karamaru: 2015年11月アーカイブ

11月26日にNHK BS1「世界のドキュメンタリー」で放送されたドイツとスペイン合作ドキュメンタリー番組「顧客情報を盗んだ男 スイス銀行 情報流出の波紋」、見ましたよ。やはり登場しましたねー、ジョージーナ・マイケル(番組のテロップではミカエラ)女史。なるほど、この方ですか。しかしそれより驚いたのは、『世界の権力者が寵愛した銀行』のエルヴェ・ファルチャーニさんのイケメンぶりです。からまるが見た彼のビジュアルはひげをはやした写真一枚だったので、それよりはるかに若く、笑顔のきれいな素顔はかなり驚き。昔の映画「ブラック・レイン」に出演していたアンディ・ガルシアさんに少し似ています。かなりのモテ顔ですね。

番組のインタビューでジョージーナさんは思い切りファルチャーニさんのことを嘘つき呼ばわりして、こきおろしていましたが、番組自体はそこはぜんぜん追及せず、ファルチャーニさんが銀行から盗み取った情報をきっかけにして欧州各国当局の「脱税狩り」が行われたことを評価していました。ほとんどファルチャーニ・リストを活用しなかったギリシャの前財務大臣は、言い分を聞いているとはいえ、まるで悪人扱いでしたね。

322点!

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こんにちは、からまるです。

322点……。もう言葉が出ません。11月27日と28日に行われたフィギュアスケートのNHK杯男子シングルで羽生結弦選手が叩き出した点数です。ソチ冬季五輪で羽生選手がショートプログラム100点超えをしたとき、いつかそのうちフリースケーティングと合わせて300点超えもあるんだろうなと誰もが思ったでしょうが、いきなりそれを22点も上回るなんて、凄すぎます。フィギュアスケートでは、よく「別次元の滑り」「異次元の滑り」といい、羽生選手の今回のスコアも「異次元」なのでしょうが、何だか日銀の「異次元緩和」みたいで、ホントになかなかふさわしい言葉を思いつきません。コーチのブライアン・オーサーさんがコメントしていたように、ずっと語り継がれる伝説の日になったと思います。

クリケットのリンク羽生選手の関連本で今いちばん新しいのは、某社から出ている語録本ですが、ちょうど1年くらい前に出したオーサーさんの『チーム・ブライアン』のほうが読み応えがありますよ! まったく新しい伝説を作る大きな助けになったのは、羽生選手が「クリケットの人たち」と言っていたように、オーサー・コーチをはじめとするトロントのクリケット・スケーティング・アンド・クーリングクラブのリンク(写真)と指導陣なのですから。

かくしては、第二弾にチャレンジしたいぞ!

こんにちは、からまるです。

齋藤孝さんの『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』は、聞き書きによって作られています。構成とライティングを担当したのは、講談社で行ってきた「上阪徹のブックライター塾」2期生の梅田梓さんです。齋藤さんがあとがきに謝辞として「ライターの梅田梓さん」と書いてくださったのを、「ブックライター」にさせていただきました。からまる担当作で初めて「ブックライター」という名称を使った本となりました。

その梅田さんといっしょに齋藤さんとの打ち合わせに何度か臨んだわけですが、とても勉強になりました。的確な言葉遣いに、的確な指示。編集技術的なことまで学ばせていただきました。たとえば、本書は各章最後に、その章の「まとめ」を箇条書きにしています。これ自体はよく行われる編集ですが、それを「セルフチェックシート」という名称にして、ノートに書き取ったようなビジュアルにし、チェックボックスを付したのは、丸ごと齋藤さんのアイデアなのです。

これだけ整理ノート生原稿なるほどと思い、本文中にも項目のまとめ「これだけ整理ノート」というのを作り、からまるは写真のように、本当に大学ノートに一つひとつ書いて、それをまたテキストに起こして、いっしょにデザイナーさんに渡し、図表を作成してもらいました。文字はド下手でお恥ずかしい限りですが、べつに殴り書きをしたわけではなく、先生の話を聞きながらノートを取る感覚で書いたものです。

