karamaru: 2008年9月アーカイブ

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

282095-2.gif宗教学者の島田裕巳さんの新刊『新宗教ビジネス』が、明後日発売になるんですが、その前祝いを先週木曜日、島田さんと赤坂のスペインバルで行いました。

四方山話で盛り上がりましたね。お付き合いが長いので、昔話に花咲くことも。で、その昔話ネタの一つは、やっぱり苫米地英人さんのことになってしまうのです。

というのも、このお二人は、考え方はまったく違うのですが、オウム真理教事件で強烈なバッシングを受け、しばらく表舞台から消えざるを得なかったのに、その後10年近く経って返り咲き、いまやベストセラーを輩出するほどになったという共通点があるからです。そして、そのお二人を当時から知り、今もそのお二人の本を出している編集者は、からまるしかいないからでもあるんです。

からまるの見たところ、このお二人がそれをできたのは、世間的な価値観とつねに一線を画してきたからだと思います。オウム真理教に近づこうとした動機がそうでしょうし、そしてその闇を間近で見てしまった結果も、一般マスコミが形成する「倫理的」価値観とは肌が合わなくなったことにつながっているように思います。

オウム真理教事件当時、このお二人をバッシングした「文化人」たちは今、逆にあんまり元気がないように見受けられます。常識の盲点にとらわれず、表層からは見えないところを見ている人の知的たくましさを感じずにはいられません。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

『資産設計塾』シリーズの人気作家で、マネックス・ユニバーシティの社長である内藤忍さんの新刊を準備中であることは、ずいぶん前に書きました。いよいよ今、ゲラが出てきて校正の段階に入ってまいりました。

企画が始動したのが今年のはじめ。それからずっと内藤さんとディスカッションを重ねてきました。最初はもちろん、どういう企画にするかですが、内藤さんがこれまでやってきて大きな実績がある投資の本以外の本を出すということは一体どういうことなのか、内藤さんに何ができるのか、本の目的は何で、読者の方にどんな貢献ができるのか、構成はどうするのか、キーワードは何か、強調したいことは何か、と本当にいろいろと意見交換してきました。

内藤さんの粘り強い熱意に引っ張られるように、からまるもずいぶん勉強させられました。やっぱり、これはという自分ブランドを持っている人は、時間とコストを惜しまずに自分のやることの意味を考え抜くのですね。

そのプロセスの話は折々にするとして、今ディスカッションしているのは、タイトルはどうするか。仮決めしている候補はあるのですが、悔いのない決定をしようと、社内外を問わず、皆さんにヒアリングしながら進めているんです。

この本の特徴をほんの一言でいうと、内藤さんのブログ「Shinoby's World」のご本人の言葉を引用すると、「仕事やプライベートで思い通りの成果を出せない理由を解き明かし、その根本的な解決方法を提案する本」。会社の社長でいながら何冊も本を書き、ブログを12年間も続け、なのになぜかいつも、ゆったりと美味しいゴハンを食べている、端から見ていて何だかラクそーな内藤さんが、そのラクそーな秘密を書いてしまったのです。

「真面目にやっても成果が出ないという人は、周囲に自分を合わせすぎて、自分のバリューアップができていないからではないか。周囲に自分を合わせるのではなく、自分の本当の好きを極め、その価値を周囲に提供する方が成果につながるのではないか。そう仮説を立てました。では、自分のバリューアップを実現するにはどうしたら良いか? それには3つの要素「差別化」「効率化」「継続化」が必要だと考えます」。

この「差別化」「効率化」「継続化」を仕事や他の目標達成に生かすことで、毎日へとへとになるまでやらなくても、いつの間にか成果が出て、日常がストレスフリーな内藤さんの実践法を、読者の皆さんにも使ってもらえるような方法論にしました。

大まかな構成は、、

 

はじめに 成果が出ないのには理由がある
1章 「本当の好き」を見つけよう
2章 好きを極めてジャンプしよう
3章 捨てる勇気を持とう
4章 「時価評価」してもらおう
5章 続ける仕組みを作ろう
6章 続ける心構えを持とう

 

そして、次にあるのが、タイトルの候補案です。

 

好きを極める仕事力

 

超ワガママで成果が出る私の方法

 

好きなことだけして成果が出る技術

 

内藤忍の逆転の成果術

 

どうでしょう? どれがイケてます? それとも、もっといい案があります?

内藤さんのブログ「Shinoby's World」でも連動してお聞きしているのですが、もしよかったら、「からまる日記」にも、ご意見をコメントでいただけないでしょうか。貴重なご意見をいただいた方を、からまるが今いちばん気に入っている美味しい居酒屋さんにご招待いたします!

