karamaru: 2015年5月アーカイブ

こんにちは、からまるです。

4月1日辞令で会社の大幅機構改革がスタートし、からまるは単行本以外にも新書と文庫を担当することになっています。新書は「+α新書」、文庫は「+α文庫」というレーベルです。その「+α文庫」担当第一作が、つい先ほど決まりました!

といっても、けっこうわからないことばかり。たとえば、どのように入稿したらいいのか、校正はどうすればいいのか。サイズ感がぜんぜん違うので、ちょっと新鮮な気分ですね。

どんな本なのか、夏にはお知らせできます! ヒントは「世界遺産」です。
こんにちは、からまるです。

昨日は海外のエージェントの人が来社されて、からまるも少し面談をしました。ロンドンブックフェアでの面談でもそうだったように、まず最初にこちらの翻訳出版の実績をリスト化したものを見せます。同僚たちが頑張って、とてもいいタイトルを取っていまして、この2年程ですと、Susan Cain さんの "QUIET" (『内向型人間の時代』)、Charles Duhigg さんの "THE POWER OF HABIT" (『習慣の力』)はアメリカで大ベストセラーになっただけでなく内容に対する評価が高く、面談相手は注目してくれます。

しかしいちばん驚いてくれるのは、何と言っても Walter Isaacson さんの "STEVE JOBS" ですね。上下巻合計で100万部を突破しましたから当然です。しかし、それよりも相手が見た瞬間に "Amazing!" と表情が一変するのが、この本の e-book のダウンロード数が、すでに数万を超えている事実なのです。皆さん、ここに最も反応するのが面白いですね。売上で注目する点が電子に移っているのを感じます。
こんにちは、からまるです。

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昨年11月に刊行したブライアン・オーサーさんの『チーム・ブライアン』の愛読者カードは、その後もぞくぞくとお送りいただいています。皆さん、熱い書き込みをどうもありがとうございます!

昨年12月のエントリで、このカードを送っていただいた最年少は13歳、最高齢は90歳だったことをご紹介しました。最高齢更新はまだなのですが、最近、最年少は更新しました。なんと11歳! しかも二人もいます。からまるがこれまで出してきた本の読者さんの中では圧倒的に若くて、うれしいですね。

編集者としては、小学生が大人向きの単行本を手に取ることがあまりうまくイメージできないので、彼らにもわかりやすく読める本になっていたかどうか、ぜんぜん自信がありません。でも、そんな制作サイドの狙いを超えて、皆さん自然とこの本を手に取ってくれたのでしょうから、これはもう羽生結弦選手の魅力の凄さが原因だと思います。

ちなみに、12歳の方からも一人、13歳の方からさらに二人、カードを送っていただいています。全員、女子。みんな、しっかりした字を書いていますね。
こんにちは、からまるです。

仕事の資料として読んだ木暮太一さんの『アダム・スミス ぼくらはいかに働き、いかに生きるべきか』(2014年9月、日経ビジネス人文庫)は実に面白かったですね。『道徳感情論』と『国富論』をつなげて紹介し、この二作に貫くアダム・スミスの思想をコンパクトに、わかりやすく抽出しています。本質をきちんとつかんでいないと書けない、常人にはできない仕事だと思いました。

そこに出てくる印象的な言葉の一つが、「自分の中の裁判官」です。木暮さんはスミスの『道徳感情論』の一節を意訳して、次のように書いています。

「自分の中の裁判官に背くと、必ず自己非難に苦しむことになる。反対に、それに従って行動していれば、充足の気持ちを得られる」

人間は世間から自分がどう見られているか気にするものだし、皆からの共感が欲しいもの。だから自分の行為が評価されればうれしいけれど、その行為が本当に評価に値するものかどうかは自分自身がいちばんよく理解している。だから、どんなに世間から賞賛されようとも、「自分の中の裁判官」に従って自分では評価できないと判断するものについてはけっして喜ばないなら、その人こそ賢人であり、心の平静を得られるそうなのです。

純粋に経済学者であったアダム・スミスの思想の中から、こうして木暮さんは「幸福論」をつかみ取ります。先日のエントリで紹介したクレイトン・M・クリステンセンさんの『イノベーション・オブ・ライフ』は経営学から得られた幸福論でした。アプローチは違いますが、「幸福な人生」を非スピリチュアルに捉えようとする姿勢に、からまるは共感します。
こんにちは、からまるです。