全部で17点。「図の原稿作成」という作業と考えれば二度手間もいいところ。「そんなことで何が違うんだ」と言われそうですが、機械的にテキスト打ちするだけよりずっと実感がこもっている気がします。

こんにちは、からまるです。

齋藤孝さんの新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』は昨日、発売となりました! まだ書店さんに見に行けていないのですが、この表紙はかなり目立つのではないかと思います。ただし、偶然なのでしょうが、同時期に齋藤さんの本が岩波新書などを含めて他社から4冊くらい出る、からまる担当作史上、最過当競争状態になっています。是非とも勝ち抜きたいですね。

fukusenshikou本書の書き出しは、アマゾンのページにも載せたのですが、次のようなものです。

「本当にすごい役者は、舞台上で演じながら、同時にその姿を観客席から見ることもできる――。能を大成した世阿弥が本にそう書いています。
そんなふうに、もう一人の自分から自分を見るという能力は、舞台の上の役者だけでなく、私たちの日常でも大いに役立ちます。この能力があれば、自分の立場や言動、発想、そして感情さえも客観的に把握することができ、それらをうまくコントロールできるに違いないからです。
いま、多くの人が忙しさに振り回されて、コントロールがきかず、自分のコンディションを乱しているのではないでしょうか」

もう一人の自分から自分を見る。言い換えると、自分を徹底して客観的に見る。「主観」と「客観」を切り離し、二つの自分があるという前提で、物事を考える。こういうスキルを複線思考術としてまとめたのが本書なのですが、この書き出しの部分をお読みいただくだけでも、今までこの日記で書いてきた読書法や仕事法がどうして可能なのか、感じてもらえるのではないかと思います。

このスキルは、メンタルに対しても使えます。とんでもないトラブルに遭遇したとき、人はメンタルを病んでしまいます。からまるだって何度も経験があります。そのとき、その自分を舞台の上に置いて、そのトラブルに悩む人を演じている自分を観客席から見るのです。トラブルに悩む自分を観客席から見れば、それはけっこう滑稽なものかもしれません。つい笑ってしまうかもしれません。そのとき、本書から引用すれば、「パニックになるような状況におかれても自分で自分を笑える強さ」(p121)が手に入ります。まさに最強のメンタルですよね。

世界の権力者が寵愛した銀行先週のエントリで予告した通り、9月9日に刊行したエルヴェ・ファルチャーニさん著、橘玲さん監修『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』の書評が11月22日付け朝日新聞に掲載されました!

書いていただいたのは、京都大学教授の諸富徹さんです。書き出しがいいんですよ。

「『事実は小説より奇なり』とは、まさに本書のことを指すのか」

決まりましたねー! どうもありがとうございます。朝日新聞書評効果は相変わらず大きく、この日はアマゾンのランキングが78位に急上昇しました。書評の最後はこう結ばれています。

「障がいをもつ娘を見つめながら彼は、『カネの価値ですべてを測り、強者が弱者を蹂躙するような現実の中で娘に育って欲しくない』と念じる。著者の思いは実現するのか。いまの彼の闘いは続く」

     *     *

明日は所用で休み、また明後日に!

こんにちは、からまるです。

三連休初日の11月21日土曜日、山口絵理子さんのトークイベント「今、『裸でも生きる』力を。」に行ってきました。タイトルからもわかる通り、山口さんの『裸でも生きる』文庫化記念として、山口さんが連載を持っている雑誌「クーリエ」との共催で行いました。この日の前日、『裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける』の文庫(+α文庫)が刊行されましたので、こちらも是非ご注目を。文庫版あとがきを本人が書き下ろしています。

