karamaru: 2015年9月アーカイブ

2週間ぶりにMovableType4のダッシュボードにアクセスすることができました(ー'`ー;)いくらサポートが終わったとはいえ、宝くじの当選番号並みの確率でしかアクセスできないのでは、もう仕方ありません。

このKaramaru.comは、このまま凍結することにしました。

今後は、http://karamaru.red/をご覧いただけましたら。9月28日から再開しています!

さらばMT4! ブログのデザインはかなり好きだったのですけどね。。
こんにちは、からまるです。

先週金曜日はこの日記を書けませんでした。忘れていたわけではなくて、更新作業ができなかったのです。ここ数ヵ月間続いているのですが、レンタルサーバのロリポップになかなかアクセスができず、結局タイムアップしてしまったのでした。もうちょっと何とかならないものですかね、ロリポップさん。

先週発売のエルヴェ・ファルチャーニさん『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』。銀行は黒いカネと知って大富豪顧客に対する特別なサービスをしていたのか? ファルチャーニさんは次のように書きます。

「まるでローマ帝国のように、プライベートバンカーたちは文明と野蛮の境界を決めている。どの資本が銀行内に入り、どの資本が外に留まるか、何が銀行の内部でできるか、何を監督しなければならないか、何が秘密に留められるか、すべて決めるのは彼らである。もし誰もカネをその所有者と関係づけられなければ、そのカネが正しく稼ぎ出されたものなのか、それとも犯罪が生んだものなのかを決めるのは不可能だ」(p149)

各国国税など外部の監督者は、あるカネと、その真の所有者を結びつけられなければ、黒いカネかどうかを判断することはできない。だから銀行のファンドマネジャーたちは、たとえばその所有者のものかどうかわからないような法人を作り上げてタックスヘイブンに口座を開いてカネを移すなどして、そもそも誰のカネなのかわからなくしてしまうというのです。

もちろん、大してお金を持っていない庶民は、こういうサービスを受けることすら考えられません(隠す必要があるカネがないからと言えばそれまでですが)。大富豪と庶民の間にある、埋めがたい格差を伺うことができる問題でもあります。

     *     *

サーバへのアクセスにあまりに問題が多いため、対策を考えます。それまで残念ですが、この日記はしばらくお休みします<(_ _)>

何かお知らせがある場合は、からまる日記ツイッター版に書くことにします。
イスラム聖戦テロの脅威.jpgのサムネール画像
こんにちは、からまるです。

佐藤優さんが、松本光弘さんの『イスラム聖戦テロの脅威 日本はジハード主義と闘えるのか(+α新書)を、今週月曜発売の「週刊ダイヤモンド」9月12日号のブックレビューで紹介してくれました。どうもありがとうございます!

「この分野の書籍で最も水準が高い」と評価していただいた上で、テロ容疑者の警告なしでの射殺政策について書かれた部分を引用して、「日本も対テロ戦争の当事者であるという現実を、冷静に認識する必要がある」と結んでいます。佐藤さんらしい視点だと思いました。



『欧州統合、ギリシャに死す』竹森俊平さんがポール・クルーグマンさんと公開対談を行うというので、今朝、会場のパレスホテルに行ってきました。みずほ証券が主催する「ミズホ・インベストメント・カンファレンス2015」でのイベントです。

対談といっても、前半はクルーグマンさんの基調講演でした。面白いところを、ごく簡単に箇条書きにすると、

・インフレターゲットは2%ではなく4%にすべきだ。
・日本経済は欧米がこれから入ろうとする道にすでに入っている。
・ウーマノミックス(女性の労働参加)が日本経済の鍵。
・移民問題で、教育水準が高い女性を受け容れれば10年の時間が稼げる。
・「期待」と「量的緩和」、どちらの効果が大きいかといったら、圧倒的に「期待」。
・アベノミクスは「成長」で期待外れ。
・消費税増税は大失敗、レジュームチェンジの期待が打ち砕かれた。
・構造改革は重要ではない。財政政策と金融政策でデフレを終わらせることが大事。
・日銀は追加緩和すべき。