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

『防衛疑獄』を出版した後も、秋山直紀さんは勾留されたままでいることは先週、書きました。いまご本人は、多くの私信を書いているそうです。その中のひとつに、脱税を認めるに至った取り調べの事情が書かれているそうで、側聞したからまるは驚いてしまいました。東京地検特捜部の取調官は、容疑を認めなければ秋山さんの親族が経営している会社のクライアントを聴取するぞ、と言ったのだそうです。

親族が秋山さんの顧問先会社の役員に名を連ねていたため、その親族が事情聴取されるのは当然わかるのですが、容疑の件とまったく関係がない親族の会社の、これまた容疑とは何の関連性もないクライアントを、どうして検察は聴取しないといけないのでしょうか。そうする合理的な理由がないとしたら、ひょっとしたらこれはたんなる「脅し」なのでしょうか。

逮捕された人間に、検察がその気になったら何でもできるという恐怖心が芽生えているのは、容易に推測できると思います。通常なら、「そんなことできるわけがない」と冷静に判断できることも、拘留中ではできないのではないでしょうか。

そういう環境下において、もっとも本人が守りたいことを使って脅されたとしたら、言うことを聞かざるを得なくなってしまうのではないでしょうか。

こうした検察の取り調べにまつわるエピソードは、元特捜検事の田中森一さんの著書『反転』にたくさん出てきます。あの本で書かれていることよりも、さらに背筋にイヤなものを感じるのは、からまるが感情移入し過ぎているからなのでしょう、きっと。

でも、検察の目的は、「防衛フィクサーなどという存在自体がけしからん。排除すべし」ということだったのではないかと指摘する関係者もいます。もし本当だとしたら、検察は、一般の生存権さえ左右できる権力を得ていることになりますが、はたしてどうなのでしょうか?

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

282094-2.gifここのところちょっと品薄でご迷惑をおかけした、ジェフリー・クルークシャンク『ジョブズはなぜ天才集団を作れたか』の重版が、今週できました。お待たせしました。

この本の原題は「The Apple Way」で、文字通り、クルマ作りならトヨタ・ウェイというのと同じような、アップル独特のものづくりDNAをまとめたものです。原稿を読んで、アップルのマネはもちろんできないけれど、圧倒的なスグレものを作り出し続ける組織の条件は、日本のベンチャーだって同じじゃないか!と思ってついたタイトルが邦題になっているんです。天才は最初から天才なのではなく、天才になっていくんですね。それがわかる本です。

この本の良さのエッセンスは、藤井孝一さんがメルマガ「ビジネス選書」で伝えてくださっています。どうもありがとうございます。

アメリカ企業はいま投資銀行が大再編の時を迎え、一気に輝きを失ったかのように見えますが、アップルのような会社がある限り、いいところはちゃんと見ないといけないような気がしますね。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

282064-1.gifのサムネール画像あの田原総一朗さんが、『裸でも生きる』の山口絵理子さんにインタビューした記事が、月刊誌「BIG tomorrow」最新11月号の連載「田原総一朗が行く! 現場主義!」に掲載されています。

この記事は、先月中旬、台東区入谷にある「マザーハウス」の直営店に田原さんが訪れて取材したものです。『裸でも生きる』を読んで感動し、どうしても直接、話を聞きたいと田原さんが思ったことがきっかけで決まった取材なのだそうですよ。

なので記事は、「山口さんは数多く会った20代の人材で屈指の人ではないかと思う」と結ばれています。そこまでおっしゃっていただけるとは、うれしいですね。

入谷といえば、テレビ東京系土曜日21時放送の「出没!アド街ック天国」の27日放送予定は、入谷特集。ここに山口さんが登場します! これは必見だ!!

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

朝日新聞夕刊の月イチ連載「ブックアベニュー」の中に、毎月、書店さんのおすすめ本のページがあります。9月20日付の9月のセレクト書店さんは、三省堂書店有楽町店さん。有楽町駅前の東京交通会館ビルにある大きな書店さんですね。

214875-2.gifのサムネール画像のサムネール画像そのおすすめ本のうち、朝日新聞のアスパラクラブ(じつはからまるも入っているんです)の会員が選んだ「これから読んでみたい本」ベスト4に、長谷川幸洋さんの『官僚との死闘七〇〇日』がランクインしました! しかも会員さんと書店員さんのコメント付きです!!

会員さんのコメントには、こんなのがありました。

「日本の国の動かされ方が分かるような内容なのでは。それを知るためにも読んでみたい(40歳代・女性)。

(≧∇≦)

 

さすが、お目が高い! そーなんです。分かるんです!