山口トークイベント20151121当日は450人もの方々にお集まりいただきました。これは無料イベントではなく、先行申し込みで1500円、その後は2000円のチケットを買っていただくのです。にもかかわらず、これだけの大盛況。こういうイベントは50人集まっていただくのも一苦労なので、最初、500人規模なんて大変だなあ、と思っていたのですが、それがチケットを発売してあっという間に杞憂となったのは、本当にありがたいことです。お越しいただいた皆さん、どうもありがとうございます! 写真はその会場の様子です。

からまるも会場内で山口さんの話や質疑応答に耳を傾けました。いちばん胸にこたえたのは、「あなたのやっていることは何につながっている?」という話でしたね。何につながっている? 山口さんは本でも「バングラディシュのこの空は本当に日本の空とつながっているのか」という表現をしていました。これはバングラと日本のあまりの違いについて述べたことですが、こうした種類の想像力がとても大事だと思います。自分がいま取り組んでいることの先をきちんとイメージし、想像すること。「ヴィジョン」では借り物ぽいけれど、「あなたのやることは何につながっている?」というとリアルだと思いませんか?

こんにちは、からまるです。

カバー+帯最近も旺盛に新著を出しておられる、元ウクライナ大使の馬渕睦夫さんが昨年10月に刊行した『世界を操る支配者の正体』の6刷が決まりました! ロングセラーになりましたね。

最近、新聞紙面は国内ニュースよりも国際ニュースのほうがスペースが多くなっているように思います。世界は狭くなっただけでなく、ものすごい変化の渦中にあるのだという認識が広がっているのでしょうか。「世界はどこへ向かうのか、この変化をどう考えればいいのか、私たちはどう行動すればいいのか」を真剣に考えることが必要な時代の、一つの羅針盤が本書であり、また今週ご紹介した松本光弘さんの『イスラム聖戦テロの脅威』なのです。

今後もからまるはこのテーマで本を出していくつもりです。

こんにちは、からまるです。

世界の権力者が寵愛した銀行9月9日に刊行したエルヴェ・ファルチャーニさん著、橘玲さん監修の『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』はじわじわと売れていて、この分野に関心のある方が多いことがわかります。で、そういう方々必見のテレビ番組が26日に放送されるそうです。ドイツとスペインの制作会社が共同制作した番組「顧客情報を盗んだ男 スイス銀行 情報流出の波紋」(NHK BS1「世界のドキュメンタリー」、26日23時から)がそれです。

これはものすごく楽しみですね。本書を読んでいただいた方なら全員、いやが上にも期待が高まるだろうことは、ファルチャーニさんの本書での主張すべてを真っ向から否定しているジョージーナ・マイケルさんが登場することです。ファルチャーニさんと一緒にレバノンに行った、フランス系レバノン人の女性です。彼女は、自分はファルチャーニさんの愛人で、彼は離婚の慰謝料をまかなうためにHSBCプライベートバンクの顧客名簿を高額で売ることを計画し、レバノンに行ったと語っています。事件の陰に、どろどろの男女関係がからんでいるのか? ぜひ彼女のご尊顔を拝見したいところです。

また、先週の読売新聞に続いて、22日の朝日新聞に書評が出ることが、朝日新聞のサイトで予告されました。上から2番目に掲載されているので、字数の多い書評になるのではないかと思います。どなたが、どんなことを書かれるのか。これも楽しみです。

という次第で来週はファルチャーニ祭り!

こんにちは、からまるです。

複線思考術見本今日、齋藤孝さんの新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』の見本が編集部に届きました。写真でご覧の通り、白とピンクと黒! きれいでチャーミングに仕上がりました。写真の上の部分から少し覗いているように、見返しもピンク。本文用紙は、いつもからまるは落ち着いたアイボリー系の紙を指定するのですが、カバーの色校の、あまりの潔さを見て、急遽、もっと白い紙に指定替えしました。

表紙周りの文字は全体に丸みを帯びたものになっていて、本の上下に白いスペースを空けています。齋藤さんの切り抜き写真がその空きの部分にさりげなく入っていて、とても斬新な印象になっています。タイトルの「複線」をイメージした図形と齋藤さんの手の動きがリズムを作り出しています。この計算し尽くされた装幀をしてくれたのは、石間淳さんです。

