発言が注目されました。菅さんは、東電を破綻処理するのはむずかしいと当時の総理大臣として判断した理由について、1破綻処理すると電力関係者が逃げてしまう、破綻処理より事故処理が優先と考えた、2東電自身に賠償責任を負わせる、と話した上で、「しかし、今の段階なら破綻処理があっていい」。

他にもいろいろな論点で盛り上がり、休憩なしの3時間、実に中身の濃い議論でありました。

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このページは、karamaruが2013年12月10日 17:57に書いたブログ記事です。

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