『ひどい捜査 検察が会社を踏み潰した』の理不尽で非情な現実。

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こんにちは、からまるです。

昨日発売の+α文庫、石塚健司さん『ひどい捜査 検察が会社を踏み潰した』。なぜ親本のメインタイトル『四〇〇万企業が哭いている』をそのように変えたのか、もう一つの理由は、「特捜検察批判」というこの本の性格をはっきりさせたかったことです。

親本のメインタイトルは、中小企業社長の目線に寄っています。決算書を粉飾しないと銀行融資がおりない現実、しかも銀行員がそれを知りながら融資するために黙認する現実を強烈にあぶり出したのが、本書に書かれた事件です。一般株主がいない非上場の中小企業なら誰も被害感情を抱かないこうした現実に、外部から「正義」の看板を笠に着て土足で踏み込んでくる検察。法律とはいえ、社長たちは破産し、取引先や家族に甚大な被害を及ぼすのは、いくら何でも理不尽ではないのか。この非情な構図を描ききったところに、本書のノンフィクションとして傑出したところがあります。

文庫では、その検察の問題を直接的に取り上げるタイトルにしました。『ひどい捜査』とは直接的過ぎるかもしれません。からまるは「暴走捜査」というのも考えたのですが、石塚さんは「暴走」ですらない、直裁的に「ひどい」ものだったというのが実感のようでした。

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このページは、karamaruが2016年7月22日 16:37に書いたブログ記事です。

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