最初のアイデア段階では、複線がはっきりビジュアルでわかる都電荒川線の駅のホームに齋藤さんにお立ちいただいて写真を、などと好き放題言っていたのですが、それは叶わず、でもかえってこういう抽象性の高いデザインのほうが普遍性があってよかったな、と思っています。

こんにちは、からまるです。

昨日ご紹介した松本光弘さんの『イスラム聖戦テロの脅威 日本はジハード主義と闘えるのか』を「現代ビジネス」でも紹介してよ、と昨日、当該編集部に提案したところ、早速、取り組んでくれました。ウェブマガジンとして「ニュースの深層」を売りにしているのですから、やはりパリ同時多発テロに関する解説記事を載せたいと考えるのは当然なのでしょう。それにしても仕事が速いぞ。

とはいえ、松本さんは、この時期、超多忙な現役の警察庁外事情報部長とあって、とりおろしのインタビューや寄稿ではなく、本書に書かれた、日本が対処すべき問題の一部を抜粋したものです。でもニュース写真といっしょにレイアウトされた仮版を見ると、臨場感がありますね。明日の「現代ビジネス」をお楽しみに。

ちなみに「現代ビジネス」は数ヵ月前から編集態勢が変わり、ページビューをどんどん伸ばしているようです。平均年齢が思い切り下がったせいでしょうか、フットワークの軽さを垣間見ることができました。

こんにちは、からまるです。

13日の金曜日夜、パリで同時多発テロが発生しました。120人を超える方々が亡くなり、けが人も350人を超えています。自爆したイスラム国の実行犯の一人は、フランス国籍を持つ男性だったとも報道されています。

イスラム聖戦テロの脅威この事件の思想的背景や新しい「戦争」の構造を理解するのに、8月に刊行した+α新書の『イスラム聖戦テロの脅威』(松本光弘さん著)は必須の文献だと、からまるは自信をもっています。広範な事実をカバーした網羅的な内容なので、イスラム国そのものについて触れた箇所は少ないのですが、たとえば次のくだりは、いわば最悪の予言となってしまったようです。

「バグダディはビンラディンの後を継ぎジハード運動を率いると率いると明言している。その裏付けとして少なくとも一度は、西側世界でセンセーショナルな大規模テロをやらなければならない。シリアとイラクでの支配が固まったと思えば、攻めて出る可能性が高い。潜伏する『スリーパー』への警戒は、不可欠だ」(p98)

今回の事件は、アルカイダにとっての9.11同時テロと同じような意味合いもあったのでしょうか。警備員が阻止したことで被害の拡大は食い止められましたが、サンドニのサッカースタジアム内でもし自爆テロが起きたらと思うと、恐ろしい限りです。また、まだまだ潜伏しながら指示を待つとみられている「スリーパー」の存在も、実際に生活圏を共にしている人々から見れば、底なしの脅威だと思います。

編集者にも入稿などの〆切がありまして、この日記は今日明日休み。週末は仕事ではありませんが金沢に行ってきます。また来週に!

こんにちは、からまるです。

昨日に引き続き、齋藤孝さんの11月25日発売の新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』について。読書のローテーション方式のことを書きましたが、仕事もローテーション方式で取り組むとさくさく進むと本書で齋藤さんは書いています。

一つの仕事が終わるまで、次の仕事を始めない。これ、からまるもそうですね。もちろん途中でメールチェックや電話、社内連絡くらいはしますが、ひとつの原稿整理をいったん始めたら、それが終わるまでは、たとえもう一つ原稿があっても手を付けない。でも、この単線思考方式の仕事の進め方では、単線思考方式の読書と同様、その仕事が止まったら仕事全体にブレーキがかかってしまいます。