また、竹森さんのディスカッションでは、やはり中国経済にも焦点が当たりました。

・中国のことがいちばん恐い。
・農村から都市への労働力移動は今、収穫逓減の段階。
・中国の成長率は3~4%にまで減速する。
・元は下落の一途となる。
・中国からの資本逃避は安定させられない。

最後に司会者からの質問に答えて、

・FRBは今月は利上げをしないだろう。

こうして並べてみると、さまざまな機会で触れるクルーグマンさんのいつもの持論かもしれません。しかし中国への悲観的な見方(とくに経済成長率)は参考になるように思いました。
世界の権力者が寵愛した銀行.jpgこんにちは、からまるです。

エルヴェ・ファルチャーニさん著、橘玲さん監修の『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』は本日、発売です。

今朝、訪ねた丸善丸の内本店さんの一階には、100冊以上をどかどかと積んでくれていました。本当にありがたいことです。少し離れたところには、竹森俊平さんの『欧州統合、ギリシャに死す』100冊近く積まれています。こちらもありがたい限りです<(_ _)>
こんにちは、からまるです。

先週の日記で、エルヴェ・ファルチャーニさんの原書直訳「脱税犯たちの金庫」とはタイトルをずいぶん変えて、『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』というタイトルにしたことを書きました。

日本語で「脱税犯」というと、いつもワーストランキングに挙がるような、言葉は悪いけれど小悪党のようなイメージではありませんか? しかし、この本で問題にしているのは、もっと桁違いの大富豪たちの脱税をHSBCは幇助していたのではないか、かれら上得意さんたちへの特別サービスとして、タックスヘイブンを使ったマネーロンダリングをファンドマネジャーたちは提供していたのではないか、という点なのです。

以前、この日記でからまるはFIFA幹部の汚職事件について6月に次のように書いたことがあります。

「FIFA(国際サッカー連盟)スキャンダルの裏金についてスイスの検事総長が初めて記者会見を行ったという記事が日本経済新聞に載っていました。それによると、「資金洗浄の疑いがある銀行の取引を50件以上把握した」のだそうです。さらに「すべての取引が複数の口座にかかわるものだ」とし、「金融機関から53件の疑わしい銀行決済について報告を受けた」と述べたようです」

じつはそのときは本書の原稿整理をしていた頃で、原稿に書いてある実態をとてもリアルに感じたものです。この世には絶対にオモテに出せないカネがある。汚い裏金や隠したい相続財産など、摘発されれば追徴課税を食らうだけでなく、刑事告発されたり、職を失ったりするような場合もあるでしょう。

でも、そうした「隠したい」カネだって、多額であればあるほど、銀行口座を通らないわけにはいきません。そして、どんな性質のカネであれ、多額であればあるほど、銀行にとっては扱い手数料を稼がせてくれる上客です。であるなら、銀行が積極的にそうしたカネを扱うのは当然なのでしょう。では、黒いカネかどうかを銀行は知っていたのか? 本書でファルチャーニさんは、ファンドマネジャーたちは知っていたはずだと書いているのです。
こんにちは、からまるです。

今日から新しい部屋で働いています。編集部が引っ越したのです。先週金曜日は引っ越しの準備で大変でした。

今までは景色のいい22階にいたのですが、今日からはずっと下の階になりました。エレベーターに乗っている時間が大幅に減ったのはいい点ですね。しかし、晴れた日に富士山の偉容を窓越しに見る贅沢がなくなったのは残念です。

それより何より、移ってきた部屋は以前、からまるが今とは違う雑誌編集者だった頃に働いていた場所。十ウン年経って、また同じ場所に戻ってくるなんて、何だか成長がないようでちょっとばかり落ち込んでおります。
こんにちは、からまるです。