また、書店員さんのコメントは、こうでした。

「『さらば財務省!』など、講談社の政治・官僚モノはよく売れていますが、この本も大人気です。自民党総裁選を前に政治への関心が高まっているのでしょうね」。

たしかに、最近の講談社は、こうした分野の本で頑張っていると思いますよ。『官僚との死闘七〇〇日』や高橋洋一さんの『さらば財務省!』のほかにも、「居酒屋タクシー」摘発などで恐れられる民主党代議士の長妻昭さんの『闘う政治』、高橋さんと共に結成した「脱藩官僚の会」の江田憲司さんと高橋さんの共著『霞が関の逆襲』など、いろいろな部署から元気のいい本が出ています。『防衛疑獄』もそうですしね。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

逮捕直前に『防衛疑獄』の原稿ができあがったことは、逮捕の瞬間も思ったのですが、今も秋山直紀さんにひじょうに厳しい接見制限(弁護人の他は親族のみ1回だけ!)が続いていることを考えると、奇跡としか言いようがないタイミングだったと思います。こんな状態では、とても手記の執筆などできないでしょうし、からまるがその内容を確認し、秋山さんにレスをする作業も難航を極めたことでしょう。

じつは、からまるは逮捕後の展開を、今から思えばまことにうかつなことに、けっこう楽観的に考えていたんです。20日の勾留期間が終われば保釈されるだろう。そのときゲラを読んでもらって校了しよう。そうしたら8月下旬には出せるな、と。

しかし、この後、新聞各紙に検察による取り調べの内情が伝わり、からまるたちには予想外のことに、秋山さんが脱税容疑を認めたという記事が何度も載るようになりました。原稿の根幹部分はそのこととは関係ないので、そのまま出してもいいという考えもあったのですが、でも今後、取り調べの矛先がどこに向かうのか、さっぱりわかりません。なにしろ、接見制限が弁護人のみで時間もひじょうに短く、秋山さんがいったいどんな調書にサインしたかもよくわからない状態だったのです。そんな状況で本を出しても、その後に不測の事態が起これば、とんでもなく恥ずかしい出版になってしまう。だいたい、秋山さんという人物をこれほどまでに信頼していいのだろうか。

とくに20日後の8月13日に再逮捕されたときは、政界ルートの取り調べに入っているのでは?とまで噂され、目の前が真っ暗になるような思いでした。

本は出せないかもしれない。

今度は何が出るのかと、新聞の社会面を見るのが怖いくらいでした。その恐怖感は、本が書店さんに並んだ昨日まで消えることはありませんでした。このブログに「ナイショ3兄弟の長男、大破中」と書いたのは、その頃です。

からまるから本人への連絡手段は、週に数回接見に行く弁護士の方に数項目にまとめた短い質問ペーパーを送って接見時に読み上げていただき、その返事を連絡してもらうことだけです。

もっとも心配のタネだったのは、起訴後の公判のことを考えると、この本そのものが公判の行方を左右しかねないことでした。だから、秋山さんがこの本を出版する意思を変えることが最大の懸念だったのです。逮捕直後と脱税容疑を認めた直後の2回、からまるは弁護士さんに「出版の意思は変わらないのか」をまず確認してもらいました。答えは、2回とも「変わらない」。

そうこうしているうちに、捜査はそれ以上の進展がないことがだんだんわかってきました。検察が脱税容疑で起訴する方針を固めたことがわかり、原稿を修正する必要がほとんどまったくないことが確認できて、ようやくこの本がボツになることは免れたのでした。秋山さんがどうか早く本を出してほしいと言っていることが弁護士さんから伝わってきたことと、井伏鱒二全集を愛読するという程の文人肌のその弁護士さんが原稿を読んで下さり、「よく書けているから」と出版を急ぐように勧めてくれたことも、からまるの背中を押したのでした。

こうして起訴から校了まで、日程的には最短距離で走ることができました。通常、本は取次会社等に提出する見本を作ってから取次搬入するのですが、この本は見本を作らず、校了、印刷、製本したのち、いきなり取次搬入しました。

この期間、こうしていろいろなことがあったのですが、検察による秋山さんの取り調べは、からまるのような凡人にはとても想像がつかないほど苛烈なものだったそうです。そのことは次回、書きたいと思います。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

214942-2.gif秋山直紀さんの取材は、東京地検特捜部の動きをつねに気にしながら進めました。著書『防衛疑獄』の冒頭に描写されているのですが、昨年秋に、検察は秋山さんの事務所を家宅捜索し、関連資料を、紙だけでなくパソコンの中身までごっそりと押収していきました(からまるの名刺も持って行かれたんでしょう)。この段階から、からまるたちの取材が始まった頃まで、検察は元防衛大臣に山田洋行から裏金が流れたという図柄を描く中で、秋山さんをその仲介者にして贈収賄が行われた疑獄事件として捜査していたと思われました。