今からまるは、昨年11月に刊行したブライアン・オーサーさんの『チーム・ブライアン』に続く2冊目の翻訳書の原稿整理をしているところです。分野はがらりと変わって、国際金融ものです。

まだ慣れないせいなのかもしれませんが、翻訳書には独特の難しさがありますね。同じ翻訳書といっても、『チーム・ブライアン』の場合は直接インタビューしたものを日本側で構成したので、翻訳出版としてはかなり異色の作り方をしていまして、通常の翻訳書は完成したオリジナルテキストを再構成することは基本的にできません。

だから、日本語になったものを読んでいて、うーん、この話はもっと前のこの位置にあったほうがインパクトがあるのにな、とか、ここはこの順番で説明したほうが面白くなるのにな、と思う箇所があっても、もちろんルールとしてはいちいち著作権者の了解を得ないといけません。日本人同士なら簡単でも、言葉も考え方も違う外国人だと、いささか尻込みしてしまいますね(ただし最近は原著者も刊行国のマーケティングを重視して、日本人向きの改変をむしろ積極的に受け容れる方もいるようです)。

原著者は日本語なんて読まないのだから黙って変えればいいのでは?と思う向きもあるかもしれません。しかしいまやグローバル社会、何が起きても不思議ではありません。実際に、たまたま原著者に親しい日本人が翻訳を読んで、こことここが違う!と指摘したことがある、という噂を聞いたことがあります。

日本語として読みやすいものにする範疇の改変はむしろしたほうがいいと思っていますが、それ以上のことは、自分に裁量があると思って勝手なことはしないということですね。
こんにちは、からまるです。

ある企画の参考資料として読んだ『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』(クレイトン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース、カレン・ディロン著、櫻井祐子訳、2012年12月、翔泳社刊)は本当に素晴らしい本でした。アッパレ本です。

言わずと知れたクリステンセン教授の講義を、他の二人との対話などによって発展させて作った本のようですね。オビに「最高の人生を生き抜くために」とあるように、「幸福」という曖昧な概念をスピリチュアルではなく理論で追求する試みです。それは次の謝辞にある言葉から直接的に読み取れます。

「本書でわたしが何より伝えたいのは、経営の仕組みを説明する理論は、家庭生活や結婚生活で、またわたしたち自身のなかで、何が成功と幸せを招くのか、その仕組みについても多くを説明してくれるということだ」(p235)

第3講「計算と幸運のバランス」で披瀝される意図的戦略と創発的戦略の理論には感動さえ覚えましたね。予期された機会に基づく意図的戦略は、予期されない機会と絶えず張り合う。このとき、経営者はどちらを選択するか。意図的戦略を少し修正して、その予期せぬ機会を追求することをはっきりとはしない形で行う戦略を創発的戦略というが、その結果理解したことに基づき、そのまったく新しい方向性の追求を明示的に決定すると、創発的戦略が新たな意図的戦略になる。そして、この戦略形成プロセスは、その後もずっと、何度も繰り返されていくというのです(p51-52)。

たしかにこれは、人生と同じではないですか。日々、予期せぬ出来事に直面しまくるこの現実を、どうすれば生き抜けるのか。先の理論で考えると、自ずからヒントが見つかりそうです。
こんにちは、からまるです。

先月下旬に発表されたビジネス書大賞2015の投票者に、昨日、主催グループが作成した小冊子が届きました。大賞はピーター・ティールさんの『ゼロ・トゥ・ワン』(NHK出版刊、Mさんおめでとうございます!)になりましたね。小冊子にもウェブにもからまるの選評が載っているので、もう明かしてもいいのでしょうから、からまるが一次投票で推したを3冊の本を紹介します。

そのうち2つは、この日記の「アッパレな本」で取り上げました。1位推しは『ピクサー流 創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法』(エド・キャットムル、エイミー・ワラス著、石原薫訳、2014年10月、ダイヤモンド社刊)、2位推しは、今回9位で選外となった『「好き嫌い」と経営』(楠木健著、2014年7月、東洋経済新報社刊)、そして3位推しは、今回翻訳者の山形浩生さんが審査員特別賞となった、言わずと知れた『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著、2014年12月、みすず書房刊)でした。

