2017年5月アーカイブ

こんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続きです。金沢21世紀美術館の開館が1年半後にせまり、どうやらこの美術館は世界中からワケのわからない「現代アート」を収集しているらしいことが明らかになってきます。当時、2003年3月の北國新聞解説欄の記事がすごい。こんな感じだったのでした。

「伝統や地域性のない無国籍な現代アートに大幅に軸足を置く方向では、苦境に立つ各地の現代美術館の二の舞にもなりかねない」

現代アートにお客など来るわけがない。ぜったい失敗するに決まっている。税金を投入して大丈夫なのか。そういう主張が透けて見えるような言説ですね。しかし開館してみると、その斬新な建築とともに大きな話題となり、翌年度に130万人ものお客が押し寄せる事態となりました。反対派はトーンダウンしていったそうです。

そういうタイミングでの、著者・秋元雄史さんの館長着任。開館は成功だったとしても、開館前のバトルの構造、国際的現代アート界と地元伝統工芸界の、現代対伝統のバトルはずっと残ったままでした。しかしもちろん、どちからが優れているとか劣っているとかを争う問題ではありません。両者をどう橋渡すか。そこから秋元さんの奮闘が始まりました。あっとおどろく試みの数々は、ぜひ本書でお楽しみくだい。

こんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続きです。『おどろきの金沢』の原稿整理をしている段階で調べたのですが、金沢21世紀美術館建設までに、金沢市議会や石川県の有力新聞・北國新聞紙上で、現代美術の「現代」なるものをめぐって、市民たちと開館準備側とのあいだに激しい攻防があったことが、当時の議事録や紙面から窺えました。

もともと金沢市の人たちにとって「現代美術」とは、「現代美術展」という名の石川県展を指したのだそうです。地元作家が新しく描いた作品を展示する「県展」ですね。しかし、もちろん開館準備側のコンセプトは「世界の現代アート」です。ここまで真っ向から違うものであると気付いたとき、金沢の人たちは「愕然としたのではないだろうか」と秋元さんは本で書いています。あちこちから批判が噴出するのでした。

こんにちは、からまるです。

先週すこしだけ紹介した秋元雄史さんの新刊『おどろきの金沢』。とてもシンプルなタイトルになりましたが、ではそもそも何がそんなに「おどろき」なのか。秋元さんが金沢21世紀美術館の館長として金沢に移住し、その後感じ続けた「おどろき」をそのまま目次にしました。以下のような感じです。

第一章 金沢21世紀美術館の嫌われぶりにおどろく
第二章 伝統と現代のバトルにおどろく
第三章 工芸の過激さにおどろく
第四章 城下町のプライドにおどろく
第五章 金沢人のかっこよさにおどろく
第六章 金沢をめざす若い才能におどろく

おどろいてばっかりやんか!と思われるくらいの、おどろき尽くしですよね。開館から3年経って秋元さんが着任した時点ではわからなかった、金沢21世紀美術館に対する金沢市民の冷たい視線。それは、美術館がコレクションしている現代アートの「現代」の部分に対する、美術館側と市民側との認識の違いのためだったそうです。

金沢21世紀美術館は開館半年で68万人と、とても現代アートの美術館とは思えないほど大勢の入場者を集めました。これは成功以外のなにものでもないと思うのに、なぜ? そこには第二章の見出しになっている「伝統と現代のバトル」が横たわっていたのでした。

ブックライター塾新文化記事.jpgこんにちは、からまるです。

5月18日発行の業界紙「新文化」4面に、「「ブックライター塾」28人終了/上阪徹氏がハウツー伝授」が掲載されていました。じつは最終回の13日に新文化の方がいらして、聴講されたのでした。どうもありがとうございました!

また、第3期でも行ったのですが、今期もスペシャルゲストをお招きした上阪さんによる公開インタビューを「現代ビジネス」の記事にする企画に、18人にものぼる多数の塾生さんが参加してくれていたのですが、実際に公開する原稿が決まりました。どんな記事なのか、後日、お知らせしますね。

こんにちは、からまるです。

来月、久しぶりに新刊を出します。2月に出して以来だから4ヵ月ぶりです(そんなペースでいいんですかね!?と言われそうですが)。

以前、この日記で金沢に行ったことを書きました。はい、今度の新刊は金沢の本なのです。タイトルは『おどろきの金沢』、著者は現在、金沢21世紀美術館の特任館長を務めておられる秋元雄史さん、+α新書6月の新刊です。

金沢の何がそんなに「おどろき」なのか。金沢とは地縁のない、まったくよそ者の秋元さんが、金沢21世紀美術館の館長として10年暮らして見聞きしたあれこれを綴りました。その無類の面白さを来週、書きたいと思います。

     *     *

明日はバタバタになり、来週月曜日は休む予定でして、この日記は来週火曜日に!