しかし、秋山さんのところには、その家宅捜索以来、一度としてコンタクトがなかったのです。秋山さんは捜査に応じる態度だったのにもかかわらず、本当に、一度として。

つまり検察は贈収賄を諦めた。そう思われ、からまるたちもやや弛緩していた連休明け、今度は秋山さんの顧問先米国法人から日本へのお金の流れが調べられて、検察は外為法違反として改めて事件化するという話が伝わってきました。当時の特捜部長の人事異動までに起訴を終えるという日程(そのときは6月末)から逆算された逮捕へのタイムスケジュールまで伝わり、本人は「そんなことできるわけがない」といたって呑気に構えていましたが、からまるは、それまでに取材が終わるのだろうかとカレンダーとにらめっこをするようになりました。

けれども、その「予定日」になっても検察の動きが伝わらず、外為法違反も諦めたのだろうかと一同、胸をなでおろし、秋山さんの逮捕はないという雰囲気の中で取材を終えたのでした。

そこから今度は原稿作成にかかり、できた草稿を秋山さんに渡し、仕上げてもらいます。この間に、今度は検察は脱税容疑に切り替え、さらに特捜部長の人事異動が8月末になったという情報が入ってきます。マスコミに再び秋山さんの名前が出始めた頃に原稿はいったん完成したわけですが、そこからの検察の動き本当にあっという間でした。先日書いたように、完成した原稿を精査し、秋山さんとパレロワイヤル永田町で最後の打ち合わせをしたのが7月23日の午後2時、さらに出てきた疑問点を電話で詰めたのが翌日の正午頃。この直後、任意の聴取に応じて秋山さんは事務所前からタクシーに乗り、そのまま逮捕されたのでした。

こんなふうに、秋山さんの取材が始まってから2回、検察は容疑事実を変え、からまるたちも2回、ほっとしたかと思うとまた緊張するという繰り返しでした。しかし東京地検特捜部は、最初は政界への裏金を捜査していたのにその事実がなく個人の脱税に切り替えたこの間の方針転換について、整合的な説明をしたのでしょうか?

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

本日も昨日の続きです。正味合計15時間にのぼった秋山直紀さんの話に、からまるはしばしば背筋が寒くなることがありました。たいへん抽象的な言い回しですが、日米同盟なるもののあいだは、狭くて曲がりくねった「けもの道」のようなもので結ばれているような印象を抱いたのです。

防衛庁長官としてはじめて在日駐留米軍に対する「思いやり予算」を成立させた金丸信は、長官担任後、防衛族のドンとして君臨します。それまで防衛を仕切ってきたのは、自民党清和会、いまの町村派でした。経世会(竹下派)に足場がなかったアメリカの国防関係者は、金丸信をターゲットにすることを迫られます。元国務省の高官の一人は、その非公式ルートの仲介者として、秋山さんに目を付け、接触してきたのだそうです。

その仲介は実を結び、岩国基地など重要懸案事項にいくつか解決の道を開くことになったのだそうです。しかしからまるは、いくら「防衛庁なんて盲腸みたいなもの」などと当時軽視されていたとはいえ、オモテの政府間ルートではなく、こんな「けもの道」のような非公式ルートを作らなければ、アメリカは日本に肝心の話をしないのかと、そのことにいささか愕然とし、その狭さと暗さに寒気を感じたのです。

こんな話が『防衛疑獄』にはいくつも出てきます。日米同盟という輝くコインの裏側には、かくもダークで、戦勝国と敗戦国の立場の違いを見せつけられ、その歴史を呪いつつも生きていかないといけない政治家、役人、自衛隊や基地関係者の姿があるのかと思いました。

もちろん、いくら秋山さんの手記とはいえ、その話の裏付けを取る作業にも迫られました。ここにお名前を出せませんが、とくに反対の立場にある何人かの方には、手厳しい批判を受けました。それを受けた上でまとめた手記であることを付記しておきたいと思います。

本は明日、発売です。

 

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

4月上旬に始まった秋山直紀さんの取材は、ゴールデンウィークを挟んで合計6回に及びました。時間はだいたい正味で2時間半くらい。午後遅めに、秋山さんが事務局長をしている安全保障議員協議会の事務所があるバレロワイヤル永田町の最上階の部屋に行きます。その前に、一階の呼び出しボタンを押すのですが、からまるは一度も部屋番号を間違えたことはありません。その部屋番号は、からまるの誕生日と同じだったんです。