同じ原稿整理という仕事でもいろいろな段階があります。圧倒的に時間がかかるのが、原稿の一言一句を精読し、間違いを直したり、もっと伝わる言葉遣いに書き換えたり、小見出しを付けたり、パラグラフの順番を変えたり、さらには本の構成そのものをえいや!と変えたりする作業です。ものすごく時間がかかります。

でも、まずさっと一読するという段階もあります。全体を把握するために、細かいところはいちいち気にせず読み通す。これはあまり時間がかかません。同じ原稿整理という仕事でも、この二つを複線的に組み合わせれば、前者の仕事が止まっても、後者の仕事にすぐとりかかれます。齋藤さんはこう書いています。

「これのメリットは、ひとつの仕事に飽きてきても、ほかの仕事で気分転換ができるという点です。普通は飽きたら休憩を挟むと思うのですが、私の場合、仕事全体を俯瞰して、Aの仕事で疲れたらBの仕事、Bの仕事で疲れたらCの仕事と、つねに回していく。だから、時間をロスすることなくどんどんはかどります。(中略)こう書くと、ごく限られた「仕事人間」だけが成し得ることのように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ仕事から仕事へと逃げ回っているイメージです」(p161)

この、休憩する代わりに「仕事から仕事へと逃げ回る」という表現が面白いですね。なるほどですわ。この部分は太字の指定にしました。

こんにちは、からまるです。

齋藤孝さんの11月25日発売の新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』についてのエントリの続きです。「複線思考」と「単線思考」の違いを実感できる、とても身近な例が、齋藤さんも実践されている「ローテーション方式」の読書法です。

一冊の本を読み始めたら、それを読み終えるまで次の本を読まない。これが単線思考方式ですね。その本全体をちゃんと理解するまで読むのに集中するのですから、それはそれでいいかもしれません。しかしページをめくるのも煩わしいほどの傑作ミステリーならともかく、仕事で読む本、勉強のための本は、なかなかそうはいかないですよね。やっぱり途中で飽きてしまいます。

そうすると、ただでさえ忙しい毎日、なかなか読了できず、次の本に取りかかれない。これでは読書量はぜんぜん増えませんし、結果として読書習慣が身につきません。それならいっそ、気が向くままに手当たり次第に面白そうな本を読んでいったほうがいいのでは? 齋藤さんは、その通りだと本書で書いています。

齋藤さんは複数の本を並列して読んでいるそうです。それも二冊や三冊ではありません。

「その数は一〇冊から多いときだと三〇冊にもなります。一日のうち、ある本は五ページを読み進め、次に手にした本は二〇ページといった具合で、読み進めるページ数はバラバラですし、しばらくの期間、中断してしまう本もあります」(p157)

これがローテーション方式です。しかし、これだけ多数の本を並行して読むと、次に同じ本を読むとき、どんな内容だったか覚えていられるかどうか不安です。齋藤さんは、「中断していた期間がたとえ一ヵ月あったとしても、本を開いた瞬間に、ついさっきまでその本を読んでいたかのように、すっと本の世界に入っていけるのです」と書いておられますが、これは訓練とか、慣れとかによるのでしょう。そこにこそ本書が提唱する「複線思考術」が生きると思います。

ともあれ大事なのは、「並行して読むと、たとえ一冊の本が止まったとしても、他の本は生き残ります」(p157)という点なのです。一冊で我慢しないで、並行してどんどん読む。その複線思考習慣を身につけるうちに、大量の本の多彩な内容が身につくように、おのずと脳が学ぶのではないでしょうか。

こんにちは、からまるです。

ノンフィクションの大傑作『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(集英社文庫)ほか、多数の著書でなんらかの賞をとっている角幡唯介さんが、またひとつ受賞作を増やしたようです。毎日出版文化賞書評賞に決まった『探検家の日々本本』(2015年2月、幻冬舎)です。

