トマ・ピケティほかフランス人はなぜ、ギリシャに強い愛着を持つのか?

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こんにちは、からまるです。

ギリシャに死す.jpg
竹森俊平さんの新刊『欧州統合、ギリシャに死す』のプロローグの見出しは、「フランス人はなぜ、ギリシャに強い愛着を持つのか」です。

ギリシャとドイツが第三次支援の条件を巡って激しい応酬を繰り広げている7月7日、あのトマ・ピケティさんがジェフリー・サックスさんなど3人の著名経済学者と連名で、メルケル首相にギリシャに対する緊縮政策に反対する書簡を出したことが報道されました。そのエピソードを交えながら書かれたのが、このプロローグなのです。

竹森さんによれば、フランス人はとくにギリシャ贔屓なのだそうです。実際、フランスのビジネススクールの教授たちと懇談したときにその理由を尋ねたところ、それは教育のせいであると、おおむね次のような回答だったとか。

「フランス人は高等学校でギリシャ文明のことを徹底的に勉強させられる。他の国ならそれをするのは大学からだろうが。修学旅行では、ギリシャに行くのが一般的だ。だからフランス人はギリシャ文明を心から尊敬している」(p4)

同じ趣旨のことを、子どもの頃にフランスで暮らした経験を持つ、経済産業研究所理事長の中島厚志さんがインタビューでおっしゃっていました。

「南欧など大陸欧州の発想ではギリシャ抜きのユーロ圏はありえません(中略)(学校では)ギリシャにはフランスの前史があり、人種、文明、言葉の面で欧州は共通のルールを持っていることを教わります。フランス人には、自分たちの文明の源泉はギリシャにあるという共通認識があるはずです。私には、ギリシャの債務問題でドイツなど欧州連合諸国との仲介役を果たしたフランスの心情が分かります」(日本経済新聞、8月24日付)

ギリシャ債務問題はこのように、たんに経済問題に留まらず、欧州の文明のあり方にまで光を当てるのが面白いですね。

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このページは、karamaruが2015年8月26日 15:31に書いたブログ記事です。

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