このビルには、1980年代から90年代かけて、自民党のみならず歴代の内閣にまで大きな影響を及ぼした金丸信の個人事務所がありました。お隣の十全ビルと、交差点を挟んだところにある秀和永田町TBRビルには、それぞれ小沢一郎、竹下登の個人事務所があったため、このエリアのことを、竹下派支配の時代を築いた三人の頭文字を取った「金竹小三角地帯」とか「権力のトライアングル」とか呼ばれていましたね。

最初の取材は緊張しましたよ。秋山さんが出版に必ずしも納得ずくとは言えない上に、からまるには秋山さんへの手紙で書いたように防衛の知識がありません。こういった取材の場合、専門分野にくわしいインタビュアーを付けることもあるのですが、今回はそうしませんでした。心当たりの人がいなかったこと、探す時間がなかったこともあるのですが、何より心強い助っ人がいることが、3月の最初の打ち合わせでわかったからでした。この人のことはすぐあとで書きますが、とはいえ自分ですべての質問を考え、自分でその答えを咀嚼して、別の角度から質問し直す態勢で臨んだのですし、相手はともあれ百戦錬磨の強者です。いろいろな場面でいろいろな人に会ってきたからまるですが、久々に気合いが入る取材でした。

しかし、思った以上に秋山さんは饒舌でした。いくら新聞や雑誌が取材を申し込んでも口を開かなかった人物が意外、と思ったものですが、こちらのほうが素顔であることがだんだんわかってきました。初日は1時間半も話が聞ければ上出来くらいのつもりだったのですが、終わってみれば、訪問してからすでに3時間が経っていました。

取材はずっと同じ、応接室の大きなテーブルを挟んで。秋山さんにからまるが向き合い、三角形の一角の位置に助っ人である産経新聞の社会部記者、石塚健司さんが座ります。石塚さんは最初の打ち合わせの席で秋山さんに紹介されたのですが、すでに20年近く、秋山さんとは記者と有力ニュースソースとしての付き合いを続けてきたとかで、これ以上心強い助っ人はいるはずがありません。からまるにはとても思いつかないスルドイ質問を浴びせてもらいました。

この季節は夕方になるとコートが恋しくなるくらい冷え込むことがありました。取材を終えて「金竹小三角地帯」に出ると、ふと用を足したくなって、向かいの日枝神社の脇に昔からある、よくハイヤーやタクシーの運転手さんが利用する公衆トイレがあるのですが、そこに行ったものです。たんに生理的欲求だけでなく、今し方までパレロワイヤルの一室で聞いた話に寒気を覚えたからなのかもしれません。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

日米防衛人脈をつなぐフィクサーとして、昨年秋から疑惑を取り沙汰されてきた秋山直紀さんの独占手記『防衛疑獄』を、来週18日に発売します。

一連の報道で周知のように、秋山さんは7月24日午後、任意で出頭した東京地検特捜部で逮捕され、先週、脱税容疑で起訴されました。今回の手記は、まさに逮捕の直前数時間前に、原稿の最後の疑問点数ヵ所を、からまるが電話で確認して、完成したものです。逮捕以降、1ヵ月半も経ち、一度の勾留延期を経て起訴されてもなお、証拠隠滅のおそれありという理由で保釈請求が裁判所に認められず、接見の制限(現在は弁護人だけ)もいまだに解かれないという、1億円に満たない脱税容疑としては異例の長期拘束になっているため、この本はやむを得ず獄中出版ということになりました。

この企画は、昨年秋、その後収賄容疑で逮捕されることになる守屋前防衛次官が国会の証人喚問で、当時、防衛商社の山田洋行から政界に資金が流れているのではないかという「防衛疑獄」の焦点になっていた、久間前防衛大臣や額賀元防衛庁長官と守屋・宮崎前山田洋行専務の会合をセッティングした人物の名前として秋山さんを挙げたこと(秋山さん本人は否定)に、からまるが興味を抱いたことに始まります。その後に出た様々な新聞・雑誌記事で秋山さんの「フィクサー」ぶりを読むにつけ、からまるのアタマの中には、本でやってみたいテーマが鮮明に浮かび上がってきました。

 

日米同盟の闇。

 

今までいろいろな本を作ってきた中で見る、誰もが何の疑いもなく書く「日米同盟」という言葉の抽象度に、からまるはずっと前から気持ち悪さを感じていました。まるで神学のように不可侵な言葉として語られる言語感覚がどうしてもイヤで、かといってその内実を戦後史の中で裏付けていくという扱い方ではなく、その同盟とやらを形あるものにしている人間関係、戦勝国と敗戦国の強者と弱者の心情関係の「いま」が、ノンフィクションの切り口で書かれることはないのだろうかと、漠然と思ってきたのです。