その受賞の声と選評が昨日付の毎日新聞に掲載されています。ノンフィクション作家がノンフィクション作品の書評をした本についてなので、じつに勉強になりました。とくに高樹のぶ子さんの選評の、角幡さんの本から引用しつつ書かれた、次の部分。

「ノンフィクションの成功は『予断が覆された時に生じる自分の感情のぶれをどのように描き出すかという、ただその一点にかかっている』ことを見抜く。万事予定どおりには行かず、予断が覆される恐怖や戸惑いを、常に身体で知っている探検家ならではの認識が、ノンフィクション論になっている」

金言だと思います。まるで自分の仮説がすべて正しいかのように対象を観察し、仮説を補強する部分しか見ないような書き方をしたノンフィクションをつい最近も読みました。そういう本が賞をとったりもすることがあると、むなしい気持ちになります。…とえらそうなことを言う前に、からまるもこの本読まなくちゃ。

こんにちは、からまるです。

齋藤孝さんの新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』の「複線思考」とは何でしょうか。もともとこのキーワードは、齋藤さんが取材中に受けた質問がきっかけになっているのです。その質問とは、本書内でも紹介されているのですが、「齋藤さんは、人の話を聞きながらよくメモをとっていますよね。いったい何を書いているのですか?」というものでした。

は? と思う方が多いでしょうね。人の話を聞きながらメモをとるなんて当たり前といえば当たり前。忘れないように相手の質問内容を書き留めたり、ポイントをメモしたりくらいは、誰だってします。だから取材者は何気なしに聞いたのでしょう。ところが、齋藤さんがメモしていたことは、そういうものではありませんでした。

「相手の話を受けて思い出した自分のエピソードや、浮かんできたキーワードや疑問を書いているのです」。つまり質問を聞きながら、同時にその答えと逆質問をメモしていたわけです。

これはなかなかできないワザだと思います。普通は訊かれてから「う~ん」と考えて答えるもの。答えに詰まると、なんだか自分がバカみたいに思えてしまうものです。でもそんな状況は、ちょっとした違いを認識することで突破できると齋藤さんはおっしゃいます。その違いをキーワード化したのが、「単線思考」と「複線思考」なのです。

こんにちは、からまるです。

昨日のエントリの続きです。11月25日発売予定の齋藤孝さんの新刊『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』では、「できる」系ワードを小見出しにもたくさん使いました。「できる」系を全部挙げるとこんな感じです。

ストレスを読み取れば相手の望みがわかる
エネルギーの流れを見抜き相手にやる気を引き出せる
相手が必要な情報を提示して関係を深められる
相手を満足させるセレクトができる
お見合いオバサンのように人と人をマッチングできる
短時間でも強い信頼関係を築ける
「自己客観視」ができれば怒りを止められる
ストレス収支決算でメンタルを強くできる
トラブルに遭遇しても「自分を笑える強さ」を持てる
悩みをすべて書き出して心の負担を減らせる
逆算思考では仕事の無駄を減らせる
仕事全体を俯瞰できれば仕事を早く覚えられる
「ローテーション方式」で忙しくても大量の本を読み続けられる
自分のなかに明確なルールを持てば強くなれる
アクティブに聞けば「本気の質問」を出せる

10番目の「悩みをすべて書き出して心の負担を減らせる」は校閲から「減らす」では?とコメントが付きました。たしかに、ノウハウとしては「書き出して減らす」となるのですが、それでは本書の価値が見えない気がします。また日本語としては「書き出せば減らせる」が正しいのでしょう。でも、やっぱりここは「書き出して」と方法を断定して「減らせる」とするのが意味的に正しいんじゃないかな、と思いました。

こんにちは、からまるです。

以前のエントリで書いたように、いま齋藤孝さんの新刊を準備中です。ものすごく元気が出る本です。再校の戻し作業をそろそろ始めようという段階まできています。

タイトルは『いつも余裕で結果を出す人の複線思考術』です。「複線思考」とは文字通り、単線ではなく二つの路線を行き来しながら、考えたり行動したり会話したりする方法。すでにアマゾンにはページが生成されていて、そこに表示するためにからまるが本文からアレンジして書いた説明は、次のような感じです。