こうした投票形式の最近の賞はどれもその傾向があるのかもしれませんが、どうしてもベストセラーに偏っていきますね。自分が『21世紀の資本』を推しておいて言うのも何ですが、ベストセラーになっていない本が獲る賞のほうがかっこいい気がするんですけれどね。
こんにちは、からまるです。

1月下旬に刊行したノンフィクション雑誌「G2」18号で青沼陽一郎さんが書いてくださった記事「新興宗教ワールドメイトと教祖・深見東州」を担当したと、2月のエントリでご報告しました。

その後、社内の「週刊現代」3月7日号が、深見東州さんの半生を追いかけた長谷川学さんの人物ルポ「新聞広告で、やたら目につく謎の男 深見東州 歌って踊る教祖の「素顔」」を掲載したくらいで、ワールドメイトや深見さん関連の記事は、少なくとも目に付く限りでは見当たりませんでした。

深見さんご本人がインタビューに応じることがないとはいえ、そんなにメディアは手緩くていいのだろうかと思っていましたが、さすがです。本日発行の「FACTA」6月号がやってくれましたね。「深見「ワールドメイト」の錬金術」という4ページの無署名記事を掲載しました。

記事にワールドメイトからの回答文があちこちに引用されているところを見ると、「FACTA」さんも山ほどの疑問点を質問状に書いて、ワールドメイトの広報部に送ったのでしょう。からまるたちもそうしましたし、またその結果もそうであったように、何ページにもわたる回答がファックスで送られてきたようです。

そしてこれまた、からまるたちもそうであったように、送られてきたのは微妙にど真ん中を避けて否定する回答ばかりだったのでしょう。あの泣く子も黙る「FACTA」さんにしては残念なことに、何を言いたいのか漠然としていて、ひねりが利いていない記事になっていました。

なお、記事の最後に、某ネット新聞がワールドメイトから10万円のカンパを送られた話が出てきます。それはまさに、「G2」18号の校了のときにそのネット新聞の方から聞いた話で、本当にこれには爆笑しましたよ。くわしい経緯は「FACTA」の記事をご覧ください。
こんにちは、からまるです。

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先月出した元スターバックスコーヒージャパンCEO、岩田松雄さんの『私はかつてTOEIC300点だった 岩田式英語勉強法』、じわじわと売れています。ご購入いただいた皆さん、どうもありがとうございます。

サブタイトルにあるように、TOEICのスコアがかつて300点だった岩田さんが自ら編み出した勉強法で900点になったというのが、本書のポイントです。その担当者であるからまるは、しかし今までTOEIC公開テストを受けたことがありません。出版社にいると、英語関係のスコアを気にしなくても済んでしまうので、関心がなかったのです。しかし、こういう本を編集するからには、TOEICくらい受けないと実感がともなわないだろうと思い直し、実は先月、申し込みをしたのです。

今度のTOEIC公開テストはキリよく第200回になるそうです。200回記念に記念受験は面白かろうと、今週日曜日の24日、テストを受けに行って参ります! 結果をお知らせできるくらいのスコアだといいんだけどなー。
こんにちは、からまるです。

5月16日、「上阪徹のブックライター塾」第2期は最終の第四回を迎え、卒業制作「1万字原稿」への講評からスタートします。からまるも総評と個別コメントを全員分行いました。

課題はそんなに難しいものではありません。抽象的な大問題ではなくて、誰でも、どこでも手にすることができる具体的な商品の開発物語です。だから、理解が難しいものではないのですが、皆さん、それをどのように面白く読者に伝えるかで、ずいぶん悩んだようです。面白く、すーっと頭に入るように読んでもらう技術が難しいのですよね。

正確に書くのはもちろん基本です。しかし正確を期すあまりに、情報を多く詰め込みすぎて、話の展開があっちに行ったりこっちに行ったり、「だから何なんだ」とかえって混乱する読後感を与えることになりそうな原稿がありました。また、すごくユニークな構成にしたり、本人が言っていない情報をあえて盛り込んだり(本人が言っている情報を言い換えるのはグッドですが)、上手にまとめようと思いすぎるのかもしれません。その努力そのものは重要ですが、目的が読者に伝わらないと意味がありません。