からまるは年末年始、自宅で新しい年の仕事を考えていたとき、その一つとして、こうしたアプローチから秋山さんに本を書いてもらおうと思ったのでした。仕事始めの日に、からまるは次のような文章を手紙に盛り込んで書き、郵送しました。

――「防衛問題について私は素人同然でありますが、世界で最も重要な同盟関係の一つであるはずの日米同盟について、多くの論者は抽象的に、あるいはいささか嫌悪感をもって語ることが多いように思え、しかし国と国の関係、人間と人間の関係であるからには、ままならない現実が多いはずだと思っておりました。どんな人物がこの日米同盟を実のあるものにすべく尽力しているのかと思っておりましたら、一連の報道で秋山様のお名前を知ったという次第であります」

秋山さんから返事が来たのは、その後秘書の方に問い合わせてもなかなか反応がなく、次第にその手紙を書いたことさえ忘れかけていた3月上旬です。パレロワイヤル永田町の最上階にあったオフィスで面会したときは、本人は本を出す気などまったくありませんでした。それどころか、自分がオモテに出ること自体を嫌がっていました。

しかし、自分のアタマの中にできあがってしまったテーマを捨てるのは、どうしても忍びない。面会後、次のような手紙を書いてファックスで送りました。

――「私はこの本を刊行することで、①日本の防衛装備の実態、②防衛利権と言われるものの実態、③日米同盟の真の実像、④防衛問題を扱う政治家と官僚の問題、⑤防衛問題の本質を見ずに口当たりのいいことを発信するマスコミの問題を、多くの人に知ってもらいたいと考えています。そして何よりも、本書を通じて、秋山さんという人物を必要とした、この国の構造的・歴史的な問題点を多くの人に気づいてもらい、今後の日本の方向を考えてもらいたいと思っているのです」

その後に面会したときに、この趣旨を繰り返して口説きました。ようやく同意を得て、4月上旬、長い長い取材がスタートしたのでした。

それからの経緯や裏事情については、来週にまた書きたいと思っていますが、以上に書いてきたような、この企画の最初の時点で考えた趣旨は、今に至るまで何も変わっていないのです。それが、脱税容疑で逮捕され、それを本人が認めるという予想外の波乱が起きても、この企画を断念しなかった理由です。

からまるの目には、いまだに厳しい接見制限を続けているということは、司法当局が徹底して秋山さんと外部の接触を断とうとしているように映ります。たしかに証拠隠滅を防ぐことが理由だとしても、果たしてそれだけだろうか、もっと他に意図、あるいは感情的な何かがあるのではなかろうかと疑わしく思えてもしまいます。それだけに、手記の刊行という事実があまりにも前もって知られることが不測の事態を招くようなことがあったとしたら、その責任の一端を負わなくてはなりません。からまるが今まで、この企画をナイショ3兄弟の長男として、書店さんだけでなく講談社内にさえ公表してこなかったのは、そういった理由によるのです。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

昨日は、島田裕巳さんの10月2日発売予定の新刊『新宗教ビジネス』を校了しました。島田さんが自らのブログ「経堂日記」に書いておられる通り、「かなり変わった本」であると、からまるも思います。宗教を語って教義を語らず。こういう本ができるとは、からまるもビジネス出版部ができていなかったら、思いつかなかったかもしれません。

それにしても残念なのが、ほとんどの教団が財務データを提供してくれなかったことです。

以前にも書いたように、主だった新宗教の教団に、財務データを提供してほしいと電話でお願いしていたのです。宗教法人法で、教団は、その持っている資産と収支の報告を所管官庁に届け出なければなりません。届け出を管理しているのは、文化庁の宗務課です。

それで、たしかに宗教法人法上は、その数字を一般に公開することを義務づけていないんです。なので、その対応は様々。今回の取材対象となった中でいうと、天理教は「道の友」、大本は「愛善苑」、金光教は「天地(あめつち)」という会報誌を発行していて、年に一度の総会等で報告される歳入歳出予算や収支計算書を掲載しています(ただし総資産は掲載されていません)。しかし、これらは少数派です。

前にも書いた真如苑は、まことにスムーズな対応をしてくれましたが、結果はまったくのゼロ回答でした。総資産、収支はもちろん、収入内訳の割合(会費が何%で、献金が何%かというもの)も答えないということでした。