エルヴェ・ファルチャーニさんの『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』が告発した「スイス・リークス」では、どんな個人名が挙がっているのでしょうか。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のウェブサイトには、著名人66人の名前が一部顔写真入りでアップされています。

政治家ではヨルダンのアブドラ国王、モロッコのモハメド6世国王、パラグアイのカルテス大統領、歌手のフィル・コリンズ、俳優のクリスチャン・スレイター、複数のF1レーサー、変わったところではセレッソ大阪にいたディエゴ・フォルラン、日本人では建築界の大御所、槇文彦......。もちろん、ここに名前が挙がっているから即、脱税の疑いがあるわけではありません。しかし、実際に、ファルチャーニさんの意図通り、リークされたリストに基づき、多くの人が脱税犯として各国税務当局に摘発されています。

イタリア語の原題「La Cassaforte Degli Evasori」を直訳すると「脱税犯の金庫」となり、著者の意図がこうした脱税摘発にあることが伺えます。当初はこういう感じのタイトルを考えていたのですが、リストに名前が挙がっていることが脱税であるとは言えない事実と、翻訳原稿を読んで、これは単なる脱税の告発なのではなく、もっと大きなスケールを持つのではないかという感想を抱いたことで、原題の直訳ではダメだなと思うようになりました。
こんにちは、からまるです。

昨日は風邪が悪化しまして、会社も日記もお休みしました。

翻訳の新刊、『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』の見本が出来上がってきました。デスクで撮った写真でご覧のような表紙です。装幀してくれたのは、小口翔平さんです。

寵愛した銀行見本.JPG
写真でおわかりのように、この本の話題の第一は、監修を橘玲さんにお引き受けいただいたことです。実はからまるは以前から一読者として橘さんの作品と世界観が大好きで、本書の粗々の情報をエージェントさんからもらって、版権を講談社が取得したとき、真っ先に思いついたのは、憧れの橘さんに監修をお願いしたいというアイデアでした。

社内のツテをたどってご本人にお会いできたのは3月半ばのことでした。その場で橘さんが本書に関心を持っていただいたのには感激しました。著者が無名の翻訳書の場合、信頼感が高い日本人著者の方に監修していただけるかどうかは、本の成功不成功を直接左右しますから、ぱっと道が開けたような思いがしました。実際、その後の翻訳作業が大変だったことを考えると、もし橘さんの存在がなければ、この本を専門家の方々にきちんと読んでもらえる本にはできなかったと思います。

橘さんには、監修という立場からは異例に長い「イントロダクション」と「あとがき」を書いていただきました。これが両方とも本当にいいんです。もう実際に読んでいただくしかありませんが、ヨーロッパのタックスヘイブンのなりたちが即座にわかるだけでなく、告発者ファルチャーニさんの数奇な運命にも作家ならではの目線が当たっているのです。
こんにちは、からまるです。

来週水曜日、翻訳の新刊を出します。タイトルは、『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』です。メインタイトルとサブタイトルに関係代名詞「した」がダブってうっとうしいぞ。そんな声が聞こえてきそうですが、いいんです、そんなこと。こうしないと伝わらないのです。

「行員」とは、世界最大の金融グループ、HSBCのスイスのプライベートバンクにITエンジニアとして働いていた、エルヴェ・ファルチャーニという人物です。彼は2009年以降、そのジュネーブの銀行で顧客リストを盗み出してクラウドに保管し、ヨーロッパの各国警察にアクセスさせます。この「ファルチャーニ・リスト」には13万人近い氏名と情報が載っているとされます。

これはヨーロッパで「スイスリークス事件」と呼ばれて話題をさらっていましたが、2015年2月に国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が、このリストの一部をインターネットに公開することで一般の目に触れ、日本でも報道されました。この本の原書は、その同じ2月にイタリア語で刊行されたものです。

本書は実に話題満載です。明日からはその話を一つずつ。

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