こんにちは、からまるです。

選ばれ続ける必然.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像昨年8月に刊行した佐藤圭一さんの『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』(+α新書)の2刷が決まりました。なんと刊行してから9ヵ月経っての重版です。ものすごい部数が売れているわけではないけれど、本書が長く読まれ、愛され、信用されている証だと思います。いや~よかった、よかった。

本書の目次を再掲しておきましょう。

はじめに お客様は何を基準にして選ぶか?
第1章 あなたの会社はズレていませんか?
第2章 お客様との接触ポイントに気配りしていますか?
第3章 社員は自社の魅力を語れますか?
第4章 会社の魅力をどこから見つけますか?
第5章 自社の「あるべき姿」は明確ですか?
第6章 自社の「あるべき姿」を言葉にできますか?
第7章 自社の「あるべき姿」を見える化していますか?
第8章 「あるべき姿」を社内で共有できますか?

何を基準に選ばれているのか、その基準と自社はズレていない? この疑問から始まり、お客からの見え方を本当にどれだけ客観視できているか(これがむずかしいから企業不祥事が起きる)。「私たちはこういう会社です」という宣言がブランディングだと思われていますが、それがお客からの見え方と一致しなければ、一方通行の宣伝です。自社の魅力とお客が感じる魅力をどう一致させればいいかが見えてくる、いい目次だと思いません? 今後もブランディングの入門書として読み継がれてほしい!

こんにちは、からまるです。

お知り合い本のご紹介です。ライターの佐藤友美さんが書いた2冊目の一般書、『道を継ぐ』という本です(アタシ社)。49歳の若さでスキルス胃がんにより亡くなった美容師・鈴木三枝子さんの評伝。鈴木さんの生涯を追うのではなく、その異名となった「伝説の美容師」の仕事人生を、彼女を知る191人にインタビューした上で書いたノンフィクションです。

美容業界にはまったくなじみがないからまるは、鈴木さんの評判を聞いたことがありません。名前を見るのは初めてです。本書を読むと、鈴木さんは気性が激しくも他人思いの人だったようです。第5章の見出しが「怒濤の叱られ自慢」となっているごとく、インタビュイーの人たちが、いかに鈴木さんに強烈にダメ出しされたかを、競うようにうれしそうに語ったというのが印象的です。「自分で自分の器の大きさを決めるな」とも鈴木さんはよく叱ったそうですから、彼女がいてこそ現在の高いレベルにあると、指導を受けた多くの美容師が感じているのでしょう。そういう叱り系の人、本当に減ったような気がします。

佐藤さんの書きっぷりも素晴らしい。191人のインタビューというからには、膨大な証言データが手元にあったはずです。それらをここまでそぎ落として骨太のストーリーを紡ぎ出したのは、彼女の手腕だったからこそだと思います。いい本ができました。

こんにちは、からまるです。

上阪徹のブックライター塾第4期が、一昨日土曜日で終わりました。今回もからまるは最終課題の1万字原稿を読みまくりました。比較的粒ぞろいだったのが、今期の特徴だったかもしれません。28人の受講生のみなさん、お疲れ様でした! 新たなスタートラインに立ったつもりで頑張ってほしいと思います。

卒塾式仮面写真ブログ用.jpg写真は修了式直後の記念写真で、スタッフ含む全員が上阪さんのトレードマークである赤いメガネを装着! これは塾生さんの発案による、赤い紙でつくったサプライズ企画でした。センスいいですね!

さて、いま20人近い有志の方々に、課題とはちがう実践に取り組んでもらっています。じつは今期2回目の講義で行った上阪さんの公開インタビューは、ダイヤモンド社の石田哲哉社長でした。な、なんで講談社で他社の出版社の社長をインタビューする!?というサプライズ企画でもあったわけですが、そのときのインタビューの記事化に、有志のみなさんが取り組んでいるのです。石田さんの話が編集者の心にまっすぐ届くものだったので、それがどれだけ再現されているか、これも楽しみです。

4期までで、ブックライター塾の卒塾生は100人を突破しました。いまや業界一大勢力(?)になりました。このパワーがきっと業界を明るくしてくれるでしょう!

こんにちは、からまるです。

なんと2週間も日記を書くのをサボってしまいました。いかんですねー。今日から毎日書くように、心を入れ替えたいと思います。

それというのも、今朝、とびきりうれしい出来事があったからです。からまるの知り合いが初めて書いた記事が、これまた知り合いのプロデュースによって東洋経済オンラインにアップされ、あっという間にアクセスランキング1位に。「いいね!」も今の時点で2000を超えています。まったくのライターデビュー作なのに。

その記事のタイトルは、「ヤマト元社員が訴える「宅配現場」本当の疲弊 未払い残業代を払い値上げしても解決しない」。ペンネーム二階堂運人さんは、つい最近までヤマト運輸の社員として、日々トラックで配達をしていました。それだけに記述がリアル、迫力がちがいます。また、「ヤマトという会社は昔から「世の中を味方につける」ことが抜群にうまい」から始まる一節は、新聞を読んでいるだけではわからない、ヤマト運輸という会社の素顔を垣間見るようです。

こうして、トラックのハンドルを握っていた男が「物流ライター」として鮮やかなデビューを果たしたのでした。

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