まず、誰が読者なのか。かれらは何に悩み、何を知りたいのか。著者はそういう読者に何を伝えることができるのか。その具体的な材料は何で、それらをどう取捨選択すればいいのか。うまく著者から引き出して、「よくわかった!」「感動した!」「あの人に伝えたい!」と読者に思ってもらうのが、原稿の目的です。

では、そういう原稿を早くきちんと書くにはどうすればいいのか。そのコツをからまるは一言では言えなかったのですが、上阪さんは、見事に、たった一言で言い表しましたね。なるほど、そういうことか。からまるは身が震える思いがしました。

塾生の皆さんは時間とお金をかけて、その答えを得たのですから、この場でそれを書くわけにはいきませんが、たしかにこの習得はブックライターさんにとってかなり大きいと思います。
こんにちは、からまるです。

「読み」作業が半端なく多くなっています。ある新刊の原稿整理をメインに、「上阪徹のブックライター塾」第二期の最終課題作品1万字を27人分(つまり27万字!)、社内で担当しているある賞の下読みが7冊分。全部、今週中(あと3日!)に終えなければいけません。うう、けっこう限界超え。

という次第で、日記を今週いっぱい休みます<(_ _)>、また来週月曜日に!
こんにちは、からまるです。

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3月30日に丸善丸の内本店さんの日経ホールで開催された、『社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場』の藤沢烈さんと、NPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんとのトークイベントが記事になり、9日から東洋経済オンラインのここにアップされています。全3回の連載で、今週中に2回目と3回目がアップされるそうです。

いま読み返してみても面白いですね。とくに今、NPOに集まってくる人材についての話。駒崎さんは「今やベンチャー界隈の人たちとNPO界隈の人たちって、人種的にオーバーラップしている」かとおっしゃれば、藤沢さんは「「なんで(RCFに)来たのですか?」と聞いたら、「未来の社会では企業がみんな、より社会的な活動をするようになる。自分は一歩先に、そこに行っているだけだ」というのです」と。少し前に、NPOやNGOに対して経営センスとは無縁の人たちがやっているという前提で書かれている本を読みましたが、それは時代錯誤も甚だしく、もっと事態は先に行っているのですね。

そして、駒崎さん極めつけの発言。「NPOとかソーシャルビジネスって、ぼくはある意味「闘い」というか、運動の側面って絶対にあると思うのですよ」。うん、だから人は魅力を感じるのだと思います。
こんにちは、からまるです。

昨日はこの日記を書くのを忘れてしまいました! ゴールデンウィーク明けでまだ本調子に戻っていないのかもしれません。そんな次第で土曜日に書いています。

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ネパールの震災は各地に大きな被害をもたらしました。バングラディシュと並ぶ大きな工場をネパールに持つ、山口絵里子さんのマザーハウスさんは、独自の取り組みをしていることをウェブサイトで伝えています。

震災前のことですが、本当に久しぶりに秋葉原駅の近くにあるマザーハウスさんを訪ねて、山口さんとお話ししてきました。いつの間にか社員さんの数がものすごく多くなっていて、しかも皆、若くてノリがいいのには驚いてしまいました。その帰りにショップに立ち寄ったのですが、商品のアイテム数が増えていて、しかもデザイン力が確実に上がっているように思いました。

山口さんとどんな話をしたのかは、たぶんこの秋にはお知らせできるはずです!

こんにちは、からまるです。

ゴールデンウィークは如何でしたか? からまるは久々によく休みましたねー。昨日は会社で仕事をしましたが、4月30日を休みにしたので、4月29日から5月5日まで7連休できました。

連休中もいろいろな本を読みました。おもにノンフィクション作品です。やはり優れたノンフィクション作品はいいですね。著者の努力や執念をまざまざと感じさせるものにはとくに引き込まれます。編集者が良き伴走者となった形跡があるものも気になります。

また、連休中だからこそ、今の仕事から少し離れたところで仕事のネタを考えてみました。あるアイデアがだんだん形になってきています。それは上阪徹さんのブックライター塾に立ち会ってきたことが大きなきっかけになっています。じつは他社で同じような事業がすでに始まっているので、社内でどんな反応があるのか、楽しみなのです。

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