ずいぶん待たされた阿含宗も、立正佼成会も、待ちに待った回答は結局、まるで木で鼻をくくったようなゼロ回答でしたし、創価学会に至っては、

 

電話したその場で、「そうした数字は出していないんです」。

 

業を煮やして、文化庁宗務課にも電話したのです。

「そちらに提出された宗教法人の財務データの閲覧はできないのでしょうか」

とからまるが訊くと、

「宗教法人法を読めばおわかりのように、当方に閲覧させる義務はありません」「宗教法人さんとの関係もありますので」

重ねて、「情報公開請求してもダメですか」と訊くと、

「同じお答えになると思います」。

それにしても、

 

「宗教法人さんとの関係」

 

というのは、やや聞き捨てならないような気がしますね。

もちろん、会社だって株式を公開しないかぎり財務データを一般に出す必要はありません。しかし、献金が年に一〇〇億円あるのでは、とか、総資産額数百億とも数千億とも取り沙汰されるこうした巨大教団の財力には、多くの人が「いったい何をするつもりなのか」と疑心暗鬼になっているのです。こうも頑なな態度を取られると、さらに不要な疑心を生むのではないかと思うのですが、さて?

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

八重洲エネルギー.JPGからまるのところでも小説『カラ売り屋』が好評だった黒木亮さんの大作『エネルギー』が先日、日経BP社から発売されました。東京・八重洲ブックセンターさんで今週金曜日にサイン会があるということで、写真のように、お店の入り口に、天井まで届かんばかりの巨大ディスプレイが築かれていました。

壮観この上ないですね。

「週刊金融財政事情」に連載中だった『カラ売り屋2』は脱稿され、来春刊行を予定しています。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

282092-2.gifのサムネール画像7月刊行の佐々木俊尚さんの『インフォコモンズ』の書評が「週刊現代」の現在発売号に載っています。評者は、ずいぶん以前に仕事をご一緒した異形の書評家、紀田伊輔さん。まだオタク文化が語るに値するものだった頃、そのサブカルの博学さには岡田斗司夫さんでさえ驚いていたものです。佐々木さんのスタンスは、梅田望夫さんと西村博之さんの間くらいにある、ということを書いています。

書評の最後で紀田さんも「いらねっつの!」と書いていますが、そのインフォコモンズの入り口機能である「あなたにオススメ!」は、まだまだ未熟者ですね。からまるも、アマゾンでちょっと夜なべ仕事中の興味本位でクリックしたもののせいで、あんなもんやらこんなもんやらがリコメンドされて、まるで多重人格者になったような気分がいたします(_・ゞ

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

おっとっと、このブログを書くのをうっかり失念しそうでした。。というのは、いま、「新年度方針案」なるものを書いているからなんですよ。

「新年度方針案」とは、文字通り、来年度のビジネス出版部をどうしていくのか、具体的に何冊本を出して、いくら売り上げるのか、その目標達成のための基本方針案を、今年度実績の検証、来年度の計画、中期展望の3本柱で出版部長が書くものなのです。

先日書いたように、講談社の年度は12月から11月までで、ビジネス出版部の実績はちょぼちょぼ。来年度の計画といっても、ビジネス出版部のように比較的生ものを扱う編集部では例年のことなのですが、すでに決まっている企画がまだ少ないので、あんまり具体的な未来像は描けないのです。それで、つい考えあぐねてしまったのでした。

D社とか、G社とか、今年目立った出版社の例ばかりアタマの中をよぎります。なので、からまるたちもそんなふうになりたいです#^^#などと書いたりしていますが、上司は受け取ってくれるのでしょうか。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

214628-2.gifのサムネール画像欧州サッカーリーグは夏の移籍市場が閉じ、結局、『MOMENTS』のクリスティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリーへの移籍騒動は、いったん鎮火しました。からまるたちも表紙の写真になかなか許諾が得られなかったので、一時はやきもきしたものです。そのあおりを食って、ロナウドからポジションを奪われる可能性大だったロビーニョがレアル・マドリーを去ってマンチェスター・シティーに移籍することとなってしまったのですから、遺恨を残すことになりましたね。マンチェスター・ダービーは白熱しそうですが。

さて、そのマンチェスター・ユナイテッドには、トッテナム・ホットスパーから、イングランドでは最高額クラスといわれる3800万ユーロ(約59億6000万円)で、ディミタル・ベルバトフが新ゼッケン9番として移籍してきました。からまるはこの選手が大好き。そのセクシーなプレースタイルに、男なのに頬をポッと赤らめてしまうんです。トッテナムには悪いけれど明らかに前線でのチャンスが増えるでしょうから、デビュー予定の13日のリバプール戦に今からワクワクです。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