「単線思考だから行き詰まり、パニックになるのです。つねに代替案を持って提案する、この方法ではダメだとわかったらすぐに違う方法を考える、全体の進行を見て自分の時間を配分する、コメントを考えながら人の話を聞くなど、複線的に行動すれば余裕ができます。じつは人は昔から、自己と他者、主観と客観、部分と全体、直感と論理、現実と問いといった、二つの路線(つまり複線)を交互に行き来しながら、効率的にものを考えてきました。多くの事例とちょっとしたレッスンをご紹介しますので、複線思考術を身につけていただき、いいことずくめの人生を手に入れてください!」

なんだかヤル気が漲ってきませんか? 

では、本書で解説する複線思考術をマスターすれば、どんないいことが起きるのか? 帯の表4に、からまるは次のように書きました。

次を見越して先回りできる。
会話をテンポよく進められる。
バラバラなものごとをつなげられる。
他人の考えを受け入れられる。
マインドコントロールにかからない。
他人の気持ちや望みがわかる。
怒りや悲しみを自在にコントロールできる。
自分に足りないものに気付ける。
スムーズに仕事に集中できる。
ストレスが溜まっても悩まない。
相手によって戦略を変えられる。
結果を出せるルートをいくつも用意できる。

そんなふうにできたらな~ということだらけ。ますます漲ってきますよね。目次にもこういう項目が入っているのですが、あえて、たとえ日本語としてちょっとおかしくても、なるべく「~できる」という言い方をするようにしているのです。

こんにちは、からまるです。

先週から「次週の書評」として予告されていたのではありますが、まさかこんなにデカデカと載るとは想像もしていませんでした。エルヴェ・ファルチャーニ、アンジェロ・ミンクッツィ著、橘玲さん監修、芝田高太郎さん訳『世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白』の書評が、昨日付の読売新聞書評面「本のよみうり堂」に掲載されました。

世界の権力者が寵愛した銀行いやー驚きました。このスペースの巨大さは、からまる担当史上最大に認定ですね。それもそのはず、書評家がおふたりいて、作家の宮部みゆきさんと、東大教授の松井彰彦さんが書いておられます。豪華としか言いようがない書評陣です。からまるにとっては意外な人選でもありました。献本先のほとんどは経済関係者でしたから。

宮部さんはこう書いておられます。「世界中の大富豪やVIPの資産を預かる国際的な大銀行が、顧客の脱税やマネーロンダリングなどを業務として積極的に行っているというぐらいのことなら、その手のサスペンス映画を二三作観ればだいたい見当がつく。だから本書を読んで、こういう巨大金融グループ(とその顧客)が、「タックスヘイブンでオールフリーでパラダイス!」なんて輪になって踊っていられないよう、国際社会がそれなりに努力して規制をかけたり制裁措置をとったりしていることの方に驚いた。ジェームズ・ボンドやエクスペンダブルズが乗り込んでいって暴れない限り手も足も出ないのだろうと思い込んでいたのだけれど、意外とそうでもないのだ」

松井さんはこう書いておられます。「脱税の摘発の他、国家間の攻防や、政治の動きも興味深い。米国は「リスト」を盾にスイスの金融機関の不透明性を改善するように迫る。一方、イタリアの政治家は脱税者を守る法律を施行させ、検事たちの告発を断念させる。原書では著者の主張だけが記述されているが、訳書では背景の解説やスイス当局側の主張も含まれていて、第三者の目で世紀の「情報漏えい事件」を楽しめる。

おふたりとも、どうもありがとうございました<(_ _)> 松井さんの最後に引用した部分は、たんにそのまま翻訳するだけでなく、一手間かけたところに注目してくれたようで、うれしいですね! これは監修者の橘さんや翻訳者の芝田さんと、いろいろと議論した結果に基づく施策だったのです。

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