こんにちは、からまるです。
今月24日には、渡辺喜美みんなの党前代表の政策担当秘書を昨年1年余りつとめた室伏謙一さんの『仮面の改革派・渡辺喜美』を刊行します。
この本は実はずいぶん前からその内容についていろいろと取り沙汰されてきたのです。それがもっともわかりやすい形でオモテに出たのは、先月27日付日刊ゲンダイの記事「みんな渡辺前代表 致命傷は離党勧告より元秘書の「暴露本」」でした。
みんなの党内で、浅尾慶一郎現代表と渡辺前代表の間で連立与党との関係をめぐって路線対立が起きていて、浅尾さんが渡辺さんに離党勧告をちらつかせるなど、お互いに一歩も譲らず昨年に続く「再分裂」の可能性さえ出てくる中で、9月27日にみんなの党の両院議員総会が行われることになりました。
その数日前のことです。日刊ゲンダイの記者の方が、『仮面の改革派・渡辺喜美』が出ることを知って、その人の講談社内の知り合い経由で問い合わせの電話がありました。その際に、記事を書きたいので事前にゲラを見せてほしいと要請されたのです。
普通は事前パブになりますから、著者の方と相談して了解を得た上で、喜んでお見せするところなのですが、からまるはお断りせざるを得ませんでした。今までも何度か政局がらみの本を出してきた経験からいって、こういう内容の場合、どこにどんな悪い影響があるのか、わからないからです。担当編集者としては、出版予定と著者の方を守らないといけません。
したがって、「本が出ることは事実ですが(アマゾンにもページが生成されていたし)、内容については見本ができてからご覧になっていただきます」と電話で言ったのです。普通、これなら本書をネタにした記事にはならんだろうと思うではないですか。ところが先ほどのような見出しの記事が出て、しかも何と、
「担当編集者は「まだ詳細を明かせません」と言うが、内容はドギツイ」
と。その「ドギツイ」内容として、今年4月に「週刊新潮」が吉田DHC会長の証言を元に記事を掲載した「8億円借り入れ」問題の真相や、渡辺夫人とみんなの党との関係が「赤裸々につづられている」と「関係者」が記者に言ったのだそうです。
はい? その「関係者」はゲラを読んだんですか?
そういう話は本書にはありませんよ。ホントはこんな取材プロセスをオモテに出すのはルール違反だという認識は持っていますし、書いた記者さんも「話題になるからいいじゃないの」くらいの気持ちなのでしょう。でも、捏造は捏造です。ここまで捏造された記事を書くルール違反のほうがもっと大きいと思いますので、ここに記した次第です。