2週間ほど前、「序・破・急」でいうと「大破」に乗り上げ中と申し上げたナイショ3兄弟の長男が、なんとかそれを脱しつつあります。昨日、出版スケジュールを立て直し、今もからまるは着々と作業を進めています。

とはいえ、難航に難航を重ねているこの企画、最後まで何が起きるかわかりません。あとは御当局の胸三寸。からまるの夏休みが吹き飛んでしまったように、この企画が陽の目を見る日が本当に来るのでしょうか。。。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

ネックストラップ.jpg『Dr.きたみりゅうじのSE業界ありがち勘違いクリニック リターンズ』のオリジナル・ネックストラップ・プレゼントに多数のご応募をいただきました。ご応募は8月31日で締め切らせていただきました。どうも本当にありがとうございました!!

プレゼント商品は、昨日、発送しました。今日あたりから届くのではないかと思います。いきなり着くので、びっくりしないでくださいね。

からまるはちゃんと社内で着用してるのか? ......はい。します。「幸運を呼ぶ」とか「金運がつく」とか、はたまた「売り上げが上がる」ネックストラップとかに、今度はしようかな<(_ _)>

 

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

昨晩は本当に驚きましたね。

じつは、昨晩のテレビ朝日系の番組「ビートたけしのTVタックル」は「政治家vs.官僚」というテーマで、その中で『官僚との死闘七〇〇日』の長谷川幸洋さんのインタビューが放送される予定だったんですよ。ムフフ、これで本が売れるとほくそ笑んだからまるは、調子づいて酒を呑んでから帰り、録画を見たのですが、なんと番組半ばから福田総理辞任会見の生中継になり、思わず絶句してしまいました。長谷川さんの出演シーンも幻となって消えてしまったのでした。あーあ。。。

担当ディレクターさんの話ですと、NHKが速報を流したら他の各局も追随せざるを得ず、しかもそうなったら会見も生中継せざるを得ないそうです。番組を見ていた視聴者からは、

 

「福田の会見なんかよりTVタックルのほうが面白いのに、どうして中断したんだ」

 

という声も多数、寄せられたのだそうですよ。

こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

月刊誌「現代」の超長期連載に「政界ディープスロート」という政治情報記事があります。一般ニュースでは報道されない(報道できない)極秘情報が、まさにディープスロートとなった代々のベテラン記者を中心に、国平修身なる匿名ペンネームで書かれるのですが、本日発売の10月号で、なんと前代未聞、その著者がついに実名を明かしました。『官僚との死闘七〇〇日』の著者である東京新聞論説委員の長谷川幸洋さんです。

214875-2.gifのサムネール画像じつはこの本は、「現代」のその記事にもあるように「政界ディープスロート」2006年12月号から2008年8月号まで長谷川さんが書いたものがベースになっているのです。

実名を明かすというのは、編集部にとってはもちろん、長谷川さんにとっても大きな決断を伴うものだったはずです。かなり議論があるところでありましょうし、それがどういう波紋を呼ぶのか、からまるなどにはとても読めるものではありません。しかし、長谷川さんが、書き手として「私」という主語を得ることになり、まったく新しい次元に突入できたということだけは言えると思っています。主語をぼやかして間接的に書くための取材から、「私」として書く取材に変わることによって、取材相手の態度はそれまでと百八十度変わるからです。

『官僚との死闘七〇〇日』にしても、「現代」のこの記事にしても、著者が取るスタンスは、ジャーナリズムの客観性を毀損するのではないかという意見が多いようです。でも、からまには、それはとても型にはまった議論のように思えます。

ノンフィクションにはいろいろな手法があっていいはずです。「官僚支配」の伝聞情報ではなく、その支配がまさに始まっている現場にいた本人が見たこと、聞いたことについては、ジャーナリストであろうが、学者であろうが、書くべきこと、人に知らしめるべきことを書くしかないのではないでしょうか。それを「ジャーナリストとして、こんな一面的に書いていいのか」と言うのは、批評としては成り立つけれども、それを書こうとする創造の動機に対しては、何の説得力もないように思えてなりません。

先々週、重版のお祝いを長谷川さんとしたんです。そのとき長谷川さんに、予想通り批判がありますね、と話を振ったところ、長谷川さんは、安倍政権当時、元の役所に戻る場所がないリスクを取ってまで真剣に改革に携わっている官僚たちから、こんなふうに言われていたのだそうです。

 

「長谷川さんは、元の居場所に二度と戻れないというリスクはないのですね」

 

だから、この本を出すことによって、ようやくはじめて彼らと同じ地平に立つことができたのだそうです。

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