上阪徹さん『10倍速く書ける 超スピード文章術』は、トップライターの知的生産の技術。

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こんにちは、からまるです。

「上阪徹のブックライター塾」の上阪さんが、「速く書く技術」にフォーカスした本を先月、出しました。タイトルはズバリ、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社刊)です。ブックライター塾で塾生さんにしか教えてこなかった技術まで惜しげもなく公開しています。ブックライター塾を始めたときと同じで、いいライターが輩出してほしい、みんな書くことを苦痛と思わないでほしいという上阪さんの信念を、改めて感じる良書でした。

この本は、上阪さんというトップライターの知的生産の技術です。文芸作家による上手で味のある名文を書くための「文章読本」とは違って、あくまで仕事のアウトプットとしての文章をさらさら書く方法に徹した、知的生産の技術を教えているからです。

過去に、梅棹忠夫さん、川喜田二郎さん、渡部昇一さん、立花隆さんといった方々が、タイトルこそ違えどそれぞれの知的生産の技術や考え方、発想法の本を出してきました。梅棹さんのカード整理法は後に「京大式カード」としてコクヨが製品化し、今でも販売されています(からまるもうんと若い頃、使いました。懐かしい!)。「技術」とはまず、このような誰でも迷いなく使える料理レシピのようなものでないといけません。

上阪さんは本書で文書の書き方を、「目的」「読者」「素材」「構成」などに分解して教えています。その内容はまるで、「ディナーのため」に、「家族4人」で食べる、「秋の魚と野菜」を、「魚はハーブを添えて焼く」などで構成する、「サラダと野菜スープと魚のソテー」を作るレシピのように明快です。

しかし、それだけだとちょっと無機質で、あんまりやる気が出ないかもしません。でも上阪さんの技術の根元には、人の心を揺さぶりたいという「企み」が存在しています。まるでシェフが、食べる人が「うまいな、これ!」と驚くのを楽しみにするように。そのことを上阪さんはこう書いています。

「どんなふうにして、読み手をおもしろがらせてやろうか。びっくりさせてやろうか。感動させてやろうか。そういう気持ちをひしひしと感じる文章は、スラスラ読ませる力があります。そして何より、そういう思いを持っていると、書き手もスラスラと書けるのです」(p215)

好奇心旺盛な子どもが、はたまた噂好きのおばちゃんが、「ねえねえ、聞いて聞いて!!」と迫る勢いの文章は、まさに上阪さんタッチとも言える独特のものです。レシピを見た料理でも、相手をびっくりさせたければ心が弾み、あっと言うに間にできますよね。やっぱり技術は楽しくなくちゃ。

こうして本書は、「技術」の明快さ・正確さと、「技術」を使いたくなる楽しさの、二つの面を満たしたアッパレ本となっているのです(ちなみにこの拙文は、本書にある「王道の構成は、結論→その理由→具体例→まとめ」(p252)を踏襲して書いてみました)。

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このページは、karamaruが2017年9月 6日 18:48に書いたブログ